私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

水棚様も御先祖様と一緒に・・・

2018-08-13 09:24:57 | 日記
 岡山県だけにある風習かもしれませんが、盆になると(8月13日に)、「水棚様」を庭に特別に設えへて、自分のご先祖様ではない、誰にも供養してもらえないような霊も、御先祖様と一緒に供養してあげると言う風習なのです。庭の隅っこに木で作った簡単な棚を用意して線香や洗い米等を一緒にお供えして、その霊を弔うのです。おそらく縄文時代からの続けられてきた万物の霊に対する敬虔な祈り、あの土偶信仰のようなものが、このような形に、いつの間にか変化して、縄文の昔から現在まで継続されて来たのではないかと思われます。
 今では、ほとんど、そんな風習は、この世の中から消え去っておりますが、私はいつも「化石」と呼ばれているのですが、その化石の名にふさわしく、この習慣を、今でも、守っております。
 
 この「水棚」という名前の由来について「水」が付いているから「水子」をお祭しているのではという人もいるようですが、それは私は違うのではないかと思います。誰からも供養されない餓鬼のための供養だと小さい時分からよく祖母に聞かされていましたがそれが正しいのではと。差別のないすべての死者に対する限りない愛情を感じていた縄文の人々の思いが、現代までに、このような形として脈々と続いているのだと考えております。
 其の供養といかなる関係にあるのかは知らないのですが、この水棚様にお供えするものとして柿や栗や柚子の青々し実を捥ぎ取ってそこにお供えしたことを覚えています。
  
   「桃栗3年柿8年。柚は生涯顔みせん」

 と歌われたこととなにか関係があるのかもしれませんが、どうしてそこにこの3っつが並べられるのかはわかりません。きっと、これも山物<ヤマノモン>(柿やクリなど)への豊作祈願が形を変えて、現在にまで、続けられて来たのではないかと思っております。