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『ターミネーターと刑事コムベンイ』を観る

2010年03月17日 | 韓国映画
 今回は、再び韓国児童映画の奇妙な世界を紹介しようと思い、あの世界的キャラクターが何の躊躇も無しに登場する『ターミネーターと刑事コムベンイ』(92)を選んでみました。これがまたどうしようもないんだなぁ…


  科学者のコン博士は、彼のその天才的な頭脳を、悪事に利用しようと考えているギャング団との追跡中に、偶然巻き添えをくって殺されてしまった青年を哀れに思い研究中であった人造人間《ターミネーター》として蘇らせようとする。だが、最終調整を目前に博士は自宅に乗り込んできたギャング団によって拉致されてしまう。
 拉致直前に博士に取材を申し込んでいた女性雑誌記者は自宅から博士が消えてしまったのを不審に思い警察に連絡、そして派遣された警察署イチのダメ刑事とで捜査を開始する。その頃街中を黒ずくめの恰好をした男が徘徊していた。《ターミネーター》が動き出したのだ…!果たしてコン博士は無事に見つかるのか?そして《ターミネーター》の動向は如何に?!

              
●あらゆる問題の張本人・コン博士。韓国では珍しい、家庭用ゲーム機のユーザーである

              
●これが《ターミネーター》。別名・黒い舘ひろし

 92年っていうと、本家・キャメロン監督『ターミネーター2』の後か?どうりで《ターミネーター》の雰囲気がそれっぽかったわけだ。それにしてもキャラクターをまんまパクるとはたいした度胸である。同時期の香港・台湾系のアクション映画や子供向け映画などにもターミネーターもどきは出現しているが、ここまで露骨なのは見たことがない。この時期の韓国には知的所有権という概念は存在したのだろうか?観客がハナッから少ない(上映期間も)児童映画だからやれたんでしょうね、きっと。

 この映画の登場人物は、キーマンである《ターミネーター》や美人雑誌記者を除いてどういうわけか《バカ》ばかりである。コン博士や、事件を追うダメ刑事はもちろんの事、ギャング団の幹部までもが揃いも揃ってコレなのだ。言語障害寸前の台詞回しや幼稚園児なみの低脳ギャグが次から次へと繰り出され、観てるこっちはブチ切れ寸前である。

「いい大人なんだからさぁ、ちゃんとやれよ!」

と文句のひとつでも言いたくはなりますわな、そりゃ。当時の韓国の子供たちはこれを観てどういう感想だったのかを聞いてみたい気分だ。

              
●事件を追うダメ刑事。普段のバカさ加減と、銃撃シーンの容赦なさは驚くぞ~、きっと

 ただ、アクションはハンパじゃない(この前もそういったが)。一見バカのダメ刑事だが銃撃シーンになると何の躊躇もなくギャングを撃ち殺しまくるし、ギャング団も《ターミネーター》相手にバズーカや爆弾などでボンスカ火の玉打ち上げるはで子供向け映画とは思えないほどハードである。なんかこの製作者、硬軟の使い所を間違えてるんじゃないか?


 バカな登場人物が繰り広げるゆる~いドラマと、明らかにやりすぎなアクションが混在する《韓国児童映画》、今後も要チェック!なのである。

              
●ユルユルの低脳ギャグの合間に訪れる、ハードなアクションシーンは衝撃的である


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