5月中旬から始まり、9週間に渡り全42ステージの上演をこなした『ジャンヌダルク』のツアーもいよいよ最終週を向かえました。
今週は、日本列島の南からいくつもの台風が近づいており、公演の中止が危ぶまれます。『ジャンヌダルク』のツアーは、無事千秋楽を向かえることが出来るのか?!9週目の公演は、
7月13日(月) 大阪府 山田高等学校 吹田市文化会館メイシアター
7月14日(火) 岡山県 加賀中学校 ロマン高原かよう総合会館
レインボーホール
7月15日(水) 兵庫県 豊岡高等学校 豊岡市民会館
7月16日(木) 兵庫県 豊岡総合高等学校 同上
兵庫県 近畿大学附属豊岡高等学校 同上
の公演が行われました。
山田高等学校
13日の山田高校の公演は、吹田市文化会館メイシアターでの上演です。
最終週ともなると、メンバーの舞台仕込みの手際も良く、今ツアー3回目のメイシアターと言うこともあり、まさに風のように前日の仕込みを終えて、次の日の午前開演に備えます!
生徒数が1000人を超え、大ホールの客席を埋め尽くす観客に圧倒されながら幕が開きました。
役者たちが客席から登場すると、大きな拍手と歓声で舞台と観客がお互いに盛り上がってプロローグが始まりました。舞台が進行するにつれ、最初の盛り上がりが徐々に集中に変わっていき、最後には、生徒みんながじっと舞台を見つめていてくれたのが印象的でした。終演後、舞台の見学、客席での座談会ができました。生徒さんの昼食の時間もあったので、あまり時間がとれず短時間だったのですが、お互いにしっかりコミュニケーションをとることができた座談会になりました。
加賀中学校
14日は、加賀中学校の公演です。
加賀中がある岡山県の吉備中央町では、2年前に『星の王子さま』の参加型の公演を行っており、当時風のメンバーと一緒に歌を歌い、セリフの掛け合いをした生徒さんが、加賀中にたくさんいると聞いており、『ジャンヌダルク』のツアーメンバーも再会を楽しみにしていました。
観客席に座っている、高校生よりはるかに小柄な加賀中の生徒さんたちに可愛らしさを感じながら上演を行いました。上演中、あまり声を出さず笑ったり、ニコニコしたり、怖がって目を伏せたり、真剣に舞台を感激する中学生たちの姿が、僕たちの刺激になった素晴らしい舞台になりました。公演後、生徒会長さんと担当の先生が楽屋まで挨拶にきてくださいました。
豊岡高等学校・豊岡総合高等学校・近畿大学附属豊岡高等学校
15日、16日は豊岡市の三校の高校での合同公演でした。
全国の学校で公演を行っていて、観客である高校生について感じることのひとつに、その地域性、又各学校の特色、があることに、驚かされます。しかし、舞台を作る私たちにとって重要なことは、どんなときでも先入観を持たずに、目の前に座っている観客との関係が、その瞬間どう変化しているかをとらえて芝居をするかということだと思います。やはり、観客席の一人一人がどのように感じて舞台を観劇しているかが、私たちにとって、大切なことだと思います。
そういう意味でも、この豊岡での合同公演は、豊岡高校、豊岡総合高校、近畿大学付属豊岡高校の三校それぞれの反応があり、又その校風があり、そして一人一人が様々に違う反応で観劇してくれて、私たちに刺激を与えてくれた、公演になりました。
会場をあとにする生徒さんたち。
ツアー最後になるはずだった、世羅高校の公演は、残念ながら台風11号の影響で、公演延期になりました。次回九州ツアーの『ヘレンケラー』の舞台で、世羅高校の生徒さんたちとの出会いを楽しみにしながら、私たち、『ジャンヌダルク』のツアーメンバーは、7月17日に無事帰京しました。
今回、全42ステージの上演を行うことができた『ジャンヌダルク』のツアーでしたが、全国の学校での現場、生徒と先生の関係、そして今の時代の中で様々に考え、感じ、悩み、これからの時代を担う若い観客たちにふれることで、舞台の本質を探し求める私たち風にとって、そのことをしっかり踏みしめて考え、感じられるツアーになりました。
この経験を、次の夏の大きな試みである、新作『コーカサスの白墨の輪』の稽古場で生かしていきたいと思います。みなさん、夏の新作を、お楽しみに!!!
アンセラン役 栗山 友彦