国際航空運送協会(IATA)の事務局長兼CEOのAlexandre de Juniac 氏は、
今後世界的に輸送が始まる新型コロナウイルスのワクチン輸送が、
カーゴエアライン業界にとって世紀の使命になるだろうとコメントし、
今後の課題等につてい見解を述べました。
同氏はワクチンが承認された際に、完全な輸送が展開できるように、
慎重に準備を進めるよう業界関係者対して指示したとし、各国政府に対しては柔軟な対応を求めています。
具体的にはワクチンが医薬品となり、適切な温度管理の下で輸送が必要になることが想定されることや、
各国に迅速に輸送する必要があることから、
上空通過申請などを含めた各運航申請の手続きの簡略化・ワクチン輸送便の優先的な飛行
・運航時間の制限撤廃・関税の簡略化などを求めています。
その他にも全世界の人口となる78億人に最低1回のワクチンを提供するには、
最低でもB747F型機の貨物搭載量の8,000機分に相当するとし、
現時点で新型コロナウイルスの影響により貨物輸送能力が世界的に低下していることから、
輸送力不足が懸念されるとし、生産拠点の周辺では陸上輸送の強化も必要であるとしています。
また一時的なワクチン輸送の需要が高まる事が予想され、受け入れ先でも設備投資が必要になりますが、
恒久的にワクチンの需要があるかは不明であることから、それも課題の一つとなるとの見解を示しています。
来年には多くのワクチンの輸送が開始されることが予想されますが、
カーゴエアラインが大いに活躍する年となることが予想されます。Photo : Boeing
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ルフトハンザドイツ航空、
現時点でのA380・B747-400型機の退役を回避
A340-600型機の一部の退役を決定
ルフトハンザ航空は、本日2020年9月21日に開催された理事会で、
A380型機とA340-600型機を長期保管へ切り替えるほか、
一部のA340-600型機を退役させることを決定しました。
一部報道ではA380型機やB747-400型機を全機退役させることが有力とされていましたが、
現時点では両機の退役は回避された形になります
今回決定された内容は、グループ全体で当初予定していた100機を上回る150機を削減する方針で、
ルフトハンザドイツ航空では保有する17機のA340-600型機のうち10機を長期保管に切り替え、
残る7機は退役させます。
また8機のA380も長期保管に切り替えられましたが、
両機種ともに運航に復帰するのは想定外に航空需要が回復したときのみとしており、
依然として今後も退役などが検討される立ち位置にあると推測されます。
また年末までに運航規模を前年の50%に回復させる計画は現実的ではないとし、
20~30%になるとし需要回復の遅れを指摘しています。
このような事からこれまで予定していた22,000人規模の人員削減数は増加する見込みであるとしています。
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ルフトハンザドイツ航空 Airbus A340-300 (D-AIFE)
ルフトハンザドイツ航空 Boeing 747-400 (D-ABVM)
ルフトハンザドイツ航空 Boeing 747-8 (D-ABYA)