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【心 de 経営】 徒然なるままに日暮パソコンに向かいて 第109段 高名の木登り 油断大敵

2024-09-19 12:05:00 | 【心 de 経営】 徒然草に学ぶ
■【心 de 経営】 徒然なるままに日暮パソコンに向かいて 第109段 高名の木登り 油断大敵 
  「徒然草(つれづれぐさ)」は、吉田兼好による随筆集の冒頭の文章です。作者は、兼好であるという明確な証拠はないようです。おそらく大半の方が、何らかの形で、この文章に接しているのではないでしょうか。
 徒然草といいますのは、清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』とならび日本三大随筆の一つといわれています。
  高校生時代に戻った気分で、また、社会人として人生を歩み、自分の高校時代には理解できなかったり、誤解していたりすることを発見しながら、独断と偏見に満ちた、我流の解釈を僭越ながらお付けしました。
 徒然なるままに、日暮パソコンに向かいて、よしなしごとを、そこはかとなく書き付けてまいります。
 お届けも、徒然なるままにアップロードしますので、読者の皆様も、日暮パソコンに向かいて、末永く、徒然にご覧下さるよう、お願いします。
◆第109段 高名の木登り 油断大敵
 長年の経営コンサルティング経験からか、徒然草に限らず、何かを経営コンサルタントの視点で見てしまいます。
 徒然草の中でも、52段の「仁和寺にある法師」と、この109段「高名の木登り」は、頻繁に講演や社員研修等で紹介します。
 前者は、「つもり症候群」、当段は、「油断大敵」というのが私のキーワードとなっています。
【原文】 高名の木登り
 高名の木登りといひしをのこ、人を掟てて、高き木に登せて梢を切らせしに、いと危ふく見えしほどは言ふこともなくて、降るるときに、軒たけばかりになりて、「過ちすな。心して降りよ。」と言葉をかけはべりしを、「かばかりになりては、飛び降るるとも降りなん。いかにかく言ふぞ。」と申しはべりしかば、「そのことに候ふ。目くるめき、枝危ふきほどは、己が恐れはべれば申さず。過ちは、やすき所になりて、必ずつかまつることに候ふ。」と言ふ。

 あやしき下臈(げらふ)なれども、聖人の戒めにかなへり。鞠(まり)も、難(かた)きところを蹴いだして後、やすく思へば、必ず落つとはべるやらん。
【用語】
  下臈(げらふ): 卑しい者、身分の低い者
【要旨】
 木登りの名人が、高い木の枝を伐らせた折に、高所で危険なところでは何も言わず、飛び降りることができる低い位置まで降りてきたときに、「注意を払って降りなさい」とアドバイスをしました。
 蹴鞠で、難しい局面をうまく切り抜けたあとの、やさしいボールが来たときには、得てして失敗しがちのようです。この名人は、身分は高くはありませんが、このような聖人の言葉に通じるアドバイスをしました。
【 コメント 】
 ある男が若者に、高い木に登らせて、枝を伐らせた時に、誰しもが、高所で、危険そうなところでは、自分自身で注意を払うものです。
 この高名の木登りは、中国の成人に通じることを、体験から学び取っているのでしょう。「一芸に秀でる者は多芸に通ず」という言葉がありますが、体験を通して自然と身についているのでしょう。
 知識として持っているだけではなく、経験により味付けされた知恵は価値あるものです。
 多くの管理職は、部下が失敗しそうなことを、先回りをしてアドバイスをしてしまいますと、部下は、失敗したことから学べる貴重な機会を失うことになります。
 この木登りは、自分の経験から、もう、地上に近いところまで来ますと、高所の危険や困難時の気持ちを忘れがちで、失敗は気づきの契機をすることを学んできているのでしょう。
 兼好は、蹴鞠を例に、自分の体よりかなり離れた、難しそうな所にボールが飛んできたときというのは、最善を尽くしますが、目の前で、いつも上図に蹴れるところにボールが来たときには、気を抜いてしまうことを知っていました。
 四字熟語に「油断大敵」という言葉があります。
 易経には、「君子、安けれども、危ふきを忘れず(安而不忘危)」という言葉もあります。
 現在、経営が順調であっても、いつ経営環境が変化をするかわかりません。技術革新で、これまでライバル視していなかった企業が、突然、自社商品・サービスを上回るものを提供し始めるかもしれません。
 成長している企業は、事業が順調なときに、先行投資を忘れません。この易経の言葉を常に念頭におくことも必要です。
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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 9月18日 25 説得の質を高めて納得に導く B101

2024-09-19 08:21:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

 

  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 9月18日 25 説得の質を高めて納得に導く B101 

  平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

9月18日(水)

 米テレビ界で最高の栄誉とされるエミー賞で、一作品で史上最多の計18部門で受賞したと報じられました。
 制作配信をしている米ウォルト・ディズニーのTVドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」です。苦戦が続くディズニーの動画配信事業が、活気づく契機となる勢いだそうです。
の追い風になるか注目される。
 台詞の80%が日本語ということにも驚きです。日本語の迫力が伝わるのだそうです。テロップ方式は、アメリカではあまり一般的ではないですが、それが普及されるようになると、日本のTVドラマがアメリカで放映される確率が高くなるのではないでしょうか。

【今日のおすすめ】

 【心 de 経営】 徒然なるままに日暮パソコンに向かひて 第79段 何事も入りたたぬ 知ったかぶり

  つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、

  心にうつりゆくよしなしごとを、

  そこはかとなく書きつくれば、

  あやしうこそものぐるほしけれ

 今日は、徒然草の「しったかぶり」について、兼好はどの様に考えているのかをご紹介します。

 竹根の会社のクライアントに社員向けの講話をお願いしたいと言われていました。

 今日が、その日だったので、出かけてゆきました。

■ 25 説得の質を高めて納得に導く B101

 こちら側の主張を、相手が全て同意してくるわけではありません。説得しようとこちらが躍起になっても、相手にその気がなかったり、それなりの事情がありますと、よい提案にも耳を貸してくれません。

 難しい問題ほど、1回で、同意にたどり着こうとせず、時間や場所を変えて説得に努めます。それをステップを踏んで行う手順をご紹介します。

◇ ステップ1
 まずは、相手の状況を再度見直してみて、その状況次第で、対応を考えてみましょう。

◇ ステップ2
 相手に特別な事情がない場合には、双方の言い分を対照表に整理してみます。各項目に重要度や緊急性の評価欄を設け、点数を記入記します。
 重要度や評価欄の値をもとに、重点順位順に並べ替えます。

◇ ステップ3
 両者の共通点を検討し、それに付帯する項目を追記し、次回の面談時に、それを相手にぶつけて、理解を深めます。

◇ ステップ4
 一方で、相違点につきましては、下記を検討します。
  なぜ、相違してしまうのか、両者に歩み寄りの余地はないのか、
  当方からの歩み寄りをするとしたら、どの様に相手にぶつけたらよいのか、
  先方に歩み寄りをしてもらう場合には、どの様に相手に切り込むのか
◇ ステップ5
 これらを、二度・三度と繰り返しているうちに、落とし所にたどり着くでしょう。


 重要なことは、説得をするだけではなく、相手の納得に至るように努力をします。

 相手に自分の考えを理解していただくためには、こちらからの一方的な押しつけではなく、上述のように、フレキシビリティをもった対応が基本です。

 どのようなことがあっても、感情的になり、「何で俺の言うことをわかってくれないのだろうか」といきり立ったりしては、こちらの負けです。

 相手を説得することは、ゲームのようなもので、こちらの戦略・戦術がよくなければ、相手を説得し、納得していただくことは不可能です。むしろ、ゲームとして、楽しむくらいのつもりで、共通相違比較表を改善していってはいかがでしょうか。

■【今日は何の日】

  当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。

 この欄には、発信日の【今日は何の日】と【きょうの人】などをご紹介します。

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

  東京に蘆花恒春園という庭園があります 918

 東京の副都心新宿から京王線という私鉄が出ています。

 各駅停車で15~20分ほどで」「芦花公園」という駅で降りて徒歩15分のところに蘆花恒春園という庭園があります。

「不如帰」で知られる文豪・徳冨蘆花が晩年奥さんと過ごした住まい跡を公園として開放しています。

 四季を通じて、いろいろな花が咲きます。

 桜の季節に、お茶を戴くのも良いですが、私は梅の季節に訪れたことを良く覚えています。

 茶室が、梅の花にマッチしていました。

  蘆花恒春園
   https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index007.html

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。

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  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/a8e7a72e1eada198f474d86d7aaf43db

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