落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

口蹄疫

2010年05月14日 | 世相
宮崎県で口蹄疫が流行し牛や豚に大変な被害が出ている。
風評被害を防ぐためか、人間への感染が少ないためかマスコミが大々的に取り上げていなかった。
すでに7万頭の被害が出ているとのこと。畜産農家にとっては大変な事態だ。
以前の経験を活かせなかったとはお気の毒だ。
【産経抄】5月14日 2010.5.14 03:00
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100514/crm1005140301005-n1.htm
 「ドナドナドナドナ 荷馬車が揺れる…」。童謡『ドナドナ』のメロディーは、たまらなく悲しい気分にさせられる。安井かずみの訳詞で、売られた子牛が市場に向かう情景を歌っていると知り、なるほどと思ったものだ。
 ▼まして丹精込めて育てあげた、牛や豚の殺処分に立ち会う、酪農家のやりきれなさは、察するに余りある。宮崎県で先月発生した、家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」が、すさまじい勢いで広がっている。
 ▼蹄(ひづめ)のある動物の口のなかに水ぶくれができたり、発熱したりする伝染病だという。人体に影響はないが感染力が強く、処分はやむを得ない。その数はすでに7万匹を超え、10年前に宮崎県と北海道で発生したときに比べて、被害は100倍以上だ。2001年の英国での大流行では、処分された豚や羊は340万匹にも達した。
 ▼原因となるウイルスは、韓国か中国から流入したと考えられている。4月20日に最初の感染が確認されたとき、封じ込めに失敗したことは悔やまれる。口蹄疫防疫対策本部長を務める赤松広隆農水相が、ゴールデンウイーク中に外遊に出かけるなど、関係者の危機感があまりにも薄かった。
 ▼「ドナドナ」は、牛を追うかけ声ととるのが一般的な解釈だが、この歌は、長い受難の歴史をもつユダヤ人の心の叫び、との説もある(『童謡の謎3』合田道人著)。「ドナ」は実はヘブライ語で、「主よ」「神よ」を意味する「アドナイ」だと、いうのだ。
 ▼生活の拠(よりどころ)である家畜を失い、処分などの費用の負担がのしかかる農家は、まさに神か仏に助けを求めたい思いだろう。ネット上では、農家支援の募金受け付けが始まっているそうだ。被害の拡大阻止と農家の救済に、政府は全力を尽くしてほしい。

口蹄疫問題、ネットで“炎上” 赤松農水相に批判 「報道統制」のデマも 2010.5.12 22:44 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/100512/dst1005122246004-n1.htm

過去最悪の6万匹殺処分、広がる口蹄疫の影響 宮崎 2010.5.8 20:43 産経
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100508/biz1005082045006-n1.htm

余談:
牛や豚を数えるのに、いつから「匹」になったのだろうか。
バッファロー、シマウマ、キリン、ライオン、トラ、ゾウも「匹」だろうか。
人間よりデカそうなものは「頭」と思っていた。

国民を舐めたらいかんちゃ

2010年05月12日 | 政治・外交
やわらちゃん、柔道よおやった
やけど3つも(主婦、五輪、参院出馬)できゆうか
落語家や歌い手さんよ、経済や国防に詳しいのか
議員は3400万円以上の歳費を国民の税金から支払われる
議員を片手間でやってはいかんちやよ


各党の選挙対策は参院選で気もそぞろに違いない。
現政権は景気対策、安保で漂流中だ。
タレント候補で人気取りをやる場合ではない。有能な人材の発掘をお願いしたい。
【産経抄】柔ちゃん、五輪はあきらめなさい 2010.5.12 03:52 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100512/plc1005120353000-n1.htm
 昇る朝日もいつかは沈む。平家物語を学校で習わなくても盛者は必衰すると、大方の日本人は肌で感じている。ただし、ずば抜けた才能を持ち、努力を怠らず長くトップの座を維持している人ほど自分は例外と信じたがるようだ。
 ▼もう34歳になった「ヤワラちゃん」こと、女子柔道の谷亮子選手の参院選への立候補表明は、漫画そのものだった。子育てしながら平日は国会に通い、オリンピックで金メダルをとろうなんて常人では考えもつかない。
 ▼先例はある。当選翌年、アトランタ五輪に自転車競技で出場した橋本聖子参院議員は、「国会は仕事をしなくていいところなのか」と袋だたきにあった。「二足のわらじは両方の力になると信じていたのに、どちらの世界も傷つけた」と反省した橋本氏は、選手生活にピリオドを打ち、議員活動と子育てを見事に両立させている。
 ▼家族は言いづらいだろうから小欄が代わりに言ってさしあげるが、ヤワラちゃん、国会を目指すならロンドン五輪はあきらめなさい。そもそも柔道選手としてのピークはとっくに過ぎている。
 ▼2年前の4月、全日本柔道連盟が、北京五輪代表を決めると銘打った大会の決勝で、彼女は山岸絵美選手に完敗した。にもかかわらず、全柔連は谷選手を代表に指名した。実より名を取ったわけだが、案の定、本番では銅メダルが関の山だった。
 ▼何より情けないのは、「百万千万の味方を得た」と谷選手の横で破顔していた民主党の小沢一郎幹事長をはじめとする政党人の面々だ。参院選では自民党など野党も元野球選手や歌手らを大量に立候補させる予定だが、有権者をなめきっているのではないか。参議院は落ち目のタレントや元スポーツ選手を再雇用する場ではないはずだ。


日本館に国旗無し

2010年05月08日 | 政治・外交
華やかに開幕した?上海万博は、出足低調らしい。
しかし、日本館は人気が高いそうで結構なことだ。だがその日本館は国旗の掲揚を見送っている。
日の丸が軍国主義の象徴として受け取られるのを恐れたとのこと。いつまで抗日戦争なんだろう。
古い話だが、大阪万博では、各国の旗が競うように翻って壮観だった。もちろん中国館も。
万国博というぐらいだから、各国ご自慢のパビリオンにそれぞれの国の旗がはためくのは当たり前と思うが・・・なんとも意気地のない話だ。
日本館3000人が列、「ハイテク見たい」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100501-OYT1T00433.htm
 【上海=加藤隆則、比嘉清太】多くの国のパビリオンが国旗を掲げる中、上海万博・日本館は1日、日の丸の掲揚を見送った。
 担当者は「過去の万博でも掲げなかったことはある」と説明するが、反日感情に配慮した措置と見られる。日本産業館スタッフも「政治にかかわることがないよう展示内容には気を使った」と話している。
 中国では抗日戦争を題材にしたテレビ番組が頻繁に放映されており、日の丸が軍国主義の象徴と受け止められる傾向が強い。
 日本館は開館時には中国人観客ら約3000人が列をつくる大盛況ぶり。浙江省温州市の高校2年生、呉昭毅さん(17)は、前日夜に長距離バスで上海入り。「とにかくハイテクを見たい」と興奮気味。地元の会社員曹美さん(34)も「事前リハーサルでは人気が高くて見ることができなかった。今回は絶対に見る」と意気込んでいた。
 一方、北朝鮮館では、金永南(キムヨンナム)・最高人民会議常任委員長が1日午前のオープンに先立ち、警備員に先導されて同館を視察した。報道陣が近づこうとすると、治安担当の「ボランティア」要員が制止し、写真撮影も妨害した。  北朝鮮館の隣はイラン館で、核問題で揺れる両国のパビリオンの門前では武装警察も立つなど、物々しい警戒態勢が敷かれている。
 ◆日本館=バイオリンを弾くロボットなどのハイテク技術や、遣唐使以来の日中交流の歴史を紹介。館内の照明や空調には太陽エネルギーと雨水を使う最新の環境技術を採用している。外観は蚕の繭をイメージした紫色のドーム形。敷地面積約6450平方メートルと外国パビリオンで最大級。
(2010年5月1日13時02分 読売新聞)


ブログ「台湾は日本の生命線!」 http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/ より
上海万博で国旗掲げぬ日本館―「反日」恐れるなら閉館せよ
本稿は5月2日記。ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1151.html

上海万博開幕初日の五月一日、日本の官民が共同出展した日本館には長蛇の列ができる人気ぶりだったそうだが、いったい同館はいかなるメッセージを中国に発しようとしているのか。
この日の開館式で仙谷由人国家戦略担当相は、「多くの人に『こころの和、わざの和』をキーコンセプトとする日本館を訪れてもらい、先進的な技術と、自然と共生する文化、さまざまな問題を国境を越えて解決しようと言う日本人の心に触れてほしい」と挨拶しているが、これなどは中国人への懇願のメッセージに見える。
つまり「日中間が抱える様々な摩擦問題の解決に向け、日本側は『和の精神』で臨んでいる。中国に皆さん、どうか日本に悪意なきことをご理解下さい」と言ったように受け取れる。
しかし他国不信の戦国思考から脱しない中国側に軽々しく「和の精神」を強調しても誤解を招くだけだろう。弱者、敗者が強者、勝者に対して行う恭順の意思表示と受け取られる恐れが充分にある(あるいは相手に油断を与えるため策略とも)。
ところでこの日、多くの外国館が自国旗を掲揚する中、日本館がそれを見送っている。読売、産経などは、中国の「反日感情への配慮」ではないかと報じているが、これも所謂「和の精神」の発露のつもりか。
読売によれば、「中国では抗日戦争を題材にしたテレビ番組が頻繁に放映されており、日の丸が軍国主義の象徴と受け止められる傾向が強い」(読売)と言う。

しかしそう言うものなのだろうか。たしかに日本人が日章旗を「軍国主義の象徴」と批判しているため、そうした認識が中国に伝わるようになっているとの状況も見られるが、ただある中国ウォッチャーに聞くと、日章旗をそのようにと捉えるのはあくまで日本人であって、中国人にとってそれは「ただの日本の旗」。
そして「日本アレルギー」はあっても、「日の丸」だけにアレルギーを持っているわけではないと言う。と言うことは日本館は、日章旗のみならず、「日本館」の看板も外さなければならなくなる。
いや反日感情を煽ることだけは避けたいと思うなら、いっそ閉館にして万博から撤退するべきである。
しかしそれができないと言うのなら、堂々と国旗は掲揚するべきだ。もし国旗が汚される恐れなしと言えないのなら、警備員を動員して厳重な警護を行う以外にない。

このように見ると、日本館が言うところの「和の精神」など、ひたすら摩擦だけを恐れる弱者、敗者の「怯懦な性格」を自ら美化したものではないかと本当に思えてくる。
だが日本館関係者は、反日感情への配慮ではないと否定している。「これまでもハノーバー万博(ドイツ)など、外国開催でのパビリオンには国旗を掲げないケースがあった」と話しているそうだ(産経)。

私は昭和六十年の筑波万博会期中、日本政府が出展したテーマ館で警備員のアルバイトをやったことがある。当時そこでは毎朝、二人の警備員が白手袋をはめ、厳粛に国旗掲揚を行っていたものだが、近年の万博ではそれを取り止めていると言うのか。
万博と言う国際舞台において国旗は国家の尊厳を表すものである。その尊厳を解さぬ政府であるなら、国際社会に顔など出してはならない。
そしてここで浮上する一つの疑惑が、国旗の不掲揚はもしや自国民の反日を恐れる中国側からの要請を受けてのものではないかと言うことだ。
仮に要請が出たならば、国家の尊厳を忘れた日本館がそれに応じたとしても何の不思議もない。しかしそれでは中国に対し、「日本が貴国の属国である」と言ったに等しくなる。

日本館は国旗を掲げよ。もし「軍国主義」の旗だとの批判が出たら、「この美しい旗こそが『和の精神』を尊ぶ国家の象徴である」と説明し、納得させよ。それが国の代表者としての、国際舞台における使命と言うものである。
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上海万博の日本館は国旗を掲揚して国家の尊厳を守れ
要求先 日本館広報管理センター
Eメール:info@expo2010japanpavilion.com


鳩「海兵隊が抑止力と思わなかった」

2010年05月07日 | 政治・外交
「海兵隊が抑止力と思わなかった」、日米安保などいままで機能していなかったかのような発言だ。
普天間基地問題で、ようやく宇宙人鳩山氏に日本の現実がわかってきたのだろうか。
しかし、どうころぶか判らないのがこの方だ。

【首相訪沖】首相「海兵隊が抑止力と思わなかった」 2010.5.4 18:44 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100504/plc1005041845021-n1.htm
 鳩山由紀夫首相は4日、米軍普天間飛行場の移設問題に関し「昨年の衆院選当時は、海兵隊が抑止力として沖縄に存在しなければならないとは思っていなかった。学べば学ぶほど(海兵隊の各部隊が)連携し抑止力を維持していることが分かった」と記者団に述べた。また、昨年の衆院選で沖縄県外、国外移設を主張したことについて「自身の発言に重みを感じている」とも語った。

 ■在沖縄米海兵隊 米軍の第3海兵遠征軍の中核。沖縄県によると、在沖米軍の6割近くを占め、兵員約1万2千人が駐留。司令部はキャンプ瑞慶覧(沖縄市など)に置かれている。砲兵部隊を含む第3海兵師団、第1海兵航空団、第3海兵役務支援群などで構成。キャンプ・ハンセン(金武町など)には地上部隊が駐留し訓練場も備える。沖縄県によると、普天間飛行場(宜野湾市)には固定翼機16機、ヘリコプター36機の計52機を配備。朝鮮半島や台湾海峡での有事をにらみ、中東にも出動する。


漂流する日本政治を見透かしたように、したたかなシナ、朝鮮半島
【風を読む】論説委員長・中静敬一郎 力の空白につけこむ国々 2010.5.4 08:17 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100504/plc1005040820006-n1.htm
 日本周辺にきな臭い風が吹き始めている。日本に「力の空白」が生じていると周辺国がみて、探りを入れているためでもある。

 目に見える動きを最初にみせたのは李明博韓国大統領といえる。先月2日、日本固有の領土でありながら不法占拠している竹島(韓国は独島と呼ぶ)の支配強化を積極的に検討すると表明した。それからまもなく政府系機関の韓国海洋研究院が竹島周辺海域の海底地質を調査しだした。ボーリングで調べた岩盤の上に海洋科学基地を建設するためだという。竹島のヘリポートも改修される。これまでの2倍以上の重量25トンの軍用輸送ヘリが離着陸できる。今年9月に完成の予定だそうだ。
 この海底地質調査に対し、外務副大臣が電話で抗議はした。だが、岡田克也外相は「不必要な摩擦を招かないため、その言葉(不法占拠)を使わないと心に決めて交渉している」(衆院外務委員会)と語るのみだ。李大統領は昨年来、鳩山由紀夫首相や小沢一郎民主党幹事長と会っている。鳩山政権指導部の竹島への関心の低さと毅然(きぜん)とした対処をとりそうもないことを見据えた行動と読めなくはない。

 日本の反応を露骨に探ったのは先月半ば、ミサイル駆逐艦など10隻を南西諸島から沖ノ鳥島近海にまで進出させた中国海軍だ。中国艦載ヘリの海上自衛隊護衛艦への異常接近に対し、鳩山首相は胡錦濤主席に警告する機会を自ら放り出した。こうした軍事威嚇に「慣れるべきだ」との中国紙の論評は、日中の力関係の変化と本音を如実に示している。  ロシア軍機も1月、与那国島周辺に初めて進出し、空自機が緊急発進(スクランブル)している。日米同盟を揺るがしている鳩山政権の無定見、非力さ、そして愛国心のなさが、いかに危機を呼び込むかをおわかりいただけたであろうか。


メルマガ版「台湾は日本の生命線!」から
中国艦隊の動きに尖閣侵略を予測する外務省―英BBCが報道
本稿は4月30日記。ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1149.html
■中国は沖縄基地巡る不安定情勢に照準
英BBCの中国語ニュースサイトは四月二十二日、「日本は中国軍艦が尖閣諸島を奪おうとしていると見ている」(日本懷疑中國軍艦欲奪釣魚島)と題する記事を配信した。
http://www.bbc.co.uk/zhongwen/simp/world/2010/04/100422_japan_china.shtml
もちろん海自護衛艦への威嚇を含む、中国東海艦隊の大規模演習を受けてのものだ。十三日の胡錦濤主席とのワシントンでの会談で、中国の艦隊が日本に接近した問題を持ち出さなかった鳩山由紀夫首相に言及しつつ、「日本の主流メディアと世論は、左派、中道、右派を問わずほとんどが、鳩山政権の低トーンかつ無力な反応に相反し、艦隊の動向に強い関心を寄せている」と指摘。さらにBBCの取材に応じた外務省の匿名職員の次の談話を掲載している。
それによるとその職員は、「米軍が黄岩島から九二年に撤退するや、中国がそれをすばやく奪取したことに照らせば、中国は現在、米軍の沖縄基地を巡る不安定な情勢に照準を合わせているようだ」とした上で、「日中間が主権問題で争う尖閣諸島を、軍事力で奪取する可能性を探り出した可能性がある」との見方を示した。

■尖閣は「第二のミスチーフ礁」となるか
「黄岩島」とは南支那海のスカボロ礁のことだ。九二年に米軍がフィリピンから撤退するまで、同軍の管理下に置かれていた。現在フィリピンの支配下だが、中国は「一二七九年に元のフビライが派遣した天文学者が発見した」「一九三五年に中華民国の水陸地図審査委員会が中国の版図に入れた」「四七年に中華民国内政部が『南海諸島位置図』に正式記載した」などと言った程度の理由で、強引に領有権を主張している。
ただ、いまだに中国には「奪取」されてはいない。
中国がフィリピンから奪ったのは、やはり南支那海に浮かぶミスチーフ礁だ。この環礁もまた、「南海諸島位置図」に記載されたと言うだけで中国領と主張されている。九五年、中国軍はここに密かに上陸して建造物を設け、それ以来、フィリピン政府の度重なる抗議も無視し、実効支配を続けている。
そして今やここに海軍の大型艦艇が停泊できる港湾、戦闘機が発着できる滑走路を構築し、南支那海の支配権を強化しようとしているところだ。
BBCはこの「ミスチーフ礁」を「スカボロ礁」と勘違いしたのかも知れないが、いずれにせよ中国軍はこのように、米軍の撤退で南支那海に生じた軍事力の空白を迅速に埋めに出、成功を収めているのである。
その中国にとり東支那海もまた南支那海と同様、支配権を確立しなければならない海域である。従ってここでも米軍の動向を測りながら、勢力伸張のチャンスをうかがっていると見るのは当然だろう。その際、第二のミスチーフ礁となるとすれば尖閣諸島以外にない。

■岡田外相も在沖米軍の抑止力を強調
外務省の職員はそうした予測を述べたのだ。そしてさらにこう続けている。
「米軍沖縄基地の一つ重要な役割は中国の南支那海における軍事力を抑止していることだ」
「中国が最近東支那海で見せた覇権の野心から見れば、もし米軍が沖縄から撤退すれば、台湾と東支那海は簡単に中国の手中に落ちるだろう。それは日本にとっても危険である」
これはその後の二十七日、岡田克也外相が会見で示した見方とも符合するものだ。それは次のようなものだった。
「中国などの軍事力強化を考えたとき、現在の自衛隊だけで適正に対応できるかと言うと限界がある」(産経新聞、二十八日)。

■いよいよ顕在化する「内なる敵」の姿
もはや中国との関係に配慮し、「低トーンかつ無力な反応」を続ける場合ではないとの判断からだろう。外相が沖縄駐留の米軍(海兵隊)が、中国への抑止力であることをはっきり指摘したのは異例である。
この外相発言に対する中国の反応はどうか。香港テレビは「沖縄の米軍普天間基地移設問題に注目しているが、米軍の再編は中国を標的にしたものであってはならない」との程永華駐日大使のコメントを報じている。
それはそうだろう。あの国は「台湾と東支那海」を奪取したいのだ。そのためには沖縄の米軍の抑止力は弱くなればなるほど好ましい。

だから思うのである。そのような「日本にとっても危険」な状況、「尖閣諸島を軍事力で奪取」されかねない状況の現出をも恐れることなく、基地移設先を「県外」「国外」に求めて事態を紛糾させてきた鳩山政権など政治勢力は、やはりすでに中国の影響下に置かれているのだと。
中国の軍事脅威の高まりに連れ、それに呼応する「内なる敵」の姿もいよいよ顕在化している。


国民投票法

2010年05月01日 | 政治・外交
内閣がころころと替わり、構造改革、郵政改革をぶち上げ、数年続いた小泉内閣が懐かしくさえ思われる。
平成19年、安倍内閣が制定公布した国民投票法が3年経過した。「国会が発議し、手続きをすれば国民の意思で憲法改正ができ、そのことにより『普通の国』として国際的地位を占め、国内政治においても時代に即応した合理的な改革も可能になる。」とのことだ。

圧倒的な支持で発足した民主党政権で憲法改正もどこかに吹っ飛んだ。その民主党政権は政治とカネの問題で見るも無惨な凋落ぶり、しかも沖縄基地問題の迷走で日米同盟がきしみ、郵政改革も先祖返りしようとしている。
マスコミも一部を除き、肝心なことを報道せず、国民は××手当や高速道路無料化に目がくらんだ。
せめて自民党政権並みの国家観があればまだしも、同盟国からは「ちょっとおかしいのではないか」と云われる始末だ。
世論調査では内閣の支持率もどんどん下がり、国民が過ちに気付いたことを表した。
いくら国際的に信用を落とそうが、選ぶのは国民だ。来る選挙で正し、日本の政治がマトモであることを示せばよい。

敗戦後、先人の努力で経済大国になった。米国に国防を依存することも大きかった。
が、国際情勢も変化し、米も衰えが見えはじめた。シナの台頭も著しい。
日本がこのままだらだらとその日暮らしをつづけていいわけがない。

塩川正十郎氏が指摘するように、「普通の国」として国際的地位を占めることができるよう、国民の意思統一が必要ではないだろうか。堂々と「憲法改正」を掲げる政治家の登場を期待する。
【塩爺のもう一度よく聞いてください】元財務相・塩川正十郎・国民投票法機に憲法論議を 2010.5.1 03:11 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100501/plc1005010312007-n1.htm
 ■国民投票法機に憲法論議を
 5月3日の憲法記念日に「憲法改正」に関する論評が新聞紙上をにぎわすのが毎年の恒例行事のようになっている。しかし、今年はかなり趣が変わるだろう。憲法改正を国民投票にかける手順を定めた国民投票法が間もなく施行されるからだ。民主、自民両党の動きは鈍いようだが、せっかくの機会が訪れるのだから、堂々と「憲法と国のあり方」について論戦を交わしてもらいたい。

 国民投票法は平成19年5月、安倍晋三内閣の努力で制定された。公布から3年を経過した日、すなわち今年5月18日に施行される。国会が発議し、手続きをすれば国民の意思で憲法改正ができ、そのことにより「普通の国」として国際的地位を占め、国内政治においても時代に即応した合理的な改革も可能になる。

 憲法論議の中核となすべきは、国の安全の確保だ。憲法の精神を尊重するのはもちろん必要だが、一面で気がかりなところがある。現行憲法の下で、本当にわが国が国際的に名誉ある地位を占め続けられるのか、繁栄を維持することができるのかということである。

 現行憲法は、先の大戦が終わり、国民が平和を希求する中、占領軍の草案を基に制定された。施行から間もなく63年。その間、世界情勢には東西冷戦の終結、経済のグローバル化といった想像を絶する変化があった。発展途上国も著しく興隆し、経済成長を上回るペースで軍事力を増強している。わが国が現行憲法の通り「諸国民の公正と信義」を信頼して国を経営していてもよいのであろうか。

 憲法前文には「日本国民は…、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とあるが、このような空疎な言葉で、安全と生存が現実に保持されるとは思えない。国際社会に目を向けると、「平和を愛する諸国民」とは正反対の現実に突き当たる。

 例えば中国は尖閣諸島を含む海域での海軍活動を活発化させ、韓国は竹島の実効支配を強化するため周辺海域の調査や開発活動に余念がない。わが国が黙って見過ごせば、近海での漁業操業など多くの権益を失うことになる。関係国との円満な話し合いで解決できればいいが、威圧的な手段を伴わなければ交渉が成功しないケースは少なくない。笑顔で握手をしながら、テーブルの下ではけり合うというのが外交の本質なのだから。

 今、国民は平和が天与のもので、自己努力がなくても保証されるという安心感を持っているため、憲法と国のあり方を真剣に検討することが少なくなった。ある与党党首が自衛隊について「党として合憲か違憲か結論を出していない」と答えたのは論外だが、国会での憲法論議は低調で、わずかに超党派国会議員らによる新憲法制定議員同盟(会長・中曽根康弘元首相)の活動が光るのみだ。

 憲法改正は短兵急に発議すべきものではなく、慎重にして十分な議論が必要だ。だが、わが国の国際的な地位低下をみるとき、国民の自信を回復するためにも、現行憲法の平和精神を尊重しつつも国家の威信を担保するような憲法に書き直す必要があると痛感している。民主、自民両党も参院選でやみくもにバラマキを競うのではなく、堂々と「憲法改正」を掲げるくらいの気概を見せたらどうか。(しおかわ まさじゅうろう)