おはようございます。6月18日日曜日です。広島は曇り、現在の外気温は24度程度です。暑くはありませんが、少し蒸し暑い。
紫陽花の花が枯れ始めています。そろそろ剪定する時期になったようです。本日のうちにこの作業を行うかと考えているところです。今年も数多くの紫陽花が咲いてくれました。昨年の剪定方法が良好だったようです。今年もそれに沿って剪定したいと思います。自生の百合が2本、丈を伸ばしています。栄養がありすぎるのか、遺伝子が背高なのか不明ですが、160cm程度の丈になり、花をつけます。咲いたら写真をアップします。
さて、今週の言い訳です。
今週は、中央銀行週間とも言われ、FRB,ECBそして日銀と金融政策が出そろいました。英国中銀は来週22日の予定です。
今回の議長や総裁の記者会見模様をみると、記者から辛辣にインフレ対策、特に、市場や記者は、利上げ停止で間もなく利下げを想定し期待していましたが、パウエル議長はこれを否定し、利上げ停止で少し様子を見るとしながら、ドッドチャートで、年内2回の利上げがあるというパターンを示し、FOMCの総意はこうである、と言わんばかりの説明をしてきました。
このことから、さらに記者から、「現在のFRBはインフレ動向を見誤った事実がある。インフレは徐々に弱まっている傾向がありながら、何故、高金利政策を継続するのか」という辛辣な指摘を受け続けています。
パウエル議長は、高金利下でも、ソフトランディングは可能、と言い、市場は、金利を低下させて、株価上昇を維持したいと願っていますから、金利低下への期待がそがれて、不満続出、パウエル議長は針の筵での記者会見となり、目が躍るような表情さえ見せ、落ち着きのない記者会見になっています。
インフレ見通しには失敗しているFRBです。まだ信用を失墜したままのようです。
来週からの株式市場や債券市場の動向には注意が必要になりそうです。ちなみに、米国株式市場では、3市場とも少し下げて引けています。CMEN225も、日経平均大引けより若干ですが下げていますが、ほとんど変わらないレベルです。
米国10年債利回りも若干ですが下げてきています。
利回りを巡る取引では、GSとバークレイが今回のFOMCで利上げはないと考えて、5月中旬以降、そのような取引を推奨していました。これが見事に的中しています。
「大きな賭け」とまで言われた利回りを巡る取引に決着がついたようです。
日銀会合後の植田総裁の記者会見は、記者から鋭い指摘もなく、現状維持の説明ばかり、何も目新しいものはなく、無風状態。
著名なノーベル経済学賞候補者である方から、政府の会合で鋭い指摘を受けた植田総裁。この経済学者と植田総裁の間で、経済政策論争が起きているようです。前者の方は、YCCを早期に撤廃し、1%の政策金利を実施すべし、という理論派。植田総裁はバーナンキ元議長と同じ師に学んだ方で、経済理論派と目されています。今後の論争を注目したいと思います。
YCC政策を巡っては、すでに歴史は、金融政策にはふさわしくないという「定説」が経済世界では出来上がっている代物のようです。
YCCを撤廃しなくても、上限を少し拡大させることで、利回り上昇と同じ効果を持つということも、少し前に、黒田前総裁の時、すでに経験済み。
本邦でのインフレ傾向は、すでに食品など幅広い分野で、目に見える状況まで上昇してきているにもかかわらず、インフレ目標2%にこだわり続けています。
インフレ2%にこだわる根拠としては、世界がそうだから、という以外には何もなし。気分や雰囲気のなせるものであり、経済学的・金融学的には何の根拠もありません。
日米とも、株価は上昇傾向。これは市場の望むところ。それでも、日米で、中央銀行トップに対しての質問の鋭さが大きく異なります。
植田日銀総裁への期待はもう剥落したのかもしれません。期待が大きかった方だけに、失望も大きくなるかもしれません。黒田前総裁のようにサプライズを行う必要はありません。金融政策の正常化を進めてくれればよいだけです。植田総裁には、学者の時の歯切れの良い声を聴きたいものです。
何か目新しいことが出てくるかと記者会見をLIVEで見ましたが、見事に期待を裏切られました。
日銀総裁という立場を考えれば、その発言は市場に大きな影響を与えると考えるのも無理はなく、慎重になることは理解できますが、変化の見極めという点では、日銀はFRBと同じ過ちを重ねていると思わざるを得ないと思われます。
今回の会合結果、日米の金融政策金利の差は維持あるいは拡大という理解になりましたから、これからもドル買い円売り傾向が継続すると思われます。
現に、金曜日23時にミシガン大学消費者信頼感指数が出て、信頼感指数が予想より強く出ましたが、1年先期待インフレ率が予想を下回り、為替相場は、一時、ドル売りが出ましたが、FOMC結果を意識したドル買い戻しが始まり、NYタイムでぐんぐん上昇し、引け前まで上昇し続け、高値は、141.911円まで届き、引け値は、141.872円です。
金曜日の引け値ですから、ぐっと押し込まれても不思議はないのですが、全くそうなっていません。これからも強い相場になっていると判定できそうです。ロングポジションを決済する輩は不在かもしれません。
日銀が動かないなら、政府が動く? これは困ったものです。
日銀は為替を担当する部署ではありませんが、為替を落ち着かせることができる政策があります。しかし、為替政策の所管は財務省。
マンデル・フレミングモデルという経済理論があり、これですでに実証され、「財政政策では通貨高へ向かい、金融政策では通貨安へ向かう」というものがあります。
安倍政権時代は、景気刺激策ということで、財政政策を実施し続け、残念ながら、景気は刺激されないまま、ドル円は円高傾向となり、75.328円まで進んでいます。
その後ドル円は反発開始で現在に至るという傾向になっています。
では、今は、金融政策の結果で、円安へ向かっているのか、ということになりますが、「その通り」という結果になるかもしれません。黒田前総裁から始まった「ゼロ金利政策」導入から円安傾向になりつつあるかもしれません。
現在の金融政策を修正してくれば、円安傾向も収まってくるようになると思われますが、財政政策との協働も必要かもしれません。政府が低金利資金を求める企業に配慮して、「現状維持」を求めているかもしれませんから、政府筋もこの点に気が付かないと、円安傾向は収まらないかもしれません。企業を救済することが日本の救済につながるなどと言う連想をしているようでは、何をや言わん、です。
ドル円相場の長期見通しでは、ドル円は上下しながら、2030年頃に、175円付近まで円安が進行するという見立てがあります。その前に、今年末にも、2022年10月高値を超えてくる可能性もありそうですから、今後の展開シナリオの再検討が必要になってきていると思われます。
為替相場が、いわば「極端から極端」へ動いても、適切な政策を打つことができない政府と日銀ということになりそうです。このような「政策の隙間」は、投機筋が非常に好むところですから、日本円売りは収まりそうにはありません。
ジョージ・ソロスは、かつて、英国中銀へポンド売り(だったと思います)を仕掛けて、これに勝利した事実があります。今回は多くの投機筋が円売りに来ると思われます。夏相場の売買材料が少ない中ですから、投機筋にとっては、「またとない材料と時期」になっていると思われます。
こうなると、日本政府が為替介入してきても、投機筋は団結して、さらに円売りを仕掛けてくる恐れもあります。
政府が保有する介入用資金は十分あるかもしれませんが、世界中にある投機筋の資金は、一国の資金を上回るものがありますから「資金戦争」などは行わず、「政策変更」で対応するのが賢いやり方、と言うことができるのではないかと思うのですが、、、、。
以上のような見解から、来週19日の週もドル買い円安傾向が継続すると思われますが、142円付近で、一旦山をつけるかもしれない、などとまだ思っているところです。
こう考えれば、142円台に入れば、ショートを打つ取り組みも出てくるかもしれません。相場の動きに注目したいと思います。
先週金曜日の相場で、値幅にして2.021円も急にドル買い円売りが進行していますので、この早い上昇に対して、政府筋から「口先介入」が出てくることも考えられます。
しかし、前述のように、今度「口先介入」があると世界の投機筋が団結して円売りを仕掛けてくる恐れはあると思われ、そうなると政府は白旗を出さざるを得ないかもしれません。この戦いは投入資金量の差で決着がつくかもしれません。
本邦の機関投資家は、ドル買い円売りを仕掛けることを躊躇するかもしれませんが、欧米の投機筋は、お構いなしで買い向かってくるかもしれません。こうなると、前回同様に、NYタイム中に、「為替介入」してくることも想定できそうです。
前回の時は、財務省から、三井住友銀行を通じて三井住友銀行NY支店へ指示が飛び、NY支店がドル売り円買いを仕掛けたという実績になっています。
このパターンは今回もあるかもしれません。
来週出てくる米国経済指標結果を受けて、相場が動きやすくなると思われます。
今度出てくる「口先介入」では邦銀に対して、「ドル円レートチェック」が出てくるかどうかになります。これは報道に注目せざるを得ないかもしれません。
昨年10月に151円台を付けたとき、そののちの下落幅は、およそ25円です。このような値幅が142円台をピークにして出てくると、125円付近までの下押しが出てくる可能性もあります。
下振れしてくる場合、137.5円を割り込んでくるかどうかにも着目して相場を観ていこうと思います。今年の相場は137.50円付近が上下を分けるレベルになっていると思われます。
しかし、強い相場になっていますから、「為替介入」何のその、イケイケどんどんで、欧米の投機筋が買い向かってくるかもしれません。相場参加者が全員、上を向いて、「イケイケどんどん」となったとき、投機筋は、強くショートを仕掛けてくる可能性も大きくあります。溜まりに溜まったロング建玉を食いに来ると思われます。この動きに慌てふためいた一般大衆投資家が、ロングを決済して、ショートを打つようになると、下押しはさらに深くなってきます。これは投機筋の狙っているところですから、この動きにどう対処するかはあらかじめ決めていた方が良いと思われます。
今の相場には「少し危ないかな?上は危険かな?」という程度と思われます。これが「これ以上、上へ行くと恐怖だ、危険」というようにロング保有者が感じてくると、幸福の中に芽生える不幸の目・下振れ開始シグナルと捉えることができるようになります。いよいよ相場の転換を迎える可能性が高まります。
金曜日に強く上昇している相場ですから、月曜日の少なくても午前中は、まだ強気で出てくる投資家も存在すると思われます。すでに141.911円まで届いている相場です。少し上昇するだけで、142円台に乗ってきます。NY組は東京市場の機関投資家にその役目を負ってほしいのかもしれません。
これを考えると、来週19日月曜日の相場は、GUして寄り付く可能性もありそうです。高く寄り付いた後、開けた窓を埋めに来て、再度上昇してくるという手の込んだ動きをしてくる可能性も無きにしも非ず、でしょうか。
来週の相場はいよいよ佳境に張ってきたかもしれません。しかし、そのような思考以外に、これと言って売り材料がありません。ショートを持つのも難しい環境と思います。ロングか、ショートか、どっちだ?となりそうです。リスクをどう採るかでポジション取りは決まりそうです。
今週も訪問いただきありがとうございました。良い週末をお過ごしください。合掌