物語がどんどん進展していきます。田狭と弟君は、日本から遠く海を隔てた朝鮮で、天皇に反逆したのです。その時、弟君は、新羅征伐の「衆<イクサビト>」を大勢率いていたはずです。これは日本<ヤマト>にとって国の存亡に係わるような窮地に追いやられる危険性をいっぱいに含んだ重大事件に進展するかもしれない事件なのです。そのことは、遠い日本にいる天皇<スメラミコト>は露にも知らない事です。
そんは国家存亡の危機が押し迫っている時です。日本の歴史の中に、忽然と、姿を現すのが「楠媛<グスヒメ>」、弟君の婦<つま>です。
この女性は
「国家情深 君臣義切 忠踰白日 節冠青松 悪斯謀叛」
であった、と書かれております。
ちょっとばかり私的に解釈すると、この「楠媛」は
「国家を思う情が誠に重く、君臣の序を重んずる心も重くて深く、忠義の心は日の光よりも明らかで、礼節の心は松の青よりも濃く、ましてや、主君に背く事なんて、決して、あってはならない甚だしい悪事であると、日頃から大層憎んでいた。」
女性でした。
なお、切は<タシカ>で、踰は<コエル>で、冠は<スギル>と読ましております。
そのような妻が一緒に夫の傍に仕えていたのです。・・・・・どうする??「ああ 楠媛!」
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