古事記序（２）・・・・

　古事記に謂います。

　〝然乾坤初分参神作造化之首。陰陽斯開。二霊為群品之祖”
　
　「無名無為（名前も形もない」）世界に天と地が出来き始めた時に、まず、「天之御中主、高御産巣日、神産巣日」の三神が姿を顕し、天と地が形を顕した時に、この世の中の全ての物の祖である“二霊”、即ち、伊弉諾伊弉冉二柱の神が生まれたのです。そして

　“所以出入幽顕。日月彰於洗目。浮沈海水。神祇呈於滌身”

　それからしばらくして、伊弉諾の神が黄泉の国（幽）からこの世（顕）に帰られてから阿波岐原で禊した時、目を洗われて日と月が顕れ、海水に浮き沈みして身を潔めた時に多くの神々が生まれます。

　”故太素杳冥。因本教而識孕土産島之時。元始綿邈。頼先聖而察生神立人之世”

　このように、世の初めのことはぼんやりとして定かではないのですが、昔からの言い伝えによって土地や島々が出来たことを知ることが出来るのです。もとより遠く遥か昔のことですからぼんやりとしてはいますが、昔の賢き人たちによって伝えられた神々や神々のなされれた事が察しられます。

　なお、宣長は、この「立人」について、
　「大御神をしも人と申さむは、いかがにも聞ゆれども、生神と云る対に、かへて書るのみなるべし。」
　として、此処では「神」を、敢て、「人」書いて「神様」を言い表しているのだと説明しています。でも、現代の訳者は、大方が「神様を生み、又、人の世を生んだ。」としていますが、どうでしょうかね？？？？？？？？？？？？？？？？？？？？？？