体育館に組まれた『ジャンヌ・ダルク』の舞台
『ジャンヌ・ダルク』のツアーは3週目に入りました。
旅メンバーは愛媛から一路鹿児島へ。
途中、高速道路から先の大地震で被災した熊本の風景を眺めながら――
この週は
5月29日(日) 鹿児島県・開陽高校通信制 体育館
30日(月) 岡山県・倉敷青陵高校 倉敷市民会館
31日(火) 岡山県・倉敷工業高校 倉敷市民会館
6月1日(水) 京都府・亀岡高校 体育館
3日(金) 京都府・同志社中学校 長岡京記念文化会館
での公演を行いました。
開陽高校通信制
前日土曜日、学校はお休みなのに、搬入・仕込から演劇部・生徒会の生徒さん、そして先生方も何人かお手伝いをしてくれました。
きついスケジュールのなかでしたが、一気に元気になります!
お手伝いのおかげもあり、順調に仕込むことのできた体育館での公演。
通信制ということもあり、さまざまな年代の観客のまなざしに支えられた、僕たちにとっては新鮮な公演となりました。
終演後、校長先生に挨拶に伺いましたが、先生は以前、種子島の高校で風の『ハムレット』をご覧になったとのこと。
「水槽のシーンが…」と懐かしそうに当時のことを話してくださいました。
撤去には前日に手伝ってくれた生徒さんに加えて、有志の生徒さん、そして先生方の姿も!
さまざまな人の想いのなかで実現した鹿児島での公演、秋にはまたゆっくりと鹿児島に来ます!
倉敷青陵高校
そして旅班は鹿児島から10時間かけて倉敷へ!
今ツアー初めての会館での公演となりました。
体育館とはまた違う、客席との距離感に気を遣いながら・・・、と思っていましたが、やわらかく、そして真剣に舞台に向かう生徒さんの姿勢にずいぶんと助けられました。
次の日も同じ会場での公演で、撤去の必要がなかったので、終演後は演劇部のみなさんとたっぷりと座談会。
舞台図面、照明の仕込図などに興味津々!の演劇部のみなさんでした
普段あまり座談会に出席できないメンバーもつぎつぎと話の輪の中に入り、充実した時間となりました。
別れがたそうにしていた、演劇部のみなさん、僕たちも同じ気持ちでしたよ!
倉敷工業高校
引き続き、倉敷市民会館での公演です!
前日の終演後、聴覚に障がいをもつ生徒さんが、補聴システムのテストのために先生と一緒に会場に来てくれました。
音響オペレーターの酒見が俳優と一緒に、音の小さいシーン、大きいシーンと、いくつかの場面を使ってシステムの調整を行いました。
そして迎えた本番当日、撤去中にあいさつにきたその生徒さんと先生の表情は満足そうでした。よかった!
観客のみんなに支えられた、素晴らしい倉敷公演でした。
亀岡高校
朝から体育館で作業をしていると、一人の先生が興味深そうに様子を見ていました。
「どうやって天井からロープを降ろすんですか?」
「手作り感満載なのが、いいですねえ」
そんなふうに、人の手でつくられた舞台。1000人近い生徒さんでぎっしりの体育館での公演でした。
心配された暑さもさほどではなく、温かい雰囲気のする一日でした。
終演後には、学年で演劇をするという3年生の生徒さん、そして演劇部のみなさんとの座談会。
体育館の方では、男女のバレー部、バスケ部が積極的にお手伝いをしてくれました!
同志社中学校
演出の浅野も合流したこの日の公演。
開演前に舞台上でストレッチをしていると、担当の先生がいらっしゃいました。
「10年以上前から坂牧さんにおいでいただいて、ようやく公演が実現できたんです、楽しみにしています」とおっしゃっていました。
客席の雰囲気は開演前からとてもリラックス。
そんな生徒さんとつくる舞台はとても刺激のあるものでした!
終演後の舞台見学で生徒さんが楽しんでいる様子を眺めながら、
「今年で退職なんです。本当に公演ができてよかった」と嬉しそうにつぶやいた担当の先生の言葉が印象的でした。
3週目に入り、旅のペースもできてきました。
しかし、客席と向かい合う緊張感はなくさぬよう、一回一回、ひとりひとりの観客と出会える身体を保っていきたいと思っています。
ひとりのなかの、炎が燃え上がる瞬間を見逃さぬよう。
語り手役:田中賢一