落葉松亭日記

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天津爆発

2015年08月17日 | 世相
支那天津での爆発事故は、想像以上。
危険物倉庫の爆発がここまで広がるだろうか。
wikipediaにも登録される大惨事となっている。
天津は渤海湾の奧、其処から北西約100kmに首都北京がある。
天津爆発 数百人の消防隊員が犠牲か 疑惑の政府死者数発表  2015/08/16 02:08 大紀元
http://www.epochtimes.jp/2015/08/24349.html

天津の物流拠点である濱海新区で12日深夜、大規模な爆発が起き、多くの死傷者が出た。爆発現場の惨状は中国国内のみならず、世界にも衝撃を与えた。

政府の報道規制が敷かれ、被害状況を知ることができない中国国民は、インターネットで情報を共有し、写真や映像を独自に分析している。公式発表が少ないため、地元メディアも手探りで事故状況を報じている。一部は、最初の爆発で駆けつけた200~300人の消防隊員が、次に起きた爆発で死亡したと伝えた。

当局の情報を信じないネットユーザー

中国の国営新華社通信は13日夜、爆発で死者数は消防員17人を含めて50人に増え、負傷者720、うち70人が重体と報じた。14日の国営中央テレビ(電子版)によると、死者は5人増えて55人となった。

しかし、当局が発表した公式の数字は「現実から大きくかけ離れている」として、多くの市民が犠牲の規模に疑問を投げかけた。爆発の惨烈さを伝えるため、現場写真や動画を「証拠」として、ソーシャルサイトなどに公開した。

多くのネットユーザーはミニブログ・微博で「もうニュースを信じないで」「友人は、軍人から200~300人の遺体を運んだとの話を聞いた」「爆発現場付近にある一つの高層住宅、なかは死体だらけ!」「TNT火薬21トンに相当する爆発、しかも住宅地で、死者50人ぐらい? 信じるものか」「内部情報によると、少なくとも3000人(死者か負傷者か、具体的な説明はない)」など、当局の発表に猜疑的な姿勢を示した。

住宅街に近すぎる危険物の倉庫

爆発のあった倉庫を管理していた物流会社・瑞海公司は2011年に設立された。2013年に危険物の倉庫への変更登録申請を提出し、同年に当局の許可を受けた。周辺の団地の多くは2007年に建てられたものだ。

地図には、爆発した倉庫と通りを挟んで向かいに「啓航嘉園」がある。2011年に入居開始した比較的新しい団地だ。爆発現場からわずか300メートルしか離れていない。しかし、国が定める危険物の規制によると、保安距離は1000メートル以上だ。

ネットユーザー@深深的深白が簡易投稿サイトTwitterに載せた、濱海新区の住宅地と危険物管理倉庫を示す地図。赤い丸が倉庫で、青い丸が住宅地を示す。混在しているのがわかる。

消防隊員の死者数 少なすぎる公式発表

中国メディアの中新網によると、天津市消防本部が12日22時50分に通報を受け、9つの消防隊と35台の消防車、埠頭所属の3つの専門消防隊を出動させた。消防隊員らは23時6分に現場に到着。その後も、爆発は複数回起きた。

中国国外の華字メディア「明鏡郵報」は公安省消防局の情報筋の話として、9つの消防隊と3つの埠頭専門消防団の消防隊員らは全員死亡したと伝えた。一つの消防隊には通常、消防隊員20~30人、専門消防隊には15人以上が配属されるため、200~300人の消防隊員は爆発で死亡したと推測される。

消防隊員、危険物質と知らず放水 被害拡大へ

2014年に発行された地元の環境当局の受理書によると、爆発が起きた瑞海公司の倉庫は、炭化カルシウムや硝酸カリウム、硝酸ナトリウムなどの化学物質を保管するために設計されていた。炭化カルシウムは水に接触することができず、炭化カルシウムは水と反応して可燃性ガスのアセチレンを発生する。

ある消防隊員は中国メディア・南方週末の取材に対し、「水をかけてはいけない危険物質とは知らなかった。 現場で放ったのはすべて水やフォーム(泡消火薬剤 )」と語った。別の消防隊員は「最初に燃えたのは1つのコンテナ。10分ほど水をかけるとバリバリという音がして光り出し、爆発した」という。

写真:1000台以上の輸入車が瞬時に焼け焦げた(STR/AFP/Getty Images)
(翻訳編集・王君宜)

■世界第四位の天津港湾被害、世界経済への影響が深刻
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成27年(2015)8月17日(月曜日)通算第4629号
http://melma.com/backnumber_45206/

「天津812大爆発」。悲劇敵事故は大悲劇となり、未曾有の惨禍が重なる
ジョージ・ソロス、保有した中国株のほぼ全株を売却、将来に見切りを付けた


 悲劇は重なる。
 天津の大爆発は未曾有の惨事となり、8月16日に当局が発表した死者は112,行方不明95(そのうち85名が消防士)、不肖して入院中が722名であるとした。
 開催予定だった政治局常務委員会は中止となり、急遽、李克強首相が現場を視察した。
天津市書記の黄興国から説明を聞いた。爆発現場は遠くからみただけで主に犠牲となった消防士らの葬送会場を訪れ、「英雄だ」と遺族を励ました。

しかし「犠牲者は1400名、不明は700名」という現場の噂を在米華字紙「博訊新聞網」(8月15日付け)などが伝えている。2013年11月22日におきた青島の石油管爆発事故ですら、人口密集地ということもあったが、死者62名、重軽傷136名だったの。だから、天津の事故はもっと犠牲が多いはずだという。

 爆発した倉庫は中国に四十社ある危険物取り扱い許可を受けた特殊倉庫だが、天津ではなぜか、事故現場の「瑞海国債物流」という資本金1000万元(邦貨換算二億円)の小さな企業。株主は僅かふたりしかおらず「政府高官との特殊な関係」で運営される企業と判明した(『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』、8月17日)。

 また「有毒な化学材料は700トン、これは通常の基準の70倍」(台北タイムズ、8月16日)、消防士1000名の増援にくわえて、3000名の軍隊が派遣された。
 爆発のあった天津市糖古開発区にはトヨタなど日本企業が夥しく進出しており、被害甚大で操業停止に追い込まれている。

部品供給が中断している上、天津港の港湾機能が麻痺しており、輸出入港として「世界四位」の港湾が今後数ヶ月、使えない状態となると、生産開始はそれなりに遅延するだろう。  日本のメディアはトヨタなどの被害ばかりを伝えているが、世界経済の視点にたてば、世界第四位の港湾が麻痺したというニュースのほうが、深刻な意味をもつ。

 それこそ天津は工業区ばかりか北京へ物資を運送する生命線である。代替できる港湾は渤海湾に大連、旅順、営口、秦皇島、煙台、威海衛、青島などあるが、規模が小さく、また郵送コストが跳ね上がることは目に見えている。

 ▼すぐに行動に出たのはソロスだった
 悲劇は続く。
 8月13日、広東省東莞では地下鉄の工事現場で、300平方にわたって地盤が崩落、それも白昼の出来事で多くのヴィデオフィルムがネットに流れた。

 8月15日、陝西省の炭鉱で落盤事故、64名が生き埋めとなり絶望視される(上海日報、8月16日)。

 ネット銀行は「幽霊銀行」、預金が蒸発しても、どこに取り付けに行けば良いのか、分からない、多くの預金者は「ネット銀行が幽霊化した」と嘆いている、と英『ファイナンシャル・タイムズ』が伝えた(8月17日)。

 かくて世界一の投機家ジョージ・ソロスは、中国の将来に見切りを付けた。
 保有したアリババ439万株、「百度」の30万株、ほかに三社ほどの中国企業株式合計300万株を売却していたことが分かった(ウォールストリートジャーナル、8月17日電子版)。