
監督 スティーヴン・フリアーズ
出演 メリル・ストリープ
ヒュー・グラント
歌がド下手ですねいらながらカーネギーホールでリサイタルを開いたマダム・フローレンスの実話のドラマです
とにかくメリル・ストリープが相変わらず上手いです
下手くそな歌を歌うのも上手いです!
音痴でありながら歌う事が好きでリサイタルを開きたがるフローレンスに献身的にサポートするヒュー・グラント扮する夫がフローレンス自身に音痴とわからせないように周囲に気を配りながらリサイタルやレコーディングまでこなさせる姿は見事なプロデュース力であると同時に愛情溢れる姿に映ります
しかしどこか引いて見ると逆にフローレンスが哀れさえに感じるのがちょっと悲しく映りましたね
誰もが下手だと思ってるのに、本人だけ歌が上手いと思い込んでる姿は何か気の毒な感じ…
見方によれば夫の愛情が妻のフローレンスを晒し者にしてるように感じられ少し残酷な感じに思えたのだが、カーネギーホールでのコンサートでは今までは下手と分かって聞いていた客の前でしか歌った事のないフローレンスが初めて味わうアウェイ感の中、彼女を嘲り笑った観客たちもスタンディングオーベーションしてしまう歌の力に、歌の上手い下手だけでない感動を歌には与える力があると思わせてくれます
メリル・ストリープの演技も確かに上手いんだが、いつの間にか歳を取ってしまったヒューグラントの円熟味のある芝居はこの作品に関してはぴったりでしたね
今のヒューグラントだから出せる味を感じました
★★★★ 2016.12.2(金) アポロシネマ スクリーン5 21:05 G-4