マツタケの香りにそそられる方も多いかと思います。
マツタケの香り成分は、主に2種類で、桂皮酸メチルとマツタケオールです。
○Wikipedia
桂皮酸メチル
○Wikipedia
マツタケオール(=1-octen-3-ol)
桂皮酸メチルのほうがいい香りなので、マツタケオールはきのこ臭に近い香りです。
しかし、永○園のお吸い物には桂皮酸メチルしか入っていないため、もうひとつマツタケらしくないのです。
マツタケオールはWikipediaによると、
『マツタケのほか、シイタケ、ツクリタケなど多くのキノコ中に存在する。またキノコ以外にもラベンダー、ペニーロイヤルをはじめとするミント類などの精油に少量含まれる。他にビールや肉、大豆などからも発見されている』
と書かれており、それほど珍しいわけではないようです。
しかし、マツタケと同じ香りだと思うきのこはそれほど多くはありません。
おそらくそれほど大量に含まれているわけではないのでしょう。
文献を調べてみると、
Agaricus bisporus(マッシュルーム), Agaricus bitorquis (マッシュルームの一種), Calvatia gigantea(ノウタケの一種), Pholiota squarrosa(スギタケ), Pleurotus ostreatus(ヒラタケ), Pleurotus pulmonarius(ウスヒラタケ)がマツタケオールを多く含んでいるようです。
○Frans Y. Dijkstra and Torsten O. Wiken, Studies on Mushroom Flavours.
Z. Lebensm. Unters.-Forsch. 160, 255-262 (1976)
○Frans Y. Dijkstra, Studies on Mushroom Flavours.
Z. Lebensm. Unters.-Forsch. 160, 401-405 (1976)
○Wasowics E (1974) Identification of the volatile compounds in
Agaricus bisporus.
Bull Acad Pol Sci, Ser Sci Biol 22:143-151
○Kinderlerer JL (1989) Volatile metabolites of filamentous fungi and their role in food flavour.
J. Appl. Bacteriol. Symp. Suppl. 18:133S-144S
○Paula A. Belinky, et al. Effect of medium composition on 1-octen-3-ol formation in submerged cultures of
Pleurotus pulmonarius.
Appl. Microbiol. Biotechnol. 40:629-633(1994)