快晴の本日、風も強くなくポカポカ陽気なので自転車を漕いで名古屋市西区那古野にある円頓寺商店街へ向かった。名古屋の商店街といえば多くの人が(県外はどうか知りませんが)大須観音をイメージされるが、この円頓寺もかつては門前町として賑わっていたそうである。
こんな小さな商店街で何が行われていたのかというと、名古屋地区では初めて一箱古本市が開催されていたのだった。
一箱古本市というのは東京・不忍ブックストリートで2005年から開催されているフリーマーケット形式の古本市で、商店街の道端に段ボール箱の中に収納された古本(雑貨も可)を売る、というものだ。普通の古本市だと本職の古書店が出展し、古物商免許のない我々一般人には出展資格はないのだが、この一箱古本市は誰でも参加が可能なので(一箱500円で一人3箱まで)、若い学生さんからお年寄り(本職?)までいろいろな顔ぶれを見ることができる。
出展内容も人それぞれで、ジャンル分けして独自性を打ち出している出展者もいれば、家で読まなくなった雑誌や文庫・マンガなどを売り出している(ほとんどがこのパターン)ので、こちらのモチベーションも気合入れて欲しい本を探すというよりは、面白そうな出物があったら買っちゃおうかな~?ってなもんである。
その辺をブラブラと散策しているとあるわあるわ珍しいものが。あるブースでは60年代末~70年代頃のSFマガジンが置いてあって年季の入ったファンがまとめ買いしていたり、はたまたある所では中国土産であろう中華製軍人将棋セットや『ウルトラマン』とか『SF西遊記・スタージンガー』のかるた等が売られていたりと個性的で面白い。
私は、映画関係の書籍ばかりで固められたブースを発見したのでいい出物はないかと物色していたら、『大特撮 日本特撮映画史』(コロッサス・編、朝日ソノラマ・刊)が1500円で売られていたのでグッと惹かれた。一応出費予算は2000円ぐらいにしておこうと思っていたので(バカ買いできないのが悲しいトコロです)もうひとつ何か買おうと棚を覗いていたら、中学時代に図書館で(公共の)読んだ記憶のある『B級映画 フィルムの裏まで』(増淵健・著、平凡社・刊)が350円というナイスすぎる値段で売りに出されていた。
さっそく出展者にお金を払おうと2000円を取り出し待機していると…
「あっ、1000円で結構ですよ」
との事。嘘ォ?!古本屋で買えばこれの何倍もする値段だし、しかも2冊まとめて1000円とは…私の疑問を出展者に直接ぶつけてみた。
「えぇ、知っていますよ。でも今、映画の本って特殊な(内容の)もの意外は売れないんですね」
へぇ、そんなんですか知りませんでした。出展者にお礼を述べるとウキウキ状態で足早に帰宅した。本の状態を調べてみたがダメージがある箇所がなく、今でもとても低価格なのが信じられない。映画関係の書籍ってそんなに売れないんですかね?
レトロな門前町という格好のロケーションと相まってとても良い雰囲気だったので、この一箱古本市というイベントを来年も是非この円頓寺商店街で開催していただきたいし、私自身が出展しても面白いかな?とも思った。読まなくなった文庫本もたくさんあるし…