敬老の日に合わせて総務省が高齢者人口推計値を発表した。65歳以上の高齢者が前年比111万人増えて3,300万人となり、総人口に占める割合が0.9ポイント増の25.9%になったのだとか。
高齢者の増加のスピードと規模の大きさに驚く。世界一の長寿国であるし、お年寄りが多いのは素晴らしいことではある。でもますます高齢化社会になるのだから、高齢者が生産年齢の若い層にお世話になり始めるリタイア時期を先延ばしする社会に変わらないと年金のみならずこの国はもたなくなりそうだ。
アメリカを旅するとフライトアテンダントやレストランやショップで65歳オーバーとおぼしき女性が普通に仕事をしている姿が多く見られる。高齢になると個人差が顕著に現れるけど、心身ともに健全な高齢者には働けるあいだはしっかり働いてもらう社会に日本もならざるをえないのかもしれない。
65歳でリタイアは早すぎる社会の到来を高齢者人口推計値は教えてくれている。
市立図書館に行き、『岳人』を読む。モンベル社が中日新聞(東京新聞)から引き継いで発刊した初号だ。
モンベルクラブの会員に年に数回送られてくる会報と同じサイズで、従来の『岳人』からワンサイズ小さくなった。巻頭をモンベル社の創業者辰野勇氏が「8つ目の決断-『新生・岳人』に寄せて」という文章で飾っている。辰野氏が即断で『岳人』を引き受けた侠気が文章から伝わってきた。紙面づくりはオーソドックスだけど好感が持てる。モンベルの別会社を通じたこの出版事業が大きな収益を生むとは思えないけど、本体や本業の大きな重荷にならないことを願っている。
年間定期購読契約を増やしたい辰野社長の意向にそえず、図書館で済ます自称モンベルファンは辰野社長にすまないと自責の念にかられている。