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◆【経営四字熟語】  重考高盛 一見ムダも活かし方がある 202

2020-07-03 11:31:37 | 【心 de 経営】 経営四字熟語
◆【経営四字熟語】  重考高盛 一見ムダも活かし方がある 202
 四字熟語というのは、漢字4文字で構成された熟語で、中国の故事などに基づくことが多々あります。
 ところが、それだけではないのです。
 四字熟語を「経営」という視点で見ますと、一般的な四字熟語とは異なる見え方をしてきます。
 それをネタにしてあなたが他の人に話すと、尊敬の眼差しで見られるでしょう。
 永年の経営コンサルタント歴の目で見ますと、経営に直結する示唆の多いことに気がつきました。
 独断と偏見で、それを皆様にご紹介したいと思います。
◆ 経営四字熟語 第2シリーズ
 
 四字熟語の中には、物事の発想や思考に関する熟語もあります。「理科系の人は理屈っぽい」とか「あの人に理屈でまくし立てられますと、太刀打ちできない」などという言葉をしばしば耳にします。
 たしかにビジネスの世界では、上手に説明ができなかったり、自分が主張していることが相手に正確に伝わらなかったりすることが多く、自分の非力さを痛感することが多いです。
 四字熟語の中に、思考に関して示唆ある熟語が想定以上に多くあります。その中には、相手の言っていることを正確に理解できるようになるための示唆を与えてくれるものがあります。どの様に発想したら、相手に自分の思いをわかっていただけるのかを感じ取らせてくれる四字熟語もあります。思考力のハウツー本としてではなく、四字熟語の中に、思考力を高めるヒントを見つけていただきたいと思います。
 
 
■ 重考高盛 一見ムダも活かし方がある 202

     ~ 繰り返し思考して、よりよい判断に繋げる ~

 私たちが何かをしようとしますと、何らかの情報を結合したり、重点順位をつけたり、選択したりをして、判断を行います。しかし、人間の判断というのは、その時の体調や気分などにも大きく左右されがちです。

 判断がぶれないようにするためには、論理的に事実を整理し、それを基にウェイトをかけて判断をするなど論理思考の手法を利用することが多いでしょう。そして沈思黙考して、自分の考えをまとめたり、目先だけの状況に左右された判断をしたりするのではなく、深謀遠慮を忘れてはなりません。

 ある会社で、取締役部長が常務取締役を捕まえて自分の提案をぶつけました。その常務取締役は「いいよ」と部長の提案を受け入れました。その会社における決裁ルートは、役員からの提案は、常務会に提出され、ケースによっては役員会に回されることがありますが、多くはそのまま常務会にて審議され、最終的に社長決裁となります。

 たまたま常務会メンバーの専務取締役が退任したこともあり、常務会は社長と常務取締役の2名で構成されています。部長は、常務取締役の了解を取れていることから、この案件を社長に直接に回しました。社長は、直接部長から提案書が届きましたので、なぜ常務会からの提案ではないないのか部長に状況説明を求めました。

 状況を把握した上で・
・・ <続く
 
 

【経営コンサルタントの育成と資格付与】
 

since 1951 特定非営利活動法人・日本経営士協会

 
 日本経営士協会は、戦後復興期に当時の通産省や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくする、日本で最初にできた経営コンサルタント団体です。
 詳しくは、サイトでご覧下さい。 
 
 
 
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■■【経営コンサルタントのお勧め図書】0922 日本経済低成長からの脱却 松元 崇 著  NTT出版

2020-07-03 09:56:37 | 【経営】 経営コンサルタントの本棚

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】0922 日本経済低成長からの脱却 松元 崇 著  NTT出版

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

■      今日のおすすめ

 

『日本経済低成長からの脱却』(松元 崇 著  NTT出版)

 

 

■ 日本経済低成長から脱却することの意義(はじめに)

 著者は、内閣府の元次官で、アベノミクスの立ち上げに参画した経験を有します。その様な著者が政権の当事者ではなく、第三者として客観的に日本経済を俯瞰し、日本経済の課題の核心を突き、対応策を提言しています。著者が指摘する現在の日本経済の問題点を以下で見てみましょう。

 

【世界の中で縮み続けている日本】

 世界の経済構造が1990年代以降大きく変わりました。それは、IT技術の進歩と通信コストの激減と自由貿易体制(米中もEUも保護主義的な政策をとりながらも、自由貿易が大切との看板は下ろさない)により、モノの生産という点で、世界が一つの国になったことです。世界は、グローバルな競争の中で、得意分野に経営資源を集中し、不得意分野は切り捨てる、「選択と集中」の時代になったのです。しかし、日本国内では雇用慣行などにより「選択と集中」が難しく(特に撤退が難しい)、日本企業は、撤退の伴うリスクは海外で投資をする形になってしまい、国内経済成長の低下要因になっているのです。技術革新力、研究開発費はOECDの中で、ドイツ・アメリカと並んでトップクラスにも拘らず、企業が国内の投資に向けない結果、成長率低下の一因となっているのです。

 

【成長会計から分析する日本の経済成長率の低迷】

 日本が低成長になっている事を、成長会計という手法で分析しています。経済成長には①技術革新など②資本③労働力が必要とされます。労働と資本の貢献以外を全要素生産性=TFP(total factor productivity)という概念で捉える理論です。著者は「スエーデン型」と「米国型」を示し、日本と比較し、日本のみが国内における機械・設備等(=資本)の投資が小さく、低成長の大きな要因とします。著者は少子化による労働人口の減少は、労働生産性の向上に加え、資本とTFPの増強で十分カバー出来ると考え、その中でも特に、日本国内への「資本」の増加が成長力強化に有効であると説くのです。2018年のGDP成長率は、アメリカ2.86%、スエーデン2.34%に対し日本は0.81%(IMF統計)。約2%の格差の内、日本国内への資本投資の少なさによるGDP成長率の低下要因を1%と見積もった場合、毎年5.5兆円のGDPが失われている事になります。これが既に20年以上続いたことにより、110兆円(5.5×20)が失われたことになります。結論として著者が言いたいことは、スエーデンは負担が高いと思われているが、日本も低成長の結果として、高い負担と同等の「隠れた増税(得られるべき所得が得られない)」が行われ、これからも「隠れた増税」が続くと言う事です。『「選択と集中」環境+高福祉の「スエーデン型」』を選ぶか、『「選択と集中」環境+格差社会の「米国型」』を選ぶか、『「選択と集中」環境がなく「隠れた増税」』を続けるのか、日本は今、その選択を求められているのです。

 

【労働生産性が伸びず賃金も上がらない元凶は日本の労働慣行】

 「選択と集中」環境を損なっている元凶は、終身雇用制、解雇権濫用法理、「ジョブ型」ではない「メンバーシップ型」労働契約・採用、等にあるとします。詳細は紹介本に譲るとして、一朝一夕では変えることのできない難しい課題が存在することを認識しておきたいと思います。

【働き盛り世代の貧困を回避し、年金制度を維持するには、低成長からの脱却が必須】 

 いわゆる2060年問題、それは高齢者一人を現役世代一人が支える時代です。2015年にGDP比25%の社会保障費は、45年後には30%になると推計されています。もし毎年経済成長率が1%アップすれば、45年後にはGDPが45%増えます。又日本の労働生産性が米国の約半分ですが、これを米国並みにすれば、現役世代の人口が倍増したのと同じ効果があります。つまり、著者のメインテーマは、社会保障の持続可能性の維持、それを支える側の所得(一人当たりGDP)を大きくして行く事、その為に低成長から脱却し先進諸外国並みの経済成長力を達成する事なのです。

 

■ 日本経済低成長から脱却するための提案

 「低成長からの脱却」について、著者の考えを、ご紹介しましょう。

【「働くことの幸せ」を国も一緒に創り上げるー国が現状を変える先行投資をー】

 著者の主張のポイントは、日本国内市場が、日本企業は勿論、世界の企業から選ばれる市場にすることです。つまり、『思い切った「選択と集中」』が出来るよう、日本の雇用市場を柔軟なものに改革することです。単に柔軟にするだけでは、格差社会が広がる「米国型」になってしまいます。転職する人がキャリアアップして、所得が増える仕組みを作っていく「スエーデン型」を目指すべきとの主張です。その様な社会になれば、「働くことの幸せ」が広がり、労働生産性も大きく向上します。

 しかし、その様な社会は簡単にできません。「選択と集中」による転職する人の生活を十分に支え、キャリアアップし、生産性の高い企業に再就職させる仕組みを作るには、国の現状を変える先行投資が必要です。

 投資の財源を、将来世代の負担を避ける方法で行うには、増税が必要です。しかし、今の日本の民主主義の下では、この種の重要な事項についての議論が十分に行われないのが現実です。著者は、真剣な議論のきっかけになればとの思いで、本書を著作したのです。

 戦後営々と築き上げて来た、分厚い中間層が消滅しないために、豊かな未来を子供たちに残してやるために、政治家も国民も真剣に議論してほしいと著者は結びます。

 

【日々進化する企業経営を】

 紹介本では、成長率を高めるための企業経営について多くの知見を紹介しています。その中で目に留まった一つをご紹介しましょう。  著者が引用している斎藤ウイリアム浩幸氏(日系二世の起業家)の発言です。「日本には(グループはあるが)チームがない」「イノベーションが加速する世界で、個人、企業、国家が生き延びるためには、異質な価値観、異質な才能、異質な文化を持つ人がチームを組んで、共通の目標のために助け合うことが絶対条件」という発言です。人的資源が豊かな日本で、「米国型」の経営を取入れ、破壊的創造による新たなモノ・サービスを増やし、成長率を上げる必要性を説きます。

 

■ 「日本経済低成長から脱却するための提案」に真摯に取組もう(むすび)

 紹介本により、高齢化・人口減少時代に、日本の世界における下降トレンドに歯止めを掛けるヒントを得られたことです。それは、日本の現実に希望を持つ事でもあります。将来を見据え、希望を持って、低成長から脱却する経営を目指しませんか。それは、人口減少社会の課題克服という社会貢献に繋がります。

 

【酒井 闊 先生 プロフィール】

 

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

  http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/2091.htm

  http://sakai-gm.jp/

 

【 注 】

 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

 

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