まだ心は故郷にある。静かに広がる紺碧の海原、深い緑に包まれた山々と小川のせせらぎ、清々しい里の空気が今も懐かしい。
いくつになっても生まれ育った土地に懐かしさを感じるのは不思議なこと。人は故郷に心を支えられて生きている。
ラジオ深夜便「明日へのことば」で雨宮剛氏の『わが体験、平和と和解を語り継ぐ』を聴く。8月11日の再放送だ。留学を志して為替が1ドル360円の頃に50ドルだけ持って貨物船で渡米して、働きながらコロンビア大学で修士学位を取るまでの第一話の終わりに「信念を持って努力をすれば、手を差しのべてくれる人が現れて必ず道は拓かれる」という話に心がほっこりした。
戦時、フィリッピンで日本軍が行った行為の許しを乞う思いから留学を思い立った雨宮氏に対して、ニューヨーク在住の篤志家が戦時、日系人に米国が行った過ちを一米国民として償いの気持ちから雨宮氏に救いの手を差しのべられた。戦争は悲劇を生むけど、優しい人の心を育ててくれる。
留学を志す日本の若者が年々減少していると言われている。失敗を恐れずにもっと若者は志高くチャレンジしていいと思う。内向きの若者ばかりではこれから先の日本が心もとない。