恋愛ブログ

世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

10.ギャンブラー 5

2006年06月22日 | ギャンブラー
 BARの店内は、長いカウンターがあり、初老のマスターがグラスを拭いていた。 グラスの音がキュキュとしていた。その中をクラッシックが流れていた。モーツアルトだろうか。中学生の頃音楽の授業で聞いた事があった。
 俺は、こういう場所が落ち着くなと思った。クラブという場所は、俺には合わなかった。
 あれから、ミドリはどうしただろうか。あの男から変な事されていないだろうか。少し心配になっていた。
 俺が考えていると、隣にいたノリコが話しかけて来た。
 「さっきのあの子が気になるんでしょ?」ノリコは、グラスにのっているチェリーをクルクル回していた。
 「違うよ。クラッシックが流れているなと思ってね。」図星だったが、話題をそらした。
 「へー。クラッシックに興味があるとは思えないけど。」ノリコは、とぼけて言った。何もかも見透かしていた。俺の心を見抜ぬく女なのだ。
 沈黙が少し流れた後、ノリコがこの後どこ行くと聞いて来た。
 「俺としては、素敵な夜だから、海でも散歩して、ムードが盛り上がってきた所で、熱い夜を過ごすって言うのはどうかな。」とぼけて言ったつもりが、ノリコは、真面目に考えていた。
 その後に、「それもいいかもね。」と微笑んでいた。
 心の中でラッキーと思った。話していると、ドアの音がバタンとして振り返ると、そこにはミドリがいた。
 俺は、ビックリしていた。俺の姿を見つけると、鬼の形相でミドリが近づいてきた。
 「何で急に帰ったの?ひどいよ。」ミドリは酒を飲んでいるのか。口がまわってなかった。
 「すまなかったな。」
 「謝るくらいだったら、私の事誘わないといいでしょ。」店内で声が響いていたので、他のお客たちも振り返っていた。
 「考えたんだが、俺には若すぎだ。他の若い男と遊んでなよ。」
 「そんな言い方ないでしょ。せっかく来たんだし、今からどこか遊びに行こうよ。」俺の手を引っ張った。
 「そうしたいんだけど、見ての通り昔からの友人にあってね。」 
 「やっぱりそんな事だろうと思ったわ。私より、こっちの女の方がいいって訳ね。おっぱいが大きいからなの?」隣をチラッと見て、ミドリが大声で言った。
 「おっぱいって大声で叫ばなくてもいいんじゃないか。そんな事関係なく彼女が大事なんだ。」
 「男って分からないわ。若い子が引き締まっていいに決まってるでしょ。何でなの?」ミドリは、地べたに座り込んで泣いていた。本当に悪い事したなと思っていると、急に立って、俺の頬に強烈なビンタを一発入れた。
 「この女たらし。バカァ。」散々ののしった後、ミドリは店を出て行った。
 隣で一部始終見ていたノリコはケラケラ笑っていた。
 「おいおい。いくらなんでも笑う事ないだろう。」
 「ごめん。ごめん。あんまり可笑しかったもので。だけど、彼女の気持ちも分からないでもないわ。女ってそんな所があるのよ。一度優しくされると、私だけのものって勘違いするのよね。」
 「そんなもんかな。」
 「まぁ。あなたは男だから分からないだろうけど。みんなに優しいと、時には不愉快な気持ちになって、彼女みたいにビンタするかもね。」ノリコが、ウィンクしていた。俺は照れながら、タバコにカチッと火を点けた。さっきのビンタの痛みが響いてきた。
 女をモノにする時には、他の女には声をかけないようにする。これから、俺の教訓になりそうだ。
 閉店までノリコとBARにいて、それからは、どこに行ったかは言うまでもない。
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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あれれれれーーーっ?! (ぷりりn)
2006-06-26 16:08:08
き、きーぼーさんっ!!!

大変身ですかああ???

びっくり仰天、大爆笑!!って、「おっぱいが大きいからなの?」以下の展開にっ!!!



す凄いです。。キーボーさんも実はこんな男だったのでは?!



真相を知りたいですね
返信する
追伸 (ぷりりん)
2006-06-26 16:09:43
あんまり仰天して、さっきのコメント悲惨でした。これにて修正させて頂きます。。。
返信する
驚きすぎですよ。 (キーボーです。)
2006-06-26 17:58:07
 私はスレンダーな人が好きなので、おっぱいにはあまりこだわりませんが、話の流れで、書いた方が楽しいかなと思って書きました。

 あんまり書きすぎると、エロ小説みたいになるので、やめておきます(笑)



 オフレコでいいますと、私は、実は…こんな男だったのです。
返信する
あんまり言うと。 (キーボーです。)
2006-06-27 04:09:00
 あんまり言うと、ビンタされそうなので、エロ方面は控えさせていただきます。

 

 
返信する
最高っ!! (ぷりりん)
2006-06-27 15:15:18
あはははははーーーー

キーボーさん、最っ高!!爆笑しまくりです、あー、おなか痛い~~~!!



もっともっと、もっとこのブログ宣伝したいよ~~~



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わたし毎日クリックしますよっ!!



ところで、誰にビンタされるの・・・・・・
返信する
ビンタ。 (キーボーです。)
2006-06-27 15:57:13
 そりゃ~ぷりりんさんからですよ。

 

 いや。ぷりりんさんはそっち方面は大好きでしたね~。



 ランキングどうやって載せたものか考え中でした。



 乗せますのでクリック皆さんお願いします。
返信する
え~~~?! (puririn)
2006-06-28 10:49:29
「そっち」って、どっちのこと~~??

わたし極めて文学的なものしか受け入れませんので

そこんとこよろしくです



クリック毎日するよ~~ん。

みんなで恋愛ブログを育てよう!!
返信する
育てる。 (キーボーです。)
2006-06-28 18:36:07
 恋愛ブログを見て、自分達の恋愛を育ててくれたら、私はそれほど幸せな事はないかもしれません。

 

 カップルでファミレスなんかで、携帯で恋愛ブログを見て、「この人考え方おかしんじゃない?」「これが男の気持ちだよ。」なんて会話をしてくれたら、うれしくて、涙で画面が見えません。
返信する

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