造山古墳（５）強大な勢力を持つ人は？？？

　延べ人数１５０万人の労働力を掌握していただろう絶大な勢力を持つ造山古墳の主の勢力範囲は？？？当時、吉備特有の文化である分銅形土製品や特殊器台土器・壺型土器などを埋葬用具として使用していた人たちのいた領域だと考えてみてよいと思います。
　その範囲を葛原は
　「律令制度化の美作・備前・備中・備後の四国を中心としたその最大領域は東西１４０ｋｍ、南北８０ｋｍ、中部瀬戸内圏がすっぽりおおわれる広大な範囲であったと思われる。」
　としています。
　その吉備の力がそのように強大であったと考えられる根拠として、門脇は「吉備の古代史」で時代的にはやや後年になるのですが、例の吉備の見に見られる部民制度の特色である「語直＜カタリノアタイ＞」や「史戸＜フヒトベ＞」からも考えられると説明がなされています。
　なお、此処に埋葬されている人についても門脇は、殆どの研究者はその名は分らないとしていますが、あえて

　　　　　　　　　　　"御友別と伝承さた王ではなかろうか。”

　と推定されています。