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4月5日土曜日、東京・晴海埠頭から海王丸が出帆した。 船乗りを目指す海技学院の実習生100名近くと、70歳未満の一般公募の研修生13名を乗せて太平洋を渡りサンフランシスコまで1ケ月の航海だ。
当初は、私もこれに乗船するつもりで、国内予備航海の苫小牧~小樽に乗り、その資格を得たが、考えるところがあり、乗船しないことにした。 この航海には、ヨット仲間の油壷アオ●●グループのKW島さん、OK田さん、それに苫小牧~小樽の航海をともにした何名かが参加している。
私はといえば、この日は3年前から始めた東京湾の小型船の運転の仕事で、東京港西航路の現場の船の上からの見送りとなった。
午後2時出港、盛大な出港セレモニーと登しょう礼がとり行われている筈だ。
今か今かと待つこと小1時間、ようやく西航路に姿を見せはじめた。 すると携帯に電話だ。 すぐにピンときた。 海王丸船上のKW島さんからだ。 「出港のセレモニーが終わってひと段落した、が間もなく次の作業に入るかもしれない、あいさつができないかもしれない」と。 「ダイジョブ、仕事の船なのでUW旗は揚げられないけど、敬礼にて安全な航海を祈る」と伝えた。
やがて海王丸は、私の乗る船の前にしかかった。最初の一週間は吹かれてキツいだろうけど安全第一でガンバレ、と祈った。
自分でも以外なほど未練はなかった。 自分のやるべきことを見据えて自分で決断したのだから当然といえば当然だが。
デッキ上では、黄色いヘルメットの実習生たちが、いくつかのグループにわかれて次の作業のミーティングをしていた。
三等航海士のM溜青雲はどこにいるのだろう、 あいつカッコよかったなぁ、厳しくも優しい実習生の兄貴分。 ボースンはどうしているだろう、デッキ上の作業をすべて指揮しながら動きまわり、船長からも信頼されていたっけ。 そんなことを思いだした。
国際空港となった羽田のD滑走路をすぎて南へ転針し、見えなくなるまで見送った。 これでいいのだ。
すると今度は、南極観測船の「しらせ」がオレンジ色の船体を見せにきた。 こんど南極に向かうのはいつだろう。
私のふるさとの海とも言える相模湾は工業地帯もなく、三浦半島から伊豆半島まで、伊豆の島々を抱いていつも美しい。
小型船の船長として東京湾で仕事をするようになり、東京湾にもそれなりの魅力があることに気づいた。 おびただしい数のコンテナ船・貨物船、客船、さまざまな作業船・台船たち。 これらの船を見ていると何だか力が湧いてくるような気がする。
大袈裟に言えば、東京のダイナミズムのようなものが感じられる。
もうひとつの海の楽しみが増えた、そんな気がして、これはこれとしてシッカリとやっていきたいと思う。
4月5日土曜日、東京・晴海埠頭から海王丸が出帆した。 船乗りを目指す海技学院の実習生100名近くと、70歳未満の一般公募の研修生13名を乗せて太平洋を渡りサンフランシスコまで1ケ月の航海だ。
当初は、私もこれに乗船するつもりで、国内予備航海の苫小牧~小樽に乗り、その資格を得たが、考えるところがあり、乗船しないことにした。 この航海には、ヨット仲間の油壷アオ●●グループのKW島さん、OK田さん、それに苫小牧~小樽の航海をともにした何名かが参加している。
私はといえば、この日は3年前から始めた東京湾の小型船の運転の仕事で、東京港西航路の現場の船の上からの見送りとなった。
午後2時出港、盛大な出港セレモニーと登しょう礼がとり行われている筈だ。
今か今かと待つこと小1時間、ようやく西航路に姿を見せはじめた。 すると携帯に電話だ。 すぐにピンときた。 海王丸船上のKW島さんからだ。 「出港のセレモニーが終わってひと段落した、が間もなく次の作業に入るかもしれない、あいさつができないかもしれない」と。 「ダイジョブ、仕事の船なのでUW旗は揚げられないけど、敬礼にて安全な航海を祈る」と伝えた。
やがて海王丸は、私の乗る船の前にしかかった。最初の一週間は吹かれてキツいだろうけど安全第一でガンバレ、と祈った。
自分でも以外なほど未練はなかった。 自分のやるべきことを見据えて自分で決断したのだから当然といえば当然だが。
デッキ上では、黄色いヘルメットの実習生たちが、いくつかのグループにわかれて次の作業のミーティングをしていた。
三等航海士のM溜青雲はどこにいるのだろう、 あいつカッコよかったなぁ、厳しくも優しい実習生の兄貴分。 ボースンはどうしているだろう、デッキ上の作業をすべて指揮しながら動きまわり、船長からも信頼されていたっけ。 そんなことを思いだした。
国際空港となった羽田のD滑走路をすぎて南へ転針し、見えなくなるまで見送った。 これでいいのだ。
すると今度は、南極観測船の「しらせ」がオレンジ色の船体を見せにきた。 こんど南極に向かうのはいつだろう。
私のふるさとの海とも言える相模湾は工業地帯もなく、三浦半島から伊豆半島まで、伊豆の島々を抱いていつも美しい。
小型船の船長として東京湾で仕事をするようになり、東京湾にもそれなりの魅力があることに気づいた。 おびただしい数のコンテナ船・貨物船、客船、さまざまな作業船・台船たち。 これらの船を見ていると何だか力が湧いてくるような気がする。
大袈裟に言えば、東京のダイナミズムのようなものが感じられる。
もうひとつの海の楽しみが増えた、そんな気がして、これはこれとしてシッカリとやっていきたいと思う。