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【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編 プロの管理職のあり方2-105 「逆転の発想」で問題に取り組む

2023-02-06 05:46:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編 プロの管理職のあり方2-105 「逆転の発想」で問題に取り組む

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部1章 リーダーシップあるプロの管理職の発想と行動 

 “真”のプロは、“真”の管理ができなければなりません。“真”の管理は、「温かい管理」が基本です。
 「管理」の基本について、考えてみましょう。

 

■2-05 「逆転の発想」で問題に取り組む

 

 経営コンサルタントとして、企業を訪問したときに感じることのひとつが、「思考の固定化、狭窄化」ということです。

 経営コンサルタントの視点で視ますと、「なぜ、あのようなことをやるのだろうか」「そのやり方では効率がよくないのではないだろうか」「その作業は不要なのではないだろうか」というような思いをすることが多々あります。

 社員さんに、なぜ、その様なことをするのですかという質問を投げかけますと、一様に「いままでに前例がないから」「先輩達が、この様にやってきているから」「マニュアルにこの様に記述されているから」という回答が返ってきます。

 クリティカルな発想をすれば、疑問に思うようなことに疑問を持てないために、「それ以外の方法はない」と、決めつけてしまっています。発想のフレキシビリティに欠けた判断しかできない、というような姿勢から、問題を解決できないでいるのです。

 要は、岡目八目という現象が、企業には転がっているのです。


 かつて、日本のロケット開発の先駆者であります糸川英夫博士は、その著書に、「逆転の発想」ということを記述しておられました。経営コンサルタントになる前に紐解いた著書ですが、目からうろこの思いで、夢中になって読み、繰り返し読みました。

 それから半世紀以上経った今日でも、その内容の一部をいまだに記憶しています。

 その一つの記事が、「自動車タイヤの改良」というテーマでした。

 道路表面が雨で濡れていますと、ハイドロプレーン現象を起こして、タイヤが滑ってしまいます。タイヤメーカーには、それを最小限に抑えるタイヤの開発が求められたのです。

 メーカーは、日夜、その研究を続けてきているのに、その問題が解決しないということは、今までの発想が間違えているかもしれないと考える必要性を説いています。すなわち、クリティカル・シンキング的な発想の必要性を、糸川先生はおっしゃっていたのです。

 ここで、逆転の発想が説かれたのです。

 すなわち、クリティカル・シンキング的発想をしますと「タイヤの改良でスキッド問題を解決する」という命題に問題があると命題そのものの正当性の問題への取り組みがわかります。「タイヤの改良でスキッド問題を完全に解決することは困難である」というように、発想に切り替えなければならないというのが、「逆転の発想」です。

 タイヤの改良だけで、この問題を解決することが困難であれば、自動車の制動方法の改良で何とかならないか、という命題が、はじめに上がりました。しかし、自動車メーカーが、日夜研究している重要テーマの一つであり、タイヤメーカーとしては、勇み足の感がぬぐえないという結論に達しました。

 そこであきらめずに、タイヤがスキッドするのは、ハイドロプレーン現象が主因ですので、この現象を起こらないようにすればよいとう思いを続けました。しかし、タイヤ側での研究を重ねても、その問題は解決できないでいたのです。

 堂々めぐりの末、ある若者研究者が、「コロンブスの卵だ」と叫んだかどうかは記録がありませんが<失礼しました>、ここで逆転の発想が起こったのです。

 タイヤの相手である、道路舗装の方で問題解決はできないかという、いままで考えたこともない方向に発想が飛ぶことになりました。今日、多くの道路で、ハイドロプレーン現象を最小限に抑えた舗装が成されていることはあたり前になっていますが、当時は、それがあたり前ではなかったのです。

 「逆転の発想」
 私が、今日まで、経営コンサルタント業を続けて来られたのも、この著書が多いに私を育ててくださったからなのです。

 

 

 

<事項に続く>

 

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