
マラソンは、42Kmあまりの距離を、より速く走ろうとするスポーツ 。
とりあえず42Kmを走り切ることが最優先課 題という場合ももちろんありますけど。
いずにれせよ、ここで必要な諸々の能力について、筋の能力だけを見ると、
(1)マラソンの距離を走り切れる筋持久力
(2)距離を走り切れることは前提で、より速いペースを維持できる筋持久力
─の2つが必要です。(1)はスタミナと、そして(2)はスピード持久力
と裏腹でもありますね。
LSDは、もっぱら(1)の強化に効果的なわけですが、この「走り切れる」
という意味が、ちょっと奥の深いところがあります。マラソンのレースがそう
であるように、なんとかかんとか走り切れるだけなら、たいていの人は走り切
れるわけですから。
なんとかかんとかではなく、楽々、大きな余裕を持って〜というところが重
要なわけなのですが、その楽さ加減の程度の差がけっこう大きくあります。
この点は実際にLSDをやってみると分かるのですが、最初の1回や2回に比
べ、何度も反復していくと、途中から脚が重くなるとか怠くなるとか、いわゆ
る「脚持ちレベル」が違ってくるのです。ある程度の楽さ加減になってきたら
OKというのも、ないではありませんが、それよりも、完全に楽々〜ちっとも
脚にこない〜ちょっと物足りないくらいまで到達の余地はあります。
LSDの目的の1つにはコレがあり、これがあってこそ(2)的な取り組み
が生きてくるわけです。
サブ3クラスのランナーでも、(1)的な要素の弱いランナーはいます。
(2)的な要素でかなり広いカバーをしていることになるのだと思いますが、
その努力を(1)的な方に分散するだけで、効率が大幅に変わるということも
けっこう良くあります。
また、フル4時間以降のランナーになると、(1)的な要素がかなり弱く、
それがダイレクトにウィークポイントになっているということも珍しくありま
せん。この場合は(2)がどうこうとか言っている場合ではないですね。
「ゆっくり走れば速くなる」がそのまま当てはまるタイプです。
一方、ゆっくりのんびりのウルトラマラソンタイプのランナーの場合、(1)
が過剰に発達し、(2)がまったく未開発である場合もあります。ウルトラも
トップレベルになると(2)の能力がかなり発達しているのですけどね。
基本的には(1)の上に(2)を積み上げていくことで、マラソンのタイム
のレベルは上がっていく〜ということがあります。 そんじゃあ、とりあえず
(1)をやって、後はそこから何か月も何年も(2)だけやっていれば良いの
かというと、なかなかそういうわけにもいきません。
(1)は、やらないで放置しておくと、徐々に低下していく傾向があります。
「地盤沈下」と言っていますが、(2)の下にある(1)の厚みがなくなるこ
とで、全体がペチャンと潰れてしまうような感じになるのです。なんとなくス
ピードが出なくなったとか、思ったようなペースが持続出来なくなってきた〜
とかいう時に、久しぶりにLSDをやってみたら、けっこう脚持ちが落ちてい
てびっくり!とかいう話も良くありますね。そしてあらためて何回かLSDを
反復することで、その不調から脱出出来た〜とかいう話も。
恐るべし、LSD。
あなたはもっと速く走れます。
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【フィットネス テクノロジー】
取締役 ストレングス&コンディショニングコーチ
ランニング学会認定ランニングコーチ 澁谷 和久
大原スポーツメディカル専門学校講師
東洋医療専門学校講師
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