■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】024 PFI、PPPの『伝道師』務め、公民協働を後押し 8124-A625
経営コンサルタントを40年余やってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。
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■ PFI、PPPの『伝道師』務め、公民協働を後押し 8124-A625
「PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」という手法に代表される、公と民の連携(PPP)に対する関心が、ここへきて俄かに高まっている。国・自治体の財政難、インフラ施設の老朽化、地方創生のうねりなど、いくつもの要因から、PFI、PPPが「時代のニーズ」となったことが背景にある。そのニーズに対応するコンサルティング事業に力を入れるのがベックス(東京、岡崎明晃社長)だ。同社は「基本的には民間企業を支援する立場。ただ、最近は自治体からの相談も受けている」(岡崎社長)と、公と民、双方の視点から両者協業の『最適解』を追い求めている。
ベックスは2003年に岡崎社長が設立した。岡崎社長は化学・機械メーカーでプラントエンジニアや企画担当として働いた後、ビジネススクールでベンチャー起業理論を学び、理論を実践に移し今日に至る。プラントの仕事を通して、施設の維持管理、建築土木、機械設備など幅広い業務を経験し、関連する多様なノウハウを蓄積したことが起業を決断させる。同社の業務領域は、事業提案書や各種企画書の作成支援、デザイン・パース類の制作から、公共施設の管理運営・立ち上げ支援、モニタリングの実施・評価まで多岐に亘っている。
多岐に亘る業務の基本スタンスとして貫かれているのが「効率的で質の高い公共サービスの探求」だ。取り組んでいる提案書作成支援、パース制作、モニタリング実施などの大半は公共サービス向け。時代が求める公共サービスとは一体何か…。入札する企業に対して、鳥の目、虫の目、魚の目の三つの目線で助言する。そのベストアドバイスを模索し続け、模索する過程で自ずと習得したPFIやPPPの知識・ノウハウが同社の大きな財産となる。
民間資金などを活用し民間主導の公共サービスを提供するPFI、さらに広く公民連携を意味するPPPのどちらも、英国サッチャー政権に端を発し各国に広まる。日本では1999年のPFI法施行を出発点に、普及/定着期、リーマンシショックによる停滞期を経て、今日、法制度の見直しなどから新たな普及期に移行している。「フリーの時代の20年ほど前から公民連携に携わっている」という岡崎社長は、その道のプロとしてセミナー、講演会に引っ張りだこ。年、数十回の講演をこなし、PFI、PPPの伝道師役も務めている。
「公共施設は、例えばスポーツ施設ならスポーツだけ、公営住宅なら居住だけではなく、顧客である地域住民のニーズ、ウォンツを考えて探り出し、具体的な提案をすることが一番、大事なのでは」、「人と人、人と地域をつなぎ、地域活性化に結びつけることが公共の施設・サービスの大きな役割だ」―講演で岡崎社長は住民ファーストの理念を強調する。公と民、同床異夢が宿命ともなるPFI、PPPを、理念の共有という『処方箋』により、両者が同じ夢をみられるようにする精神科医の役割も果たそうとしている。
出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成