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正しく走る

2015年01月10日 08時36分13秒 | Weblog
ランニング動作を機能的に行うために…つまり、より効率的に走るために大
事な事は体を正しく使う事です。まぁ、言わずもがなですね。

 これまで細かいランニングの局面動作の解説をしてきましたが、「樹を見て
森を見ず」では、結局最終的な到達地点である「タイムの短縮」にはつながら
ないので、ランニングフォーム全体のまとまりを踏まえた大局的な見方を解説
していきたいと思います。

 ランニング動作は循環運動です。股関節を軸にした下肢の振り子運動が順に
繰り返されますし、左右両脚がより正確な対称の動きをすることによって、体
全体のバランスが取れた効率的なランニングフォームになっていきます。非常
にシンプルな運動であるからこそ、ちょっとした歪みやひずみであってもちょ
っとづつ疲労を溜めてしまい、最終的には大きな差として体に現れてしまいま
す。だからこそ、ランニングフォームって大事なんですね。。。

 効率の良いフォームはきれいです。単純に格好良いと思えるフォームであれ
ばあるほど、正しく走れています。逆になんとなくぎこちないなとか、動きが
硬いなぁと感じるようであれば、必ずどこかに問題があります。そこを分析し
てフォーム改善につなげることがとても重要です。フォーム分析の観点はたく
さんありますが、大きなポイントとなるところは3つ!


 一つ目は脚が前に振り出される局面(フォワードスイング期)。この局面で
は振り出しの力源となる体幹がしっかり安定していることがとても大事な条件
です。

 体幹が弱ければ腰が曲がったような「腰折れ走り」や骨盤が後傾してしまう
「後ろのめり走り」になってしまいます。また、腰への負担が大きくなるため、
ランナー性の腰痛が起きやすいというのも大きな特徴。下肢の振り子運動をよ
りスムーズに行うためには振り子の支点となる体幹の強さが大事ですし、これ
は前回解説した内容になります。

 また、振り出した脚が出来るだけ正確に地面をとらえるためには、足首の柔
軟性もとても大事になります。振り子運動がスムーズに行えていても、最後に
脚が地面に着く瞬間にその負荷をうまく受け止められなければ、脚への負担は
大きくなるってことです。

 その後振り出された脚は接地局面を迎えます。ランニング動作での接地の瞬
間には脚に体全体の3〜4倍の負荷がかかるため、お尻周辺の筋(殿筋群)は
とても大事ですが、それ以外により効率的なランニングフォームという観点で
見ていくと「地面をしっかり捉えられるような安定性」が必要になります。足
首周辺部や大腿、下腿の筋が弱ければうまく走りは安定しません。この接地の
際に脚がぐらつくような不安定性が見られると、接地時間の間延びに繋がって、
結果的にシンスプリントやアキレス腱炎などのランニング障害につながりやす
くなります。この接地が二つ目の重要局面。

 そして、脚が後方へキックする場面ではどういった形で地面を蹴るかがとて
も大事になってきます。地面を蹴るという事に関してのみ注目すると、ふくら
はぎを使って蹴ったほうが簡単ですが、それをランニングにそっくりそのまま
当てはめると、あっという間に疲れて長持ちしません。出来るだけ太ももの筋
もふくらはぎ筋もバランスよく使い、うまく力が連動していることがポイント
になります。

 ふくらはぎばかりはやたら発達している…という方は要注意。股関節を軸と
して太ももとふくらはぎを連動させた「脚全体を使った走り」がうまく出来て
いない可能性があります。

 トレーニングの順序と連動性を意識しない補強運動はせっかくやったのに、
あまり効果が出ませーんという事になりかねないので、そこはよく注意しなが
らやっていったほうが良いです。補強トレーニングというものはなかなかとっ
つきにくいものです。その重要性はわかっているつもりだけど、なかなか出来
ない、長続きしない、という声をよく耳にしますが、その大きな理由は

 ・大事なことはなんとなく分かっているつもりだけど、その本質的な
  重要性を実はよく理解していない。

 ・効果が具体的に実感できない。

 ・つまらないし地味。

 など、ネガティブな言葉がズラリと並んでしまいます。加齢によって筋力が
低下するのに何もしなけれな当然走力は落ちてしまいますしケガもします。以
前よりも練習量は増えてるのに走力は横ばい、場合によっちゃぁ低下しちゃっ
てるよという方はトレーニングに補強運動を取り入れることを検討してみてく
ださい。

 もうすでにやってます〜という方については効果が実感できなければ再考の
必要あり。いずれにせよなかなか難しい課題なので是非その点は定期的にメス
を入れていきましょう。
 








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