エアー・ワンダー・ストーリーズ 1930年4月号
最近、ニコニコ動画でアニメ版『黄金バット』(1967)を観て以来、すっかりハマってしまっているワタクシであります。
そういえば小学校低学年の頃、こちらの地方では夏休みの度に黄金バットの再放送が行われていて、よく観ていたし、あの笑い声も真似したし、オリジナル紙芝居を作ったりした懐かしい思い出がある。カラーで製作された昭和40年代のアニメや特撮ものは、リアルタイムに放映されていたアニメ・特撮番組と同様に私たちは楽しんでいたものだった。今や古いアニメや特撮番組は有料のCS放送でしかお目にかかれなくなってしまい、夏(冬)休みのアニメの再放送といえば『ちびまる子ちゃん』か『ドラゴンボール』『ONE PIECE』位しかない今の子供たちは可哀相だなぁ、なんて思ってしまう。
現在の目で見れば、確かに作画やアニメ技術は稚拙ではあるのだが、当時の私にはそんな事など露にも思わなかった。 ピンチになれば必ず現れる、絶対的に強いヒーロー・黄金バットを味方にしたヤマトネ博士ら主人公一行が、最新科学の粋を結集させた夢の乗り物・スーパーカーを駆使して、世界征服を企むナゾーの息のかかった奇っ怪な事件を追い、東へ西へ、密林の奥地から深海、はたまた地底世界まで移動するという、スリルや冒険心に溢れた話が毎回展開されるので、そちらに夢中で細かい事なんかに構うヒマがなかったのだ。ま、子供だったしね。
アニメ『黄金バット』の魅力は、正義の象徴である黄金バットと対の存在である諸悪の権化・ナゾー、そして主人公たちの強すぎる個性、低年齢視聴者であれば必ず食いつくであろう、毎話登場する魅力的な怪人・怪獣たち、そして空想科学や怪談話まであるストーリー……と思っている。これはこの年頃の男の子であれば絶対に好きそうなエレメントばかり。つまりこれは“鉄板”なアニメではないか!!
《大きな》よいこたちの好きなアニメばかりが幅を利かせている、現在のテレビアニメ界ではまず作らないであろう空想科学冒険テレビアニメ『黄金バット』、一度ご鑑賞あれ。40年以上前のアニメなのでツッコミ所満載ではあるが、そのうちこのアニメ内世界に浸りきった頃には絶対続きが見たくなるハズだから。
昨日の功夫映画予告編集に続き、今回もダラダラ流しっぱなしが最適なビデオを紹介するよ!
『Kid's Commercials』というこのビデオ、なんと1950~60年代にアメリカで放映された玩具関係のコマーシャルが「これでもかっ!」というくらいに詰め込まれた観る《タイムマシーン》だ。構成が時系列でないのでいろんな時代に飛びまくるけれど、それでも玩具という言葉が年々と薄れていく現在、子供たちの宝物が家庭用ゲーム機などではなく、個々のイマジネーションをフルに働かせればいろんな世界に連れて行ってくれる《玩具》だっだ時代を思い起こさせてくれるいいビデオである。
マーチャンダイジング・トイズばかりの日本ではまず作れないだろうなぁこーゆーの…
平成19年に「昭和の日」が制定されたのを記念して、資料館が「懐かしのチャンバラ映画ポスター展」を企画し大変好評だったので、翌々年の平成21年に開催した「懐かしの映画ポスター展」に続く第二弾であるらしい。そんなイベントやっていたことなんて冊子読むまで知りませんでした。
第一弾は邦画・洋画のオリジナルポスターを展示していたらしいが、今回は邦画オンリー、しかも戦前のものまであるという映画ファンであれば心惹かれる展示内容だ。大都市のこのようなイベントに比べれば展示面積も数も少ないが、江南市在住のコレクター・海野雄吉さんがひとりで集めた秘蔵品ばかりなので内容的には負けていないと思う。
手書きや人工着色の映画ポスターを見ていると、その時代には存在しないはずなのに「懐かしい」気持ちになるのは何故だろう?このような資料に囲まれているとかつて映画が娯楽の王様だった昭和20~30年代に意識がタイムトリップする。なお、ここにはポスターだけでなく、海野雄吉さんが学生時代にこつこつと作っていたスクラップブックや、当時の映画スターが手描きのイラストで一堂に会した双六やメンコまでも展示されていて、ますますトリップ率が高くなること間違いなし!
資料館の職員さんといろいろお話させてもらったが、この膨大な資料を貸してくださった海野雄吉さんは嵐寛寿郎のファンであったとの事。どうりで新東宝のポスターが多かったわけだ。
「懐かしの映画ポスター展(2)」は7月4日(日曜)までなので、近郊の映画ファンは急げ!あと、第三弾も期待しています、江南市歴史民俗資料館さん。
この辺は画自体がショボショボで何だかよく分かりませんね。一応、左側の図版はパチ『快傑ズバット』めんこ。こいつをズバットというには抵抗がありますが、まぁいいでしょう。キノコモルグ(『仮面ライダー』)風怪人がパチズバットを狙っているぞ!
真中がパチ『人造人間キカイダー』めんこ。メカ部分を描くのが面倒くさいのでクリームソーダみたいな表現になってます。
右側は…パチ『小さなスーパーマン・ガンバロン』めんこ、かな?右端のオモチャのゴリラ風ロボットは元ネタは一体何?
こいつは完全に元ネタ不明のパチモン図版!レタッチ技術が特異な世界観を醸し出しています。こういうの、私は嫌いじゃないです。
右側はちょいとリアルなパチ『科学忍者隊ガッチャマン』めんこ。男の人の写真に描き足していってるのですね。実写ドラマで観てみたかった…
真中は…透明フードを被ったヒーローがパルプSF雑誌のロボット風敵に戦いを挑んでいるの図、か。乗ってる車が完全に『ジャンボーグA』のジャンカーです。
右側は口まで覆った『仮面ライダーV3』のヨロイ元帥を手前に『レッドバロン』風敵ロボットをバックに従えている…の図。こういうゴッチャな構成のパチモン図版って、元ネタがよく分からないとそういう番組が存在したかのような錯覚を覚えてしまいますね。
最後は…もう理解不能・判別不能なパチモン図版ですな。
左側はダイナミックプロ風タッチの敵キャラと『イナズマン』に出てきた少年同盟の女の子の首をあしゅら男爵の身体に付けた敵キャラを背景に凄んでいる緑の服着たタイガーマスク…ってことでよろしいでしょうか?
真中は『仮面ライダーV3』のキバ男爵が巨大化してパトカーを手に街で大暴れ!の図。等身大キャラクターを巨大化させるのはパチモン図版の常套手段の一つですね。
右側はまるで蚊を殺しているかのような(あっ、光線出しているのか)ポーズをしているパチ『レインボーマン』が敵ロボットを粉砕するの図。キチンとビームを出していることを表現していないからパッと見、パチン!と敵ロボットを叩き壊しているように見えるではないか。
どうでした?パチモン図版の世界は。前回も言いましたけどキャラクタービジネスという概念が稀有だったほんの20年くらい前まではこんな贋物がまかり通っていて、君たちのお父さんは少ないお小遣いをこんなのに出していたんだね。まぁ、ここまで違えばパチだって分かるだろうに、ね。
パチモン図版…それは既存のヒーロー・怪獣などのキャラクターを、ちょこっとデザインをプラスマイナスして、あたかもそれらしく見せて子供たちの小銭を掠め取ってしまおうという意図の下に製作されたものである。(←暴言?)
今現在のわれわれの眼で見れば明らかに違法ギリギリであり、場合によっては告訴も辞さないようなものも中にはあるが、その画の下手さ故かろうじて個性になりえているものも少なくない。今じゃちょっと構図、画のタッチが似ているだけで「パクリ」「コピー」と罵られる時代であるが、つい20年ぐらい前まではこんなイリーガルな商品が駄菓子屋の軒下で堂々とまかり通っていたのだ。市場が小さいので見過ごされていたのかもしれないが…
パチ『イナズマン』3種。何だか『ロボット刑事』みたいな輩もいますな。それぞれ体色が元と似ても似つかない色ってのがいいね。バックに稲妻を配置して、これは『イナズマン』だとさりげなくアピールだ!
ウルトラ怪獣モドキをバックにポーズを取っているかわいい顔のパチ『デビルマン』、元々の存在がマイナーなのでどこがパチ?と言われても瞬間的には分からないパチ『ファイヤーマン』、胴に「心」の文字が入っていないスレンダーなパチ『風雲ライオン丸』。
パチ『ジャッカー電撃隊』とパチ『レッドバロン』2種。パチジャッカーはマスクと服の色統一されてないのが奇妙。バックでキックしてる人なんか身体が『円盤戦争バンキッド』になってるし。
パチバロンの方は、真中の図版なんか「どこがレッドバロン?」なデザインである。辛うじてシルエットがそれっぽいだけで。左側の図版はまぁまぁ元デザインに近いものにはなっているが、胸だけが黄色いので何だかよだれ掛けっぽい。顔も笑っているように見えるしこれは赤ん坊バロン?
パチモン図版、まだまだ続くよ!
前回は思いっきりSF未来戦争ものだったので、今回は日本人の心の支えというべき《時代劇》を扱っためんこを紹介します。
1990年放映の『参上!天空剣士』を最後に子供向けオリジナル時代劇ヒーローが絶えて久しいが、めんこ全盛の昭和30年代には映画はもちろん、テレビ、漫画、絵物語にいたるまでジュブナイル時代劇というべき物が存在していた。
講談を題材にした昔ながら物のもあれば、伝奇趣味に走ったものまで実に多種多様。同時期にテレビで人気を博していた『ローンレンジャー』などに代表されるチャイルド・ウエスタンの日本版みたいな感じ。
先ほど亡くなられた山城新伍の代表作である『白馬童子』と作品名不明の市川雷蔵の写真めんこ。写真ものだけどコピーライトマークがないんですが…おおらかな時代である。
こちらは図柄不明の時代劇めんこと横山光輝の『伊賀の影丸』めんこ。左側の図柄不明ものは当時の絵物語がテキストでしょうか?前の持ち主がマジックペンで顔に縁取りしちゃってます。あー、私もよくやりました。
「はやぶさ剣士」、「三日月天狗」と書かれた謎のめんこ。
「はやぶさ剣士」は昭和31年に小島剛夕が『おもしろブック』(集英社)に描いていた絵物語…というが実際の絵柄・キャラクターと似ても似つかないので名前だけ拝借したのでしょうか?「三日月天狗」はこちらも同時期に『少年画報』(少年画報社)に連載していた絵物語(植木金矢・作)。
最後は写真(実写)版と原作版(これも『少年画報』連載)の『天馬天平』(堀江卓・作)めんこと、武内つなよしが昭和32~3年に『幼年クラブ』(講談社)に連載していた『どろんどん助』めんこ。
いやー、とりあえず人気のあったモノはめんこ図版になっているのね。それが売れたかどうかは別として。
小さい頃は「何だろうな~?でもカッコイイじゃん」と思っていただけで、何を意味するものか全然知らなかった。
しかし、これが立派な遊び札だったのだ。名称は《軍人合(あわせ)》といい、兵器の図柄が多いことから別名《武器合せ》ともいうのだそうだ。
遊び方は2人で行い、それぞれトランプのように札を出し合い、札の図柄によって勝敗が決まり勝った者が相手の札を頂戴することが出来るのだという。
懐かしの玩具などを紹介したサイト『昭和の名玩具100選』によれば…
●元帥・大将・中将は、スパイ・MPに負け他は勝つ
●軍用犬・傳書鳩は、各将官類に勝ち其他は負け
●水素爆弾は、円盤に負け其他は全部勝つ
●遊撃機・B29・B36・ジェット機・偵察機は、元帥・ 大将・中将・少将に負け其他は勝つ・・・
のだそうだ。面白そうですか、これ?
戦前から存在した軍人合も戦後(昭和30年以降?)には『ゴジラ』や海外SF映画の影響、小松崎茂の『地球SOS』に代表される少年誌掲載のSF絵物語の影響により、空想科学な図柄が登場する。この何ともいえないタッチ、容赦ない終末観が好きモノのハートを鷲掴みにするんですな、これが。
時代は今や原子力っスよ!とばかりにあちらこちらで《アトム》の文字が踊っている。エコが叫ばれる現在ではとても考えられない…
かつて巻頭グラビアや映画などで胸躍らせたSF兵器もこの通り!でも右の札、どう見ても人工衛星ではありませんね。自分で飛んでるし。
おぉ、宇宙人まで来ちゃいましたか!某大映製作のSF映画に出てくるあの方ですね。呼んでもいないのに怪星ボシーまで地球に接近ですか?安いネーミングですな。
どひゃぁー!怪獣、かいじゅうまで出現ですよ。ゴジラさん、何だか踊っているように見えますね。ヒマラヤ雪男は口から怪光線発射です…って雪男って光線出せたっけ?
《放射能》に《ABC戦争》ですか…ネガティブな札だなぁ。今じゃとても考えられない単語が子供向け玩具の中で踊っています。
太陽が燃え盛り、地球が悲鳴を上げている!なんてSFなシチュエーションなんでしょうか?あっ、Sの字が裏返ってますよ。
何だかんだ言っても地球は終わっちゃうんですね、あぁ何というデストロイかつノーフューチャーな札なんだ。今頃神様が来ても遅いと思うんですがね…?
YAHOOオークションなんかではブルース・リーとか倉田さんの『闘え!ドラゴン』の写真めんこなどが出品されていますが、イラスト図版のクンフー映画関係のめんこは珍しいのでは?と思っています。
正直これを見て、第一次ドラゴンブームの波は紙玩具の世界にも影響を及ぼしていたのだなぁと感心しました。私が直接体験したジャッキー映画の全盛期の頃にはポスターなどの“紙もの”こそあれ、めんこなどの紙玩具は存在しなかったのでは?と記憶しています、不確かなものですが。
これは当時の熱気をうかがい知る事の出来る貴重な資料ですね。
最初に見たとき、
「池上遼一の『男大空』?でも辮髪のキャラクターなんて出てなかったような…」
とあれこれ考えていたのですが、もう一度じっくりと絵を見ていると
「これ、『復讐のドラゴン』じゃない?、倉田さんとモン・フェイの」
とようやく気付きました。ただこの絵は元のテキスト(映画のコミカライズ作品)があったのか、めんこ屋さんが独自で描いたのか分かりません。でも、もしコミカライズ作品があったら見てみたいなぁ。
さて今回の紹介物件は、前回に引き続き昭和30年代のTV番組を図版にしためんこを取り上げたいと思います。どれもこれも観た事のない番組で、絶対マンガだと思っていた図版が実はTVドラマ化されたものだったと知った時の驚きといったら…
これは有名。山川惣治の『少年ケニア』ですね。でもTVドラマが放映されていた頃のものだとしたら石川球太版の図版なのかなぁ?絵が全然似てないんですけど。
もう一方は手塚治虫の『ピロンの秘密』。見るからに原作版の図版ですね。
もう、この辺になると何がなんだかわからない…『竜巻小天狗』も『少年事件記者』も昭和35年頃に放映されていた、と言う事しか分かりませんです。『少年事件記者』の方は武内つなよし(『赤胴鈴之助』、『少年ジェット』)が原作との事です。
当時のコメディ番組なんて専門外で、最初これを見たとき絶対マンガがモチーフなんだろうと思っていましたが(絵が何となく、わちさんぺいのマンガっぽいし)、ところがすべてTV番組なのでした。『やりくり三代記』と『しぶちん繁盛記』のほうは芦屋雁之介や大村崑が出演しているとの事です。う~ん知らん!
次回のめんこグラフティー ~其の三~を心して待て!