これは、中国の生態防除茶園です。生態防除のシンボルとして黄色い粘着板がセットされています。日本でも関心を持ってる人がいるようです。
でも効果があるのでしょうか・・・?
同じように、蛍光灯を設置して蛾をとらえて防除したり・・・
これらの方法は、害虫の発生モニタリングには有効です。でも、防除効果はありません。
なぜかというと・・・
このように黄色粘着トラップには沢山小さな虫がくっついています。
ウンカ(チャノミドリヒメヨコバイ)やチャノキイロアザミウマなどは黄色に誘引されます。でも、飛んでくるのは羽のある成虫だけです。
実際には翅のない幼虫も盛んに加害するのです。では、卵を産む前の成虫を全て取り尽し、幼虫も出ないようにすれば被害はなくなるわけです。でも、茶園一面にトラップを付けなければなりません。実際やってみるとそれでもうまく行きません。それに労力的にも茶園管理上からも実際的ではありません。それに、粘着板には天敵も結構沢山くっつきます。
結局、黄色粘着トラップの実用的な防除効果はないということになります。
では、誘蛾灯は・・・・
「飛んで火にいる夏の虫」と言われるように峨は灯火に飛来します。昔から火を焚いて害虫を誘殺することがよく行われていました。
私の記憶にはありませんが、戦後、田んぼ一面に蛍光灯を設置してニカメイチュウの防除を試みたことがあります。その光景は、壮観だったそうです。でも、すぐにGHQから、天敵も誘殺されて効果的ではないという勧告が出され、すぐに撤去されたそうです。
お茶の害虫で実際に調べてみると、灯りに飛んでくるのはオスが多く、メスもほとんどが産卵後、体が軽くなったものです。ですから、沢山の峨を誘殺したからと言っても、防除上は無意味なわけです。
中国の茶畑にもよく行きます。でも、日本のような害虫による被害をほとんど見かけません。虫自体が非常に少ない。なぜなんでしょう・・・
でも、中国にもたくさんの害虫研究者がいます。害虫防除の本も沢山出ています。でも、あまり害虫を見かけない。
研究者の話では、結構被害が出ると言っています・・・・
そんな現場を見てみたいと思っています。
目の黒いうちに希望がかなうかどうか・・・・?
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