日々雑感

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安田善治郎

2010年09月24日 | Weblog
安田善治郎


陰徳
安田善治郎の父善悦は  
「慈善は陰徳を持って本とすべし。慈善をもって名誉をもとむべからず」 「富之礎」 と善治郎に教えた。彼は財をなした後からもこの教えを固く守った。
世間では彼はケチだという評判が定着していた 。
大体ケチという概念は人によって様々である。安田が果たしてケチだったのだろうか。と考えるとき、僕は彼がケチというよりは金を使うときにその意味や効果を彼なりに計算して彼がおもう、合理的なものには金を使ったと思う。

ところが彼が思う合理的なものと一般人が思うところの合理的なものの間には乖離がありずれがあったのではないか。

彼は銀行家である。銀行家というのは、時には冷徹でなければならない。
庶民は彼の冷徹な合理性をケチと見たのだろう。
金持ちであるならば、そのくらいの金は出しても良かろうという庶民の思いと無駄金は出したくないと思う彼の想いの差が、はケチという評判を産んだ。
そのケチと言う評判のために彼は凶刀に倒れた。83才。人生は判らないものだ。ところで彼が積んだとされる陰徳の行方は、さてどうなったんだろうか。