弟の店にポスターを貼ってもらうためにいった。
ついでにご飯も食べて帰ることにした。
となりに女の人が座って「あれ?makiちゃん?」と言われて見ると、たまに行くカリスマ占いのお姉さんだった。
「ここ、私の弟の店なんですよ」というとお兄ちゃんじゃないのかとえらく驚いていた。
最近、気に入ったお坊さんがいるという話をしていると突然「makiちゃん。4月になったら良くなるからね。今まで凄く忙しかったでしょ。」と言われた。
「そう。頭が禿げるくらい」というとそれはまわりに依存されたからだと言われた。
息子を見て「これが癒しの子ね。彼はね、心が悪い人には近づかない。小さい頃からそうじゃなかった?」と聞かれた。
確かに母の悪口ばかり言う人がいて、そのおばさんが私は嫌いだった。息子はまだ2歳くらいだったのにその人のそばには近づくことすらしなかった。
「こうちゃんはね、人が大好き。みんな仲良しって思っているような子なのよ。その子が嫌がる人ってことはよっぽどな人。無意識にわかるんですよ。彼の能力ってことなんですよ」とお姉さんは言った。
DSばっかりしている息子を見て「こんなんですけどね」と言った。
昨日の夕方職場で嫌なことがあって、その話をした。
外注先が地震の被害にあって、納期を延ばしてくれと連絡してきた。私は考慮してあげたかった。
でも営業はお客さんに交渉もせずに約束だからと頭ごなしに譲ってもくれず、計画停電や材料不足、輸送経路など大変なさなかに前金で払ったことを振りかざして少しも理解してくれなかった上に、全部言い訳で業者が怠慢をして嘘をついていると言った。
それで私は上司になんとか言ってくれと頼んだ。
上司はかばってくれなかった。
営業はお客さまに謝らなきゃいけないじゃないかと言った。
私はそんな狭い器に腹を立てて、「あなたが勝手にそう思い込んでいるだけで、本当にお客様が譲ってくれないのですか?地震で大変なのに、分納でと言ってるじゃないですか。半分以上は納期の通りにしてくれたじゃないですか。残りだって本当は1週間かかるのに4日で発送してくれるって言ってるじゃないですか。お客様が譲れない事情があるとおっしゃるならわかるけど、あなたは交渉すらしないでどうして頭ごなしに弱っている職人さんたちに怒りをぶつけるんですか」と大げんかした。
その後もしばらく嫌みを言われ、「言っときますけど私が納期をずらしてくれと言い出したんじゃないですよ。私は甘いかもしれません。でもあなたが困ったと言っても私は助けませんよ」と言うと黙ってしまった。
私は占い師のお姉さんに「どっかに埋めてしまいたいくらい嫌な人です。」と言うと大笑いされた。
そして「あなたは本当に正義感が強い人ね。自分という物を持っているしね。」と言われた。
私はまじめだと言われることがバカにされているようで好きじゃない。でもお姉さんは私のはまじめなんじゃないと言った。ただ、相手の気持ちが伝わりやすくて自分のことのように感じてしまうんだと言った。
「嫌われ役をやってでも誰かを守ろうとするのよ。あなたがそうしてもらえなかったから自分のような思いをさせまいとしてる。自分が辛い思いをするほど誰かが同じ目に遭っているとほっとけないの。それは痛みをわかっているから」と言われた。涙が出た。
お姉さんは「まわりがいつも自分と同じとは限らないからわかってくれない人もいるし、意地悪な人もいるのよ。そんな人と出会ったこともあなたが学ぶことがあるからなのよ。」と言った。そうなんだろうなと思った。
人の心の隙間や弱みにつけ込まれているような人を見ると黙っていられない。
最近上司がそういう目に遭いそうになって、私は上司だけどかなり説教をした。
私が薦める本を渡して、「得体の知れないものを真実だと思ってまわりを振り回す前に、今できることからやるべきです。地に足のついた尊敬できる人でいて欲しい。弱っているときには相談にのりますからしっかりしてください」と言った。
今朝、彼女は「あの本良かった。まだしばらく貸してね。ありがとう」と言った。
今日も一緒に飲みに行く。
昨日占い師のお姉さんは「あなた本気で私のところで勉強しない?あなたの能力はもったいないわ。生き物と話せるしね」と言った。
「なんで知ってるの?私、おかしいと思われないように隠してたのに!」とほんとに驚いてしまった。
猫の言葉らしい物がイメージと感情で伝わってくるのでうちの猫たちとは人間と会話するようにして話す。
息子はそんな私を見て面白がっている。
大体ほ乳類なら可能だ。植物はほぼ一方的だけど、要求をあまりしてこないと思う。
お姉さんによるとやっぱりそんな「色」があるのだそうだ。
まあ勉強するかはわからないけど、そのお姉さんが好きだ。
その人は私のことを大好きだとよく言うけれど、私もそうだ。
それだけ気があってるってことなんだろう。