2月下旬、10年程前当社の仲介で住宅を購入していただいたお客様より突然、
仲介依頼の電話をいただきました。
私はとんとご無沙汰しておりましたので、当時の面影を思い浮かべながら訪問したところ
開口一番「年とったなぁ」だった。
一つが、亡父が居住していた土地を相続したので、売却したいという内容でした。
忘れもせず、当社を指名して下さったことにとても感謝しております。
その後、震災の話におよび、彼は栗原耕英の出身でした。
「栗原・栗駒耕英」は戦後間もなく栗駒山中腹を開拓し、農業やイワナ養殖で発展させた。
変色し、ボロボロになった入植当時からの記録や資料をみると、
その苦労・難儀は計り知れないものがあります。
2008年6月14日午前8時頃岩手宮城内陸地地震が発生し、
家も財産も職も同時に失いマイナスからの復興となりました。
私だったら1週間も支援が無い状態が続いたならば、
言い表せない不安で自分を失いかねなかったと思います。
どうかと思ったのですが地震から4ヶ月後、唯一日中通行可能だった秋田県側の道路を通って
4時間かけて春に予約していた「くりこま山荘」に行きました。
途中泥湯付近では道端から硫黄とともに炎が出ているところもあり、
車に引火するのではないかとちょっと怖かった記憶があります。
直下型内陸地震での崖崩れは、地中深く鍾乳洞のような巨大な空間があり、
地震の揺れで地盤が一気に陥没したかの様相で、悲惨な被害状況でした。
山荘は紅葉を目的に多くの宿泊客が滞在しており、
道路が復旧すれば観光客が戻ってくれると、早い復興を期待しておりました。
イチゴ栽培が復活し、イワナ薫製の開発等悩みつつも希望を育てている住民たちです。
今年は「観光復興元年」となるはずだった。
そこに東日本大震災3.11の打撃で温泉宿は再開資金調達等で難渋し、苦境に立っているとのことです。
支援は時間の経過とともにだんだんと熱が冷めてくる可能性があります。
被災地の復興には5年・10年もしくはそれ以上の時間がかかります。
二つめが、彼は県道築館栗駒公園に面し、
駒の湯温泉源泉近くの「いこいの村」周辺に宅地と農地を所有しております。
地域復興の一つとして景観活用、市民菜園設置等で活用して下さる方を募集しております。
被災された方たちは、もうすでに十分すぎるくらいがんばっています。
だからどうぞきばり過ぎずゆっくり一緒に復興していきましょう。
紅葉が見頃の季節に再度訪ねてみます。