風のBLOG

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『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』西日本・東日本地域巡回公演ツアー6週目

2016-11-07 19:50:44 | 全国巡回公演
『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』秋の巡回公演もついに11月に突入しました。
トップの写真は東京都のお茶の水女子大学附属中学校でのカーテンコールの写真です。
演劇部員さんより素敵な挨拶の言葉を頂きました!

11月1日(火) (群馬県) 利根商業高校 利根沼田化会館
  2日(水) (埼玉県) 早稲田大学本庄高等学院 本庄文化会館
  4日(金) (東京都) お茶の水女子大学附属中学校 同校体育館
  5日(土) (岩手県) 岩手県社会福祉協議会・児童福祉施設協議会 都南文化会館キャラホール


利根商業高校
『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』第6週目の始まりは、私たちにとってもう一つのホームである風のアトリエ「月夜野演劇工房」のある群馬県での公演でした。
風の公演は初めてとなる利根商業高校での公演。
開演前には、教頭先生から生徒の皆さんに「心豊かに鑑賞して下さい。」というメッセージと共に大きな拍手で開演しました。



カーテンコールでは、担当の湯浅先生から、「今日は本当にありがとうございました。」とお礼の言葉を頂き、代表の生徒さんからは、「本番中、時間を忘れて見ていました。」と温かい表情で素敵な言葉を頂きました。
また、終演後にはバックステージツアーが行われました。





バックステージツアーには、たくさんの生徒さん、そして先生方も一緒に舞台に上がり、好奇心の赴くままに全身で舞台を感じてくれているようでした。
また、舞台と触れると同時に、「ヘレン・ケラー」という作品を通して自身の中から湧き上がった想いや質問を役者やスタッフに熱く語りかけてくれる生徒さんの姿や、自分の中で心に残ったシーンを「このシーンが面白かったです!」と実際にいくつかのシーンを再現して見せてくれる生徒さんの姿にも出会え、本番、バックステージツアーを通し、色濃い時間となりました。

早稲田大学本庄高等学院
今週2日目は、今回も風は初めてとなる埼玉県の早稲田大学本庄高等学院での公演でした。
開演前には私服や制服など様々な格好の生徒さんが元気に入場する姿が印象的でした。
幕のないむき出しの舞台や、会館という日常とは少し離れたこの場所で、これから何が起こるのだろうかという興奮と緊張が伝わってくる客席。







客席からの大きな声援と拍手で始まった公演でした。
ですが、時には静かに舞台を見つめる視線、時には舞台と呼応する様に客席から漏れる笑いや息づかいを舞台上からも感じ、約2時間、「ヘレン・ケラー」という作品を客席の彼らと一緒に旅をしながら、共に創り上げる時間となりました。
カーテンコールのアニー・サリバン役の柴崎の「自分らしい明日を探して」というメッセージやヘレン・ケラー役の稲葉のあいさつの言葉を彼らは真っ直ぐな表情で受け止めていました。
終演後には、バックステージツアーと座談会が行われました。



舞台監督の佐田による、大道具の工夫や説明を真剣な表情で聞いている生徒さんの姿。
また、退場の際に出席表と感想を書いた紙を生徒さんが提出する仕組みになっており、「感動しました。」、「舞台に引きこまれました。」など様々な感想の言葉が書かれていたことを嬉しそうな表情で先生が伝えてくれました。

お茶の水女子大学附属中学校
今週3日目の公演は、2010年の『Touch』、2013年の『ヘレン・ケラー』の公演より3回目、3年ぶりとなる東京都のお茶の水女子大学附属中学校の体育館での公演でした。



開場と共に「うわぁー!いつもと違う!」、「あれ何だろうね。」と友人と話をしながら入場してくる生徒さんや、劇場へと変わった体育館を静かに見渡し観察している生徒さんの姿など、開演前から空間を噛みしめている様でした。
体育館公演ということもあり、客席との距離はとても近く、舞台上で次から次に起きてゆく役者のどんな小さな変化も見逃さず全身で舞台に向き合う客席からの好奇心の波に空間が揺り動かされている様な感覚でした。
終演後には、3年生の演劇部員さん2人から「私たちはもう引退してしまいましたが、この公演が後輩たちにとって次に繋がるものとなればと思いました。」、「僕も引退してしまいましたが、高校生になっても演劇を続けていきたいと思いました。あと、舞台が大きくて凄かったです。」と、公演を通して自分の感じた素直な言葉、そして、誰かを想い、伝えてくれた素敵な言葉を頂きました。







終演後にはバックステージツアーと後片付けを見ながらの座談会も行われました。
好奇心溢れる豊かな心を持つ彼らにとって、仲間と一緒過ごしたこの時間が、少しの糧となって貰えればという想いでした。




岩手県社会福祉協議会・児童福祉施設協議会主催
そして、今週最後の公演は、岩手県社会福祉協議会・児童福祉施設協議会主催の公演でした。
2011年の東日本大震災の年に行なった「ヘレン・ケラー」の公演以来、5年の歳月を経て実現した、主催者の方々と私達にとっての念願の公演。





《平成28年度 福祉の心を学ぶ鑑賞会》という一つのテーマを持ち開催された今回の公演。
会場には新聞やポスターを見て足を運んで下さった方から社会福祉施設、児童福祉施設の方々など、当日400人以上の方々が集まって下さいました。





また、入り口には、岩手県社会福祉協議会による手作りの小物やお菓子などの販売と展示も行っており、とても賑わっている様でした。
カーテンコールでは、今日観に来てくれた子供達から、岩手県のお菓子と「ありがとうございました。」と言葉を頂きました。
終演後には、バックステージツアーと座談会も行われました。



中には、新聞の記事を読み、「ぜひ、孫と一緒に観たい。」と2時間もかけて、お孫さんと公演観に来て下さったご家族の方もいらっしゃいました。
公演を通して、大切な人、友人や家族と小さなことでも喜び合ったり、考え合ったり一緒に過ごしたこの時間と想いがかけがえのないものとなって貰えれば幸いです。
そして、この様な貴重な時間を共に創り繋げて下さった岩手県社会福祉協議会、児童福祉施設協議会の皆様へ心より感謝申し上げます。

日常とは少し違った空間へと足を踏み入れる入場の瞬間、舞台での公演、劇団員や仲間や先生たちと過ごすバックステージツアーや座談会、その公演の中で彼らが出会う、その小さな発見と思考がとても尊いものだと強く感じさせられる1週間でした。
『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の秋の巡回公演も残り2週と終盤に差し掛かってきましたが、残りの公演も精力的に頑張っていきます。

パーシィ役:倉八ほなみ