アメリカ合衆国軍隊は日米安全保障条約により日本国内に駐留し
ている。 我が国は戦前中国大陸や朝鮮半島を侵略したと言われるが、実は日本軍のこれらの国に対する駐留も条約に基づいたものである.
だから侵略には当たらない。と言うのだ。
論評するのも値打ちがないと思われるような主張で、歴史認識の程度が低くて悪すぎる。
当時の世界情勢が全く理解されていない。あの時代の世界の趨勢は帝国主義的侵略が世界規模で行われていた事の認識のかけらもない。これは侵略のを語る以前の問題である。米軍駐留と日本軍の大陸駐留とが同じだという発想は奇想天外で歴史を客観的に眺めた主張とは到底思えない。客観的に見ると、不都合きわまりない個人的な主観的歴史観だが、これを発表して天下に赤恥をかいている認識は無いのだろうか。
どうしてこういう思いが彼の内に起こったのだろうか。それは歴史の勉強不足以外の何者でもない。そしてこういう主観的歴史観を持つこと自身が勉強不足で恥ずかしい事であると言うことを、彼自身自覚していない。これは極右思想の持ち主というよりは、客観的な歴史的事実認識の勉強不足に伴う(知識不足に基づく)誤った個人的歴史観だという点につきる。
もし彼がこういう主張をしたいのならば、史実を忠実に客観的に勉強し、その上に立って自論を展開すべきである。彼の主張は荒唐無稽な砂上楼閣である。
防衛大は学問的に定説となった近現代史を教えていないのではないか。彼の歴史認識の主張は、勉強不足による無知、厚顔無恥の思い上がりから来る所の幼稚さの性だと指摘されても仕様が無い。歴史を勉強したものだったら誰だってこのように批判するだろう。
何の根拠があって歴史の学問的定説から外れて、こういう歴史観が生まれてくるのだろうか。理解に苦しむ。歴史は個人の思い込みで作られるものではない。厳しくいえば,ねつ造されるべきものではない.
ついでに識者らの意見も付記しておく。
◇「立場をわきまえず」…識者ら
軍事アナリストの小川和久さんの話 田母神氏の論文公表は
1空自トップとして立場をわきまえない幼児的な行動だ。
2,内容も非科学的で、自衛隊をはじめ、日本に単純思考のタカ派が台頭しているのではないかとの警戒感を世界に与える恐れがある。
3,国家の存亡を左右する組織トップの不祥事だけに、厳しく処罰されるべきだ。
▽作家の梁石日(ヤン・ソギル)さんの話 航空自衛隊のトップがあんな論文を書くようでは、本当にシビリアンコントロールが働いているのかと思わざるを得ない。
4,旧満州や朝鮮半島が、日本政府と日本軍の努力によって生活水準が向上したなど、とんでもない妄想だ。
5,なぜこのような極右の人物を空幕長にしたのか。