落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

消費税・軽自動車税引き上げ

2013年12月13日 | 政治・外交
来年度の税制大綱が決まった。
いよいよ消費税が8~10%にアップする。
年金オジンとしては今年も年金が減額になったが、来年からこの消費税の増額が追い打ちとなって身にしみることだろう。
さらに我が足となっている軽自動車の税が引き上げられる。記事に依れば平成27年度新規購入からとのことだが、既に保持している車には影響ないのだろうか。

軽自動車はTPPで米が目の敵にしている由。大型な米車が日本では庶民の車として売れるわけはないと思うが、TPP交渉上の戦略とみる論評もある。
長年親しまれた軽自動車だが、最近のコンパクトカーはリッター当たり35kmという燃費のよいのもあるらしい。 軽自動車制度も外圧や技術革新で終焉を迎えるのだろうか。
来年度の税制改正大綱決定 軽減税率、時期あいまい 「来年末に結論」と先送り 2013年12月13日(金)07:57(産経新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/snk20131213082.html

 自民、公明両党は12日、平成26年度の与党税制改正大綱を決定した。最大の焦点だった生活必需品などの消費税率を低く抑える軽減税率については結論を事実上先送り。暮らし面では、軽自動車税の増税や給与所得控除縮小などで家計負担が増す一方、復興特別法人税の1年前倒し廃止などで企業の優遇策が目立った。

 軽減税率については、財源を確保しつつ国民の理解を得た上で「(消費)税率10%時に導入する」と明記したが、具体的な時期については10%への引き上げ時か引き上げ後かあいまいな形で決着した。制度内容は、26年末までに結論を得て、27年度の税制改正大綱に盛り込むとしているが、対象品目の線引きや税率など重要項目には課題が山積。制度の導入に積極的な公明党と慎重な自民党の意見対立は解消しておらず、協議は難航しそうだ。

 一方、今回の大綱では来年4月の消費税増税後の景気の腰折れ対策に重点が置かれた。復興特別法人税の1年前倒し廃止や、賃上げ実施企業の税金を軽くする施策の拡充を盛り込んだ。減税を賃上げに結びつけ、景気浮揚を図る狙いだ。今回の税制改正と10月にまとめた成長戦略関連の投資減税を合わせた減税規模は、国税・地方税の総額で7400億円程度になるという。

 暮らし面では、自動車課税や所得関連での増税が目立った。来年4月から、自動車重量税は登録13年超~18年の車を対象に増税。毎年支払う軽自動車税も、27年4月の新車購入分から、乗用車で現在7200円の税額が1・5倍の1万800円に引き上げられる。

 年収1千万円を超える高額所得のサラリーマンの給与所得控除については2段階で縮小し、増税する。年収1200万円超は28年1月から、1千万円超は29年1月から増税される。

TPPで軽自動車が消えるか 予想される業界3つのシナリオと投資パターン MONEYzine 10月16日(水)8時0分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131016-00000000-sh_mon-bus_all

 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)というと“聖域5品目”(米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、サトウキビなどの甘味資源作物)ばかりが注目されていますが、国民全体にとってはこれらが一部でも自由化されれば食品価格の下落メリットが大きいといえます。実際、小麦は今でもほとんどが輸入(政府が価格を吊り上げて販売)、牛や豚の餌はほぼ全量輸入、砂糖は北海道と沖縄への政治的な配慮だけの産物といえます。

 農業就業者は3.5%に過ぎないうえに(出所:総務省「労働力調査」)、大部分が高齢者で後継者難、GDPでは1%程度に過ぎません。落としどころは、米粉や砂糖入り原材料などを含め586品目もの“聖域”を半減し、残りは高関税化するという方向と予想されます。

 もちろん、欧米で行われているような農業従事者への所得補償は高額になり、金融が本業となっている農協組織にも配慮することになるでしょう。一方、誰にでも分かりやすい形で変化がありそうなのが軽自動車です。

■米国がなぜか目の仇にする軽自動車
 日本市場で軽自動車の存在感は大きく、2012年の新車登録台数のうち37%が軽自動車(出所:日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会)でした。地方に行けば2台目は軽自動車ということも多く、新車販売の50%近くが軽自動車という地域もあります。

 このため、米国から軽自動車規格が「不公平な非関税障壁」として挙げられ、TPPの焦点の1つになっています。「日本市場で米国車が売れないのは制度面で優遇される軽自動車のせい」というわけです。日本にとっては噴飯ものの論理ですが、当の米国側は大真面目なので困ったものではあります。

 実際は、GMは2005年に富士重工、2006年にいすゞ、2008年にはスズキとの資本関係を解消し、フォードもリーマンショック後に社長を派遣していたマツダの株式のほとんどを売り払っています。つまり、以前は“米国系メーカー車”は軽自動車大手のスズキを含め日本でのかなりのシェアを確保していたわけです。それらを自分の都合で売却しておきながら、今になって 「米国車が日本で売れないのは非関税障壁のせいだ」と主張する鉄面皮ぶりはある意味たいしたものです。

 米国のビッグスリー(ただし1社は伊フィアット傘下)が得意な大型車は、大き過ぎて日本の道路事情には合わず、燃費も悪く、欧州車のようにはイメージ広告にはお金をかけず、販売網も自ら放棄してしまいました。そんな状況では、軽自動車規格がなくなっても米国車は売れないでしょう。代わりに増えるのは日本製の小型車がほとんどで、一部が二輪車と欧州の小型車に回る程度と予想されます。

■それでも軽自動車制度は消える? 
 米国自動車メーカーの本音は、「軽自動車で文句を言っておけば、ドル箱の米国トラック市場を高関税で守り続けることができる」であり、米国通商代表部(USTR)は「軽自動車を突いておけば、農産物や保険で日本の譲歩を期待できる」と考えているようです。

 しかし、米国の主張自体にも一理あって、軽自動車優遇制度の意味は薄れています。軽自動車規格は、日本が貧しかった頃に国民に安価な自動車を提供するというコンセプトで360ccから始まりました。それが排気量が660ccと増え、車体は大きく重くなり、中にはターボ車まであり、車重に対してエンジンが小さすぎて燃費が小型車よりも悪いものが多いという現状では、軽自動車を優遇し続ける理由がありません。

 もちろん軽自動車業界からは、「何台も車を所有する地方では軽自動車は欠かせない」「軽自動車は地方の雇用を支えている」「軽自動車の保有者は所得が少ない層が多い」という声も出ています。ただ、これらには反論も多く、「軽自動車優遇がなくなれば小型車になるだけ」「いずれにしろ車を購入するなら雇用には無関係」「軽自動車が少ない都市部はサラリーマンが多く、所得がほぼ完全に捕捉されているだけ」とも言われます。

 政府・与党から見れば、「エコ」「内需拡大」「国際競争力強化」「税収の確保」「公平性」「選挙への影響」といった様々な観点から、TPPと米国の外圧を利用して、軽自動車の制度をなくす、あるいは大きく変更する可能性もありそうです。

■軽自動車のこれから:3つのシナリオ
 2015年10月に消費税が10%になる時点で、自動車取得税は廃止、重量税は減税となる方向です。また、車の所有者が支払う自動車税・軽自動車税については、現行1000ccの小型車が29,500円、軽自動車が7200円(乗用・自家用)と4倍もの差がありますが、環境性能に応じた課税方式に変更される方向が総務省より示されています。これにTPPを含めた国家戦略の観点を入れると、軽自動車の今後は以下の3つのシナリオがありそうです。

●シナリオ1:外圧を逆手にとって軽自動車が国際戦略車に
 軽自動車の小さな車体は、細い道が多い新興国では大きなニーズがあり、実際にスズキはアルトに800ccのエンジンを積んだ車をインドで製造・販売しています。日本の国際競争力を増すという意味では、軽自動車の車体大きくして、エンジンを800cc程度にすればそのまま国際戦略車になります。
 軽自動車税の上げ幅を数千円に抑えて、米国の外圧をそらしつつも軽自動車優遇を続け、同時に税収も増えて、軽自動車メーカーの国際競争力も増すという一石三鳥のシナリオです。
 このシナリオならば、スズキ、ダイハツや最近軽に注力しているホンダなどに投資妙味が出てきそうです。

●シナリオ2:TPPで攻めに出て軽自動車廃止
 米国がダメモトで軽自動車を攻撃しているなら、逆手にとって軽自動車をサプライズ廃止すれば、米国が日本車にかけている関税(乗用車2.5%、トラック25%)の撤廃時期が早まる可能性があります。乗用車は2.5%の関税がなくなれば、数量が多いだけに輸出車からの利益が大幅に増えます。
 また、トラックといっても映画に出てくるような巨大トラックだけでなく、利幅の大きいピックアップトラックやミニバン、大型SUVが含まれるので、日本メーカーにとってはぜひ攻略したい市場です。また、日本政府は軽自動車廃止を農業の聖域5品目を守る取引材料に使うこともできます。
  一方、国内市場では自動車保有にかかる軽自動車優遇を止める代わりにガソリン税を上げれば、燃費のよい車が売れて環境に優しく、かつ税収も確保できる一挙両得の政策となります。軽自動車は軽トラックなどの実用性の高い車は売れ続けるものの、多くは小型車に置き換わるでしょう。
 そうなると、トヨタ、日産、ホンダ、富士重工は輸出も儲かり、国内の小型車売上も増えるのでメリットが大きい一方、ダイハツやスズキにはマイナスとなると予想されます。

●シナリオ3:政治的な配慮で軽自動車優遇据え置き
 一票の格差のために、地方の声は大きく政治に反映されます。このため、地方に多い軽自動車ユーザーや販売店の声を無視できず、軽自動車優遇が「なんちゃって変更」だけでそのまま残る可能性もあります。
 この場合、米国とのTPP交渉では守勢に回り、農産品聖域5品目や米国市場の日本車への関税撤廃交渉で日本は不利な立場になります。
 このシナリオで投資を考えるなら、自動車産業は脇に置き、農産品輸入拡大と国内農業テコ入れに絞って農業機械、種苗会社、豪米からの輸入品を多用する外食チェーンなどに注目することになると思われます。 (土居 雅紹)