風のBLOG

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2019年 春 『ジャンヌ・ダルク ~ジャンヌと炎』東日本ツアー第5週目

2019-06-16 19:23:52 | 全国巡回公演

 

2019年春『ジャンヌ・ダルク—ジャンヌと炎』東日本ツアー第五週目

 

6月10日(月)神奈川県 逗子開成高校
 11日(火)栃木県  宇都宮女子高校
 12日(水)茨城県  水戸啓明高校
 13日(木)長野県  中野立志館高校/中野西高校
 14日(金)埼玉県  開智未来中学校・高校

 

逗子開成高校 
逗子開成高校では高校1年生が観劇しています。
風では『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を2回、そして今回の『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』も2回目の上演となります。今回はどのような上演になるのか、私たちも楽しみにしていました。ご担当の宮崎先生は、私たちの拠点小劇場レパートリーシアターKAZEでもこの作品をご覧なっていて、公演前後に作家マテイ・ヴィスニユックについてなどの話をされ、生徒たちに何かひとつでも持ち帰って欲しいという思いが伝わってきました。
公演が始まり、客席後ろから登場する役者たちに戸惑い、話しかける役者に恥じらう生徒さんたち。2時間、静かにじっと舞台を見つめるまなざしが印象的でした。
カーテンコールで演劇部の生徒さんが「裁判の時にジャンヌの向かっていく姿、闘う姿、演技に感動しました」と感想を述べてくれました。
公演後には希望する生徒さんたちと舞台見学が行われ、舞台を観ている時の緊張からほぐれ、役者と真剣に話をする生徒さんもいました。
公演後宮崎先生が、「控えめな生徒たちです。無言で、伝令の役のしぐさを何回も真似ている生徒もいました(笑)」と話してくれました。


宇都宮女子高校
 この学校では2007年『Touch~孤独から愛へ』の上演以来、12年ぶりの公演とります。
50人以上の保護者の方々も観劇されました。
 元気溢れる女子高生のみなさん。笑いがあったり、グっと芝居に集中する強いまなざしに引かれるように舞台がつくられていきました。「ひとつのことを貫き通すジャンヌの生き方に感銘しました」と演劇部の部長さんが挨拶してくれました。
公演後には演劇部のみなさんの舞台見学がありました。

座談会も行われ、芝居の話や今回の『ジャンヌ・ダルク』のスケジュールや俳優という職業について、俳優がトラックを運転していることなど様々に質問があったようです。開演前からのアナウンス、進行を務めた演劇部のみなさんお疲れ様でした。
また、昨年他校でこの作品を観劇され、今回の上演を決めてくれた担当の菊川先生が、舞台の片付けが終わるまで最後まで残っていて下さり、スタッフ、役者に「この作品に決めて良かったです。子どもたちに丁寧に話してくれてありがとうございました」と一人ひとりと握手を交わしました。皆さんと過ごした僅かな時間の中で、『ジャンヌ・ダルク』の舞台が一人ひとりのなかにひとつの光となって残ってくれたらと願っています。


水戸啓明高校
 今週は初めて上演する学校、久しぶりに上演する学校もあり、こちらの学校も水戸短期大学附属高校の時、2003年に『星の王子さま』を上演しています。また、今回の公演には姉妹校の水戸葵陵高校演劇部の生徒さんも観劇しました。保護者の方々も観劇し、1500人規模のホールはほぼ満席となりました。
 公演前に生徒会長さんから「『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』を通して、“平和”ということを考えてみたい」と挨拶がありました。戦争の歴史のなかで生きている私たちにとって、“平和”とは何か? その歴史の中で生きたジャンヌ・ダルク。彼らが舞台をどのように観てくれるのか、気持ちも引き締まるなか公演が始まりました。様々な疑問を持ちながらも懸命に舞台を観ている生徒さんたち。公演後に生徒会副会長さんが堂々とした態度で「いまは日本も豊かになったと言われていますが、一人ひとりの価値観も様々な中で、ひとつの信念を貫いて生きることを考えさせられました」とお礼の言葉を述べてくれました。皆さんが舞台から受け取り発見したことを、これからの学校生活、そして大人になっても忘れずにいてほしいと思います。

公演後には水戸啓明高校の希望者と水戸葵陵高校の演劇部の皆さんによる舞台見学と座談会がありました。

その日のうちに旅班は長野に移動し、翌日に行われる北信地区の合同芸術鑑賞会のため舞台設営を行いました。幹事校・中野西高校の高橋先生が遅い時間にもかかわらず待っていてくれました。午前中は中野立志館高校、午後には中野西高校の皆さんが鑑賞します。風の公演は初めてとなります。


中野立志館高校

中野立志館高校は中野市民会館の目の前にあります。
公演前のリハーサル。念入りに音響のチェックを行います。

北信地区で初めてということもあり、いつも以上に気合いも入ります。
場面ごと刻々に舞台に視線を注ぐ生徒さんたち。何だろうというような疑問や違和感を持ちながら、何かを見つけようとするまなざしが感じられました。代表の生徒さんが「演技から“喜怒哀楽”ということを学びました」と感想を話してくれました。舞台を通して、短い言葉の中に生徒さんの中に様々な感情が生まれたのではないかと感じられる言葉でした。ありがとうございます。
公演後、ご担当の先生が楽屋を訪ねに来られ「それぞれが楽しんで観てくれたようです」と嬉しそうに話してくれました。



中野西高校
午後も客席と何をつくっていけるのか、生徒さん一人ひとりの中に何が生まれてくるのか、その場で起こることを見逃さないよう舞台に向かいました。
元気な反応もあり、次はどんなことが起こるのかと集中しながら観ている一人ひとりの姿がありました。
公演後には演劇部の皆さんとの舞台見学、座談会も行われました。舞台見学では舞台の仕組みやパネルの素材など積極的に質問もあり、役者と会話をしながら交流する生徒さんの姿がありました。

先生方も多く参加してくれました。舞台装置に関心を持ち、役者の説明にひときわ興味も膨らんだようでした。

北信地区合同術鑑賞会は来週も続きます。皆さんのまなざし、共につくった時間を胸に刻み、新たにまた舞台に向かいたいと思います。


開智未来中学校・高校
こちらの学校は2011年に創立した新設校です。中学・高校6学年が揃うのを待って、今回、念願の芸術鑑賞を行うことになりました。どの時期に実施できるかずっと検討され、記念すべき第一回目となる芸術鑑賞行事に『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』を上演できるのは、私たちにとっても光栄なことです。鑑賞するのは中学1年から高校1年の生徒さんたちです。
校長先生からの喜びのご挨拶とともに開演しました。登場から興味津々に、舞台を観ている生徒さんたち。とても楽しそうで、集中したり考えたり様々な反応がありました。舞台を見る喜びが沸いてくるのが感じられる公演でした。

代表の生徒さんが緊張しながらも「感情を表現することを学びました」と感想を言ってくれました。

公演後には希望者による舞台見学が行われ、かなり多くの生徒さんが残り、大道具、人形、衣裳、小道具などに触れ、先生方に写真を撮ってもらったり、役者と話したりと尽きない様子でした。

皆さんの柔軟な感性に触れ、舞台をともにつくることができました。本当にありがとうございました。


今週は初めての学校も多く、その中でまた新たな出会いも生まれ、一回一回の公演の大切さを身にしみる一週間でした。来週から旅も後半に入ります。この公演の重みを課し、生徒たち一人ひとりと向き合い公演をつくってゆきたいと思います。


召使い・イザボー王妃:工藤順子


2019年 春『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』西日本・九州ツアー【第4週目】

2019-06-16 16:32:14 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』西日本・九州ツアーは第4週目を迎えました。

6月3日(月)兵庫県・村岡高校

      4日(火)福井県・福井工業大学附属福井高等学校・中学校

      5日(水)島根県・平田高校

      6日(木)愛媛県・丹原高校

      7日(金)和歌山県・和歌山工業高校

 

村岡高校

2010年の『Touch』、13年の『ヘレンケラー』、16年の『ジャンヌ・ダルク』以来、4回目の公演です!

毎年全校生徒が演劇発表をするということもあり、体育館に入った瞬間に「うわっ!なんだあれ?」「あれはどうなってるんだ」と天井に吊ってある照明機材や舞台装置の細部にまで関心を持ち、ワクワクしながら開演を待っていました。

そして、公演が始まると目の前で起こる出来事一つ一つに大きく反応したり、何か発見をしようと真剣な眼差しを向けてヘレンケラーを一緒に創ろうと集中した様子でした。

カーテンコールでの生徒会長さんの挨拶では「私も先生になりたいと思っています。今日のヘレンケラーを観て、私も生徒に信頼されるような先生になりたいと思いました。そして生徒に信頼されたときに幸福感が生まれてくると思いました。

今日感じたことや観たものを文化祭の演劇発表に活かしたいと思います。」と自分自身の将来やこれからの演劇発表に向けての熱い意気込みを話てくれました。

公演後のバックステージでは先生方も一緒に舞台の構造やポンプの仕組みなどを劇団員に聞き、吸収したものを演劇発表に繋げようとする熱心な姿がとても印象的でした。

撤去作業もたくさんの運動部の生徒さん達が明るくみんなで声を掛け合い、時には「どうして演劇を始めたんですか?」「このトラックは何トンですか?」と劇団員に様々な質問をしながら手伝ってくれました。

指文字に挑戦しています!

二階の体育館にも関わらず、皆さんのチームワークであっという間に搬出作業を終え、最後に記念撮影をしました。

バスが出発する際にも「さよなら〜!また会いましょう!」と明るく元気な声で見送ってくれました!

私たちもまた村岡高校の皆さんと再会できることを願って、次の公演地(福井)へ向かいます!

そして文化祭の演劇発表も楽しんでください!


福井工業大学附属福井高等学校・中学校

こちらの学校は芸術鑑賞行事が初ということで、生徒さん達も休み時間にはこれから何が始まるんだと期待した表情で体育館をのぞきに来て、徐々に組み上がっていく舞台に驚いていました。

開場時には全校生徒1700人という大人数で体育館の中がものすごい熱気に包まれていました!

そして高校の校長先生の「体育館が劇場に変わったこの空間や生の役者の迫力を感じて、面白い時には笑い、感動した時には涙をながし、舞台を楽しんで下さい!そしてみんなで舞台を共有しましょう!」という素敵な挨拶と迫力のある大きな拍手と共に開演です。

本番では、一人一人が集中した姿で舞台と向き合い、時には2000人近い客席が大きな一つの目になるような一体感を感じる瞬間もありました。

終演後の中学校の校長先生の挨拶では「娘や生徒を思いながら見ていました。自分の教員生活を振り返ったり、自分の未来を考える充実した時間でした。

ただ本を読むだけでなく今日、目の前で見て、聞いて、感じたものを大切にしたいです。」と素敵なお言葉をいただきました。

終演後は50人程の希望者の皆さんが舞台に集まりバックステージを行いました。

舞台の細部にまで興味を持ち、ポンプの仕組みや舞台装置の構造など劇団員にたくさんの質問しながら舞台の上を楽しんでいました。

バックステージで最後まで残っていた高校3年生の皆さんからは「今日は一番後ろから観ていましたが、とても楽しかったです!次は一番前で観れるように東京に観に行きます!」と嬉しい約束をしてくれました。

東京でまた再会できることを楽しみに待ってます!

撤収作業には男女のバレー部とバスケ部の皆さんがお手伝いにきてくれました。

全国的にもトップクラスの実力を持つほど盛んに活動している皆さんは、劇団員が出した指示を大きな声で全体に伝え、作業がスムーズに進むように積極的に動き、盛り上げてくれました!

最後にみんなで記念撮影です。

旅班は皆さんにもらった元気を力に変えて島根までの大移動です!

 

平田高校

平田高校は1990年の『星の王子さま』、2006年『ヘレンケラー』、12年『ヘレンケラー』に続き4回目の公演です。

『ヘレンケラー』は3回目の公演と深いつながりを感じる公演です!

開場時には元気いっぱいに入場し会場の雰囲気がガラッと変わり、これからどんな空間が創られるのかと舞台袖で劇団員一同ワクワクしていました!

開演前、教頭先生の「感動したことを共有し、響き合いましょう」という挨拶と共に開演です!

本番中は開演前の雰囲気とはまた変わり、一人一人がしっかり眼差しを向け、じっと食い入るように見る姿が印象的でした。

バックステージでは短い時間ではありましたが、アニー役の渋谷に今日感じた事を伝えてくれたり、舞台をかけまわり活き活きとした姿がありました!

そして終演後、一人の先生が楽屋を訪れて「深い話で涙がでました。」と一言伝えに来てくれる場面もあり、今日のこの公演が教頭先生も開演前に仰っていたように何かを共有し、響き合うような時間になったことがとても嬉しく思います。

 

丹原高校

丹原高校での公演は2013の『ヘレンケラー』、16年の『ジャンヌ・ダルク』以来3回目の公演です。

朝、学校へ到着すると大きな看板を立てて迎えていただきました!

舞台設営時には先生方も風Tシャツを着て劇団の一員になった気持ちで手伝ってくれました!

舞台設営の見学もあり、実際に衣装を着てみたり、照明を浴びて自然と表情も変わっていく様子が印象的でした。

本番は気温が高い中、一人一人が集中して何かを受けて、発見しているような表情が感じられる公演でした!

終演後は音楽部と美術部の皆さんと写真撮影しました!

その後音楽部と美術部の皆さんはアニー役の渋谷との座談会へ。

「中学生の時に演劇をしていたが、今日の公演を観てもう一度演劇をやりたいと思い、将来も女優になりたいです。」と自分自身から湧き上がってきた想いを伝えてくれたり、「進路に迷ってるのですが、なぜ演劇を始めたんですか?」と将来を考えながらの質問などがたくさんあり、みんな真剣な表情で話しを聞いていました。

撤収作業は男子バスケ部、女子バスケ部、バレー部、そして先生方がお手伝いをしてくれました!

「これはあの場面で使われてましたね!」「この道具はこんなに重さががあったんですね!」と実際に触れてみて発見することも多くあり、発見した事をみんなで共有する姿が印象的でした。

お手伝いをしてくれた皆さんと座談会に参加した皆さんとの記念撮影です!

 

和歌山工業高校

7日に予定していた和歌山工業高校での公演は非常に悔しいですが、大雨の影響で延期となりました。

ですが、生徒会の皆さんが会館まで足を運んでくれたので急遽座談会を行いました。

生徒会長さんからは「 新入生歓迎会として今までは映画鑑賞をしていたんですけど、新しく入ってくる一年生には「生の舞台」を観て欲しい」と想いのこもった言葉をいただきました。

次こそは必ず公演を実現させましょう!

9月にもう一度皆さんと再会できることを楽しみにしています!

 

たくさんの方々との出会いや再会、自然災害での悔しさなど様々な思いがあった1週間。

ですが、まだまだヘレンケラーの旅は続きます。喜びや悔しさを力に変えてこれからも走りつづけます。

 

ジェイムス・ケラー役 蒲原智城