松茸に人生を狂わせられた男の話
[レビュアー] 川本三郎(評論家)
松茸は江戸時代にすでに貴重な秋の味覚だったようだ。将軍様のためにわざわざ産地の上州から江戸まで松茸を運ぶ習わしがあったという。
井上ひさしにこの松茸献上に材をとった短篇「新作艶笑落語 御松茸」がある。
それによれば上州太田の金山という山が松茸の名産地だった。毎年、秋、松茸が出る頃になると、山は御禁制山となり、将軍家のために松茸が狩られる。
松茸は香が命。香が失せぬうちに江戸城に届けようと太田から板橋まで駆け足で運ばれる。担ぎ手は宿場ごとにかわる。いまの駅伝のようなもの。松茸がいかに珍重されたかが分かる。
岡本綺堂の『半七捕物帳(三)新装版』に「松茸」という一篇がある。秋の一日、「わたし」は京都から松茸が届いたのでそれをみやげに半七老を訪ねる。
※続きはこちら↓
〇松茸に人生を狂わせられた男の話
[レビュアー] 川本三郎(評論家)
松茸は江戸時代にすでに貴重な秋の味覚だったようだ。将軍様のためにわざわざ産地の上州から江戸まで松茸を運ぶ習わしがあったという。
井上ひさしにこの松茸献上に材をとった短篇「新作艶笑落語 御松茸」がある。
それによれば上州太田の金山という山が松茸の名産地だった。毎年、秋、松茸が出る頃になると、山は御禁制山となり、将軍家のために松茸が狩られる。
松茸は香が命。香が失せぬうちに江戸城に届けようと太田から板橋まで駆け足で運ばれる。担ぎ手は宿場ごとにかわる。いまの駅伝のようなもの。松茸がいかに珍重されたかが分かる。
岡本綺堂の『半七捕物帳(三)新装版』に「松茸」という一篇がある。秋の一日、「わたし」は京都から松茸が届いたのでそれをみやげに半七老を訪ねる。
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