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キノコバエをだます植物2

2009年03月31日 | きのこ ゼミ 情報メール
ウラシマソウという植物をご存じでしょうか。
4月下旬から、山間部では5月末まで咲いている植物です。
一見すると食虫植物のウツボカズラを連想させる形をしているので、一度見ると印象に残るかもしれません。
よく似た植物にマムシグサもあります。

実は、ウラシマソウもキノコバエをだまして花粉を媒介させています。
ウラシマソウはサトイモ科テンナンショウ属に分類され、雌雄異株ですが性転換する植物です。
若い小型のときは雄株であったものが、大型になると雌株に変わるという性質があります。

雄花から雌花への花粉の受粉はキノコバエの仲間による虫媒によって行われることが知られています。
花は食虫植物のウツボカズラのような袋状になっていますが、これを仏炎苞といいます。
雄性の仏炎苞の上部の開口部から進入したキノコバエは内部にある雄花の花粉を体につけ、下部にある隙間から脱出します。
しかし、雌性の仏炎苞ではキノコバエが脱出できる隙間がなく、開口部から進入したキノコバエは雌花群をうろつく間に授粉することになりますが、最後は脱出できずに死んでしまいます。
ただし死んだハエを養分にするわけではありません。
キノコバエ以外にも小さなショウジョウバエなども花粉媒介に関わっているとされています。

○Wikipedia ウラシマソウ
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%82%BD%E3%82%A6

○マムシグサ
 http://www2.plala.or.jp/aki_ogawa/episode/mamusi.html
○「したたかな植物たち―あの手この手のマル秘大作戦」多田 多恵子 (著),
SCCライブラリーズ