オホクニから“佐加志売<サカシメ>”と呼びかけられた沼河比売です、オホクニみたいな大声で自分の思いを思いっきり歌にして云う訳には行きません。「手紙に認めたのでは」と、昨日書きましたが、この時代、まだ、文字は無かったはずです。ですから、此処に書いてあるように、沼河比売が歌ったのは、あるかないかのような小声ではなかったのかなと想像しているのですが。この比売の声を想像してみてください。少々長句は鳴りますが、原文を交えてその全部をご紹介していきます。
「ヤチホコと名乗っていらっしゃる神様でしょうか。私はそこら辺り何処にでもあるようなただの草 “怒延久佐<ヌエクサ> のような女の子ですです。“宇良須能登理叙<ウラスノ トリゾ>”と。何処にでもいるようなそこら辺りを鳴き騒いでいる小鳥のような女です。また、続いて、“知杼理邇阿良米”とありますが、この「知杼理」について他の本には”和杼理”とあるそうですが、宣長は「和」では前との文とあわず、「知」だとして、「汀で頻りにさえずっている鳴いている千鳥のような女でございます」と解釈しておりますが。
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