物語は悪の金色の鬼面人が、子供たちを「スーパーヒーローにしてあげよう」と言ってたぶらかし、人体改造装置によって次々に怪人に仕立て上げられるが、危機感を抱き途中で脱走した主人公(子供)が、町の老科学者の手によって正義の超人・飛金剛へと改造され、子供たちを救うため鬼面人率いる悪の怪人軍団に戦いを挑む……という感じで、明らかに日本の『仮面ライダー』の影響を受けたものになっている。同時期か以前かは不明だが、台湾では『仮面ライダー』の映像と現地で撮影された新撮部分(着ぐるみアクションも含め)によって構成された『閃電騎士』シリーズが存在しており、ライダー人気は台湾・香港ではかなり高い。
しかし諸外国で作られた日本風特撮ヒーロー映画、という興味以外はかなり問題のある作品だと言わざるを得ない。特に顕著なのはアクションシーンでのつなぎが悪いという事。さっきまで原っぱで戦っていると思ったらいきなり次は吊り橋での戦いに移り、15秒もしないうちに河原で対決……と落ち着きがなく、さらにいきなり飛金剛がパンチを打つと敵の怪人が大爆発で戦いがいきなり〆で観てるこちらには事前に情報がないので呆気にとられてしまう。全く映画としてどうなのよ……?という感じ。まだコイツなんかはいいほうでラストの大立ち回りなんて、初めて画面に登場したであろう新怪人を、「親友を殺された主人公の怒り」によって5秒も経たないうちに爆殺という、ホントに大畑晃一・著『世界トホホ映画劇場』の説明通りでビックリ!これが日本だったら残りの尺が少なくても、もうちょっと見せ場作るぜ。そうやって考えてみるとショウブラザース製作の『中国超人インフラマン』ってのは良く出来た中華特撮ヒーローだなぁ。
【総評】全くダメってわけではないけど、ちょっと観てて辛いかな?ただこれをタダで観れた事は奇跡に近いと思う。「この映画のココがダメなんだよねぇ~」って言えるワケだし。