6月12日(水)【栃木県】壬生高校(壬生町中央公民館)
旅の途中のバスから見える水田には、
青々とした若苗が並んでいます。
5週目のヘレンの旅の報告です。
壬生高校での風の公演は、なんと6回目になります!!
外は蒸し蒸しとした暑さの中、450名の皆さんが、壬生町中央公民館に続々と集まって来てくれています。
開演までの間、興味深げに舞台を見てくれている生徒さんたちが、舞台を体感しに来てくれました。上ってみたり、ポンプを触ったり衣装を着たり。ワクワクしている様子や、知りたい!という気持ちがその表情や仕草からとても感じられました。
教頭先生のお話で、観る準備を整えてくれている様子です。
校長先生が風の活動のことをたっぷり紹介してくださいました。その手には、なんと、10年前のヘレンケラーの公演の際の色紙が!
「10年前と社会情勢、時代も変わりました
6人のキャストさんはそのままです。
ジャンヌダルク(2018年公演)の色紙は図書室に飾ってありますね。
先輩たちがメッセージを受け止めてきたから、今も見れます。
ぜひ、メッセージを受け取ってくださいね。それぞれの立場で見てみてください。」
壬生高校の皆さんとの時間に思いを馳せながら、校長先生の熱い想いが込められた言葉を、舞台袖で控える役者や客席にいる他のメンバーも聞かせていただきました。
教頭先生からは、
「楽しみにしています」
「よろしくお願いします」と、
いくつかの手話のレクチャーが生徒の皆さんにありました。
劇団へのプレゼントのような
生徒の皆さんの動きのおかげで、あたたかい開演となりました。
本番中は、気になることを共有しあったり、
それぞれのタイミングで笑ったり、
リラックスして見てくれているのがわかる背中が客席にありました。
カーテンコールでは、2人の生徒さんが舞台に上がって来てくれました。
「ヘレンケラーとアニーサリバンのようにわたしも響きあえたと思います。
進路とかに対するプレッシャーとか思い悩むことがありますが
見て聞いて感じたことそのままに進んでいきたいです。」
勇気をいただける決意表明をしてくださいました。
本番終わりのバックステージツアーでは、生徒さんたちが誘い合って舞台に上がってきてくれました。劇団員に声をかけてくれ、溢れる思いを伝えてくれた生徒さんもいらっしゃいました。
本を読んだ時とは違い、
闇の中に中に光が灯っていく感じがあった。
明るさの中に苦悩と葛藤があったし、
自分の身にもなって色々考えることができた。
舞台だったから全身で感じられた!
という彼女の言葉が、劇団員たちにも優しく染みこんでいくようでした。
座談会は、ヘレンケラー役の倉八ほなみと、撤去作業の様子を見ながら、
気になったことや感想を生徒さんたちが話してくれ、
その様子を先生たちが見守る場となりました。
「小道具や大道具たちを、どこに収納しているの?」
という質問から派生して、何度も同じ演目を上演する中で
お客さんと時間をかけて作品を共に育て、試行を繰り返していく
レパートリーシステムの話をしたり、背景の幕の絵の話をしたり、と
生徒さん同士でも掛け合いをしならがらの時間となりました。
わたしたち教員の実習にもなる、
教員のための芝居みたいだと校長先生から力強いお言葉もいただきました。
最後に、東京の劇場にも足を運んでいただいたこともあり、深いお付き合いをさせていただいている先生との再会があったことを記しておきます。風と生徒の皆さんとの時間に何かを託してくださった先生方、あの会場で出会ってくださった生徒のみなさんが、今日、小さな歓びをあたためながら過ごせていますように。
私たちもそれぞれに願いながら、次の公演に向かっていきます
スタッフ:水流かなこ