【ご挨拶】 新年を迎えて 「枕草子に登場する『まねぶ』は実力養成の第一歩」を貫く
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
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今年は、巳年です。年を表す時の別名は「大荒落(大荒駱、大芒落、大芒駱)」といってあまり良い年ではないと言われています。
蛇といいますと、その特徴は、足もないのにスルスルと移動できることです。
蛇は、足のないことを嘆くのではなく、その欠点を補い、活かし、水陸両用の移動をするような進化を遂げました。私達人間は、得意不得意があります。それを活かしていくことで、生きやすくなることを蛇は教えてくれているのかも知れません。
蛇は、その独特な生態と行動から、多くの文化や神話において重要な存在とされています。興味深い生物ですね。
本年は、その蛇にあやかり、「欠点も使い方によっては武器にすることができる」の教えを受けて、今年も「しゃべり(書く)まくり」ます。
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■「枕草子に登場する『まねぶ』は実力養成の第一歩」を貫く
「まねぶ」は、「まねる」と「まなぶ」の合成語として紹介しています。
私自身が、経営コンサルタントになりたての頃、「コンサルティングはどのようにするの」「コンサルタントとしてなにをやるのだろうか」と考えたときに、先輩から学ぼうとしました。ところが、コンサルティングというのは、先生それぞれがノウハウを持ち、それを武器に仕事をしていますので、30才そこそこの若造の私には、それを開示してくれるわけはありません。
私は、自分で受注したコンサルティングの仕事を先輩の鞄持ちをしながら盗み取ることにしました。コンサルティング受注は、1970年代の当時でも難しかったですから、先輩にとっても、私にとってもメリットがあるウィン・ウィンのことだったのです。
先輩のなさることを全て吸収しようと、必死で学び、それをもとにまねるようにしました。その体験から、冒頭にありますように「まねる+まなぶ=まねぶ」という言葉にしたのです。
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1990年代に入りますと、パソコン通信から、インターネットへと利用手段が変化してきますと、経営コンサルタントとしての差異化(差別化)を図るためにFAXを通じた情報発信からメーリングリストへ、メーリングリストからSNSへと変化して来ました。
その過程で、日本語の難しさを痛感し、古典を読み返したり、現代国語文法を学び直したり、聴き手の理解を得るための表現力を養成したりということを始めました。やがて、「コンサルタントのためのコンサルタント」と呼ばれるようになり、偉そうに「実力養成の第一歩は〃まねぶ〃である」というようなことを書いたり、話したりする機会が多くなってきました。
ところが、枕草子を読み返していたあるときに、「まねぶ」という言葉を発見して多きなるショックを受けました。自分が作った合成語だと思っていたら、純然たる日本語として「まねぶ」が存在していたのです。それも枕草子の時代ですから平安時代にはすでに、この言葉が日常使われていたと考えられます。
それを知ったときにはショックでしたが、私が作った合成語とは語源も意味合いも異なりますので、いまだに「まねぶ」の話を続けています。
ちなみに、古語辞典(学研全訳古語辞典)によりますと、「まねぶ」は次のような意味合いを持った言葉であるそうです。
①まねる。まねて言う。
②そのまま伝える。
③勉強する。教えてもらって身につける。
私の言っている「まねぶ」と通じることがあるのですから、私の合成語も悪くはないとニンマリとしました。