『未確認原爆投下指令 フェイル・セイフ』 ユージン・バーディック/ハーヴィー・ウィーラー (創元SF文庫)

古本積読消化。
1962年に全米を恐怖のどん底に突き落としたベストセラー問題作とのことだが……。
これって、小説というよりは、日本でいうと政治系新書みたいな感じで売れたんでしょうか?
正直言って、小説としてはダメダメなんですが。
登場人物の過去とか家族とかの描写で膨らませているんだが、これが退屈で面白くない。
それならば、淡々と事実描写だけに徹すれば良いものを、いったい何やってんだか。
ただ、ここで書かれていることは、可能性として21世紀の現代でも色褪せていない怖さがある。
一触即発の政治的問題であることに加え、ソフト開発を生業にしている以上、フェイル・セイフについては、ちょっと敏感になってしまう。
この小説で書かれた不具合を回避するにはどうすればいいかは、いろいろ考えられなくはない。しかし、問題なのは、どちら側にセイフとするのかということだ。ここでは、一度発動した原爆投下指令を如何にして取り消すかということが課題になっている。すなわち、原爆が投下される方にセイフとなっていて、バカでも最終戦争が発生するようになっているのだ。
当時は、それこそがセイフ(安全保障)だったということなのだろう。
21世紀。今となっては、如何に最終戦争を起こさないようにするかというフェイル・セイフに方針転換されていることを信じたい。

古本積読消化。
1962年に全米を恐怖のどん底に突き落としたベストセラー問題作とのことだが……。
これって、小説というよりは、日本でいうと政治系新書みたいな感じで売れたんでしょうか?
正直言って、小説としてはダメダメなんですが。
登場人物の過去とか家族とかの描写で膨らませているんだが、これが退屈で面白くない。
それならば、淡々と事実描写だけに徹すれば良いものを、いったい何やってんだか。
ただ、ここで書かれていることは、可能性として21世紀の現代でも色褪せていない怖さがある。
一触即発の政治的問題であることに加え、ソフト開発を生業にしている以上、フェイル・セイフについては、ちょっと敏感になってしまう。
この小説で書かれた不具合を回避するにはどうすればいいかは、いろいろ考えられなくはない。しかし、問題なのは、どちら側にセイフとするのかということだ。ここでは、一度発動した原爆投下指令を如何にして取り消すかということが課題になっている。すなわち、原爆が投下される方にセイフとなっていて、バカでも最終戦争が発生するようになっているのだ。
当時は、それこそがセイフ(安全保障)だったということなのだろう。
21世紀。今となっては、如何に最終戦争を起こさないようにするかというフェイル・セイフに方針転換されていることを信じたい。