細木数ノ子天井先生の五星占星術によると、
10年後、ミチさんは天中殺(懐かしい響き)を向かえます。
そして、ある朝目覚めると、親指姫になっちゃってます。
年のころ20才前後のうら若き乙女です。
ミチさん、もうウキウキです。
だって、若いに越したことないじゃ~ん。
そして、若返ってやりたいこと、もちろん「恋」!
どこかに親指王子はいないものか?
そうだ、香林坊あたりをうろつけば、きっと誰かがナンパしてくれるに違いない。
今まで大男や大女の目線でしか見てなかったから気がつかなかったのだ。
親指姫が実在するなら、親指王子だってきっとどこかにいるはず!
足にまめをこさえて、109、大和百貨店、中央公園とぶらつきましたが、誰にも出会えません。
目に付くのは、タバコの吸殻、空き缶、ファーストフードの包み紙などのゴミばかり。
小さなミチ姫は誰の目にも留まりません。
あてども無く歩き、兼六園にまで来てしまいました。
何と外人観光客の多いことか。
あのアンデルセン童話を生み出した国の人ならきっと私に気付いてくれるんじゃないか?
一縷の望みを託しましたが無駄でした。
ぼんやりと、池のほとりでたたずんでいると、突然、宿敵かえる君が現れました。
「こら、かえる、見苦しいからあっちへ行け!」
「僕の本当の姿はかえるではありません。
オダギリジョーのそっくりさん岡崎次郎と申す者です。
魔女に呪いをかけられてこんな姿になってしまったのです。」
「まあ、ジョーのそっくりさん!?お可哀想に。
で?香椎由宇似の奥様がいらっしゃるとか?」
「いいえ、僕は独身です。」
この一言にミチ姫、ころっといっちゃった。
「何か私に出来ることはないの?
例えば、アツーいキッスで元の姿に戻るとか?」
「おし~い。」
「じゃあ、Bまで。」
「ブー」
じゃあ、ジョーならCまで許すわ、と言いかけて言葉を呑んだ。
初対面だし、相手は何と言ってもこの世で一番嫌いなカエルだ。
「残念。やっぱり、カエルの姿をした僕じゃあダメなんだ。
本当の僕はT大卒、父は大会社社長なのに…。」
「待ってよ、他に出来ることは無いの?」
「それじゃあ、どうか僕と6Pプレイをして下さい。」
「6Pって、6人でやるSEXのこと?」
「いいえ、違います。体位です。
つまり、69ではお互い向き合っていますよね。
それが、6Pでは僕がミチ姫に背を向けた格好になるわけです。
紛らわしいので、9dとも言いますが、、、。
そして、
卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事。」
「わかったわ、やったげる。」
ミチ姫、かえる君の上に乗ると目を閉じ、ひたすらジョー君の顔を思い描いた。
かえる君の体から、池の藻の匂いがぷーんと漂っているのがわかった。
藻の匂いで小学校1年生の頃の記憶がよみがえった。
隣の家に住んでいた同い年の知的障害児のわたる君の匂いと同じだった。
わたる君は、いつもカエルと遊んでいた。
ショクヨウガエルなのかガマガエルなのかは知らないが、
20cmぐらいの大きなカエルを田んぼで捕まえてきては、
洗面器に入れ、体を洗ってあげたりしていた。
一度だけ、わたる君とお医者さんごっこをしたことがある。
誘ったのは、私のほうからだった。
せっかくチャンスをあげたのに、わたる君はどうしてよいか分からず、
私のパンツの中にカエルを突っ込んで逃げていってしまった。
不思議だ。
あの頃は、まだかえる君は友達だった。
クラスは別々だったが、学校へ行くのはいつも一緒だった。
いつもいじめられていたわたる君。
最初のうちはかばっていたが、
ある日、いじめっ子の、名前は忘れたが某君が
「お前ら、夫婦なんだろう!いつも一緒じゃないか。」
と発言した。
「ふーふ!ふーふ!」
と周りの男の子たちがはやし立てた。
親友の由美ちゃんまで、笑って見ている。
家に帰って一人で泣いた。
学校でいじめられたのは、これが最初で最後だ。
その日以来、私はわたる君に冷たくなった。
学校へも別々に行くようになった。
お母さんから「だめじゃない、ちゃんと面倒を見てあげなきゃ。」
と言われたが、無視した。
2年生のときに、わたる君はお父さんの転勤で引っ越していった。
お別れの日、わたる君は大切にしていたブルドッグのぬいぐるみをくれた。
なんでそんな大事なものをくれるの?
私はこんなに冷たくしたのに。
私は何をあげたんだろう?
思い出せない。
ほんとうは、
ほんとうは、
わたる君のことが好きだったのに!
誰よりも、純粋無垢なわたる君のことが好きだったのに!
みんなの冷やかしに負けてしまった意気地なし!
………
6Pプレイが終わった。
かえる君の上に乗っているのが不快でなくなった。
むしろ、このままずっとこうしていたい気持ちだった。
勝った。
某君に勝った。
あのときのいじめに勝った。
日和見した卑怯な自分自身に勝った。
「変ね。ジョー様に変わらないゲロ。」
「うへへ、まんまとひっかかりやがって。」
「あらゲロ、うまくしゃべれないゲロ。」
ミチ姫は池の水面に映る自分を見て驚いた。
そこに映っていたのは、目を半開きにして、征服欲で満たされたような顔をしたカエルだった。
しかし、ミチ姫、否ミチガエルは幸福感に包まれていた。
まあいいか、いつかわたる君が私を見つけてくれるゲロ
10年後、ミチさんは天中殺(懐かしい響き)を向かえます。
そして、ある朝目覚めると、親指姫になっちゃってます。
年のころ20才前後のうら若き乙女です。
ミチさん、もうウキウキです。
だって、若いに越したことないじゃ~ん。
そして、若返ってやりたいこと、もちろん「恋」!
どこかに親指王子はいないものか?
そうだ、香林坊あたりをうろつけば、きっと誰かがナンパしてくれるに違いない。
今まで大男や大女の目線でしか見てなかったから気がつかなかったのだ。
親指姫が実在するなら、親指王子だってきっとどこかにいるはず!
足にまめをこさえて、109、大和百貨店、中央公園とぶらつきましたが、誰にも出会えません。
目に付くのは、タバコの吸殻、空き缶、ファーストフードの包み紙などのゴミばかり。
小さなミチ姫は誰の目にも留まりません。
あてども無く歩き、兼六園にまで来てしまいました。
何と外人観光客の多いことか。
あのアンデルセン童話を生み出した国の人ならきっと私に気付いてくれるんじゃないか?
一縷の望みを託しましたが無駄でした。
ぼんやりと、池のほとりでたたずんでいると、突然、宿敵かえる君が現れました。
「こら、かえる、見苦しいからあっちへ行け!」
「僕の本当の姿はかえるではありません。
オダギリジョーのそっくりさん岡崎次郎と申す者です。
魔女に呪いをかけられてこんな姿になってしまったのです。」
「まあ、ジョーのそっくりさん!?お可哀想に。
で?香椎由宇似の奥様がいらっしゃるとか?」
「いいえ、僕は独身です。」
この一言にミチ姫、ころっといっちゃった。
「何か私に出来ることはないの?
例えば、アツーいキッスで元の姿に戻るとか?」
「おし~い。」
「じゃあ、Bまで。」
「ブー」
じゃあ、ジョーならCまで許すわ、と言いかけて言葉を呑んだ。
初対面だし、相手は何と言ってもこの世で一番嫌いなカエルだ。
「残念。やっぱり、カエルの姿をした僕じゃあダメなんだ。
本当の僕はT大卒、父は大会社社長なのに…。」
「待ってよ、他に出来ることは無いの?」
「それじゃあ、どうか僕と6Pプレイをして下さい。」
「6Pって、6人でやるSEXのこと?」
「いいえ、違います。体位です。
つまり、69ではお互い向き合っていますよね。
それが、6Pでは僕がミチ姫に背を向けた格好になるわけです。
紛らわしいので、9dとも言いますが、、、。
そして、
卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事、卑猥な事。」
「わかったわ、やったげる。」
ミチ姫、かえる君の上に乗ると目を閉じ、ひたすらジョー君の顔を思い描いた。
かえる君の体から、池の藻の匂いがぷーんと漂っているのがわかった。
藻の匂いで小学校1年生の頃の記憶がよみがえった。
隣の家に住んでいた同い年の知的障害児のわたる君の匂いと同じだった。
わたる君は、いつもカエルと遊んでいた。
ショクヨウガエルなのかガマガエルなのかは知らないが、
20cmぐらいの大きなカエルを田んぼで捕まえてきては、
洗面器に入れ、体を洗ってあげたりしていた。
一度だけ、わたる君とお医者さんごっこをしたことがある。
誘ったのは、私のほうからだった。
せっかくチャンスをあげたのに、わたる君はどうしてよいか分からず、
私のパンツの中にカエルを突っ込んで逃げていってしまった。
不思議だ。
あの頃は、まだかえる君は友達だった。
クラスは別々だったが、学校へ行くのはいつも一緒だった。
いつもいじめられていたわたる君。
最初のうちはかばっていたが、
ある日、いじめっ子の、名前は忘れたが某君が
「お前ら、夫婦なんだろう!いつも一緒じゃないか。」
と発言した。
「ふーふ!ふーふ!」
と周りの男の子たちがはやし立てた。
親友の由美ちゃんまで、笑って見ている。
家に帰って一人で泣いた。
学校でいじめられたのは、これが最初で最後だ。
その日以来、私はわたる君に冷たくなった。
学校へも別々に行くようになった。
お母さんから「だめじゃない、ちゃんと面倒を見てあげなきゃ。」
と言われたが、無視した。
2年生のときに、わたる君はお父さんの転勤で引っ越していった。
お別れの日、わたる君は大切にしていたブルドッグのぬいぐるみをくれた。
なんでそんな大事なものをくれるの?
私はこんなに冷たくしたのに。
私は何をあげたんだろう?
思い出せない。
ほんとうは、
ほんとうは、
わたる君のことが好きだったのに!
誰よりも、純粋無垢なわたる君のことが好きだったのに!
みんなの冷やかしに負けてしまった意気地なし!
………
6Pプレイが終わった。
かえる君の上に乗っているのが不快でなくなった。
むしろ、このままずっとこうしていたい気持ちだった。
勝った。
某君に勝った。
あのときのいじめに勝った。
日和見した卑怯な自分自身に勝った。
「変ね。ジョー様に変わらないゲロ。」
「うへへ、まんまとひっかかりやがって。」
「あらゲロ、うまくしゃべれないゲロ。」
ミチ姫は池の水面に映る自分を見て驚いた。
そこに映っていたのは、目を半開きにして、征服欲で満たされたような顔をしたカエルだった。
しかし、ミチ姫、否ミチガエルは幸福感に包まれていた。
まあいいか、いつかわたる君が私を見つけてくれるゲロ
あの画像はかなりショッキングでした。
6Pの意味もおぼろげながら理解しました。
でも、どこが快楽なのかいまだに分からないワタクシです。
小説の中のワタクシはオダジョー似の岡崎次郎が変身しているカエルについて行きますが、実際のワタクシは絶対に絶対に岡崎次郎には心を許しません。
もちろん操も守り通しますっ!
あのカエルはやっぱり幸福感に満たされているのでしょうかねぇ。
郷に入りては郷に従え(あ、引用ポイントが違うか?)
どこにでも幸せはあるのかしら~。
そんなことを考えながら2作目(前半戦)をアップしたところです。
前半戦は快調ですが、後半戦は下ネタオチです。(申し訳ない)