(『風の谷のかっぱがおる』の続きです…)
(宴会…)
「ユパ様が腐海の調査に出掛けられた後、姫様がキュウリの栽培を始められましてな、そのキュウリが美味いのなんの!」
「それに、姫様のキュウリを食べると何か元気になったような気がするのう」
「気のせいばかりじゃあるまい、石化が進んで動かなかったわしの手がこの通り動くまで回復したのだから」
「そういや、ジル様も姫様のキュウリを召し上がるようになって、顔色が良くなられましたし、病状の回復も見られる様子。美味しくて体に良い最高のキュウリだ」
「しかし、どこでどうやって栽培なさっておられるのか、わしらにはぜんぜん教えてくれんのです。姫様がこうして谷の皆に振る舞われてくれるだけでありがたいので、詮索などしませんが」
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「わしは、姫様のキュウリで一杯やるのが一番の楽しみなんじゃ」
「ユパ様はまだキュウリを召し上がっていないようですが」
「なんですと? この宴会のために姫様がたくさん差し入れしてくださったのですから、遠慮なさることはありますまい」
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「さあ、どうぞ」
「いや、わしはその…キュウリは…」
「キュウリ好きのユパ様らしくありませんな。どこかお体の具合でも…」
「長旅でお疲れになっていらっしゃるのでしょう。だったら、なおさら姫様のキュウリを召し上がった方が良いです。疲れなど全部吹き飛びましょう」
「あ…う…、まあ仕方がない、一つ食べてみるか…」
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「美味い! 美味すぎる!!」
「そうでしょう、これほど美味いキュウリはほかにありますまい」
「まるで風が語りかけてくるような味だ」
「風の谷の名物としてどこに売り出しても恥ずかしくないキュウリですわい」
「売るのはもったいないので、わしらで食べてしまいますがな、はっはっは…」
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「これは酒がすすむ」
「ユパ様、どんどん飲んでくだされ。今宵はお城の酒蔵が解放されておりますので、飲み放題です」
「ジル様は話の分かる良い族長じゃ」
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「お楽しみのところ失礼します。風見の塔の姫様より伝令です。風に異常有り、ユパ様に至急お越し願いたいがお、とのことです」
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「一体何事だろう」
「宴会の最中にユパ様を呼び出すのですから、ただごとではありますまい。それにしても今夜の風はひどい荒れようですなあ」
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「ユパさま!」
「かっぱがおる、どうしたのだ?」
(11)につづく…
(宴会…)
「ユパ様が腐海の調査に出掛けられた後、姫様がキュウリの栽培を始められましてな、そのキュウリが美味いのなんの!」
「それに、姫様のキュウリを食べると何か元気になったような気がするのう」
「気のせいばかりじゃあるまい、石化が進んで動かなかったわしの手がこの通り動くまで回復したのだから」
「そういや、ジル様も姫様のキュウリを召し上がるようになって、顔色が良くなられましたし、病状の回復も見られる様子。美味しくて体に良い最高のキュウリだ」
「しかし、どこでどうやって栽培なさっておられるのか、わしらにはぜんぜん教えてくれんのです。姫様がこうして谷の皆に振る舞われてくれるだけでありがたいので、詮索などしませんが」
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「わしは、姫様のキュウリで一杯やるのが一番の楽しみなんじゃ」
「ユパ様はまだキュウリを召し上がっていないようですが」
「なんですと? この宴会のために姫様がたくさん差し入れしてくださったのですから、遠慮なさることはありますまい」
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「さあ、どうぞ」
「いや、わしはその…キュウリは…」
「キュウリ好きのユパ様らしくありませんな。どこかお体の具合でも…」
「長旅でお疲れになっていらっしゃるのでしょう。だったら、なおさら姫様のキュウリを召し上がった方が良いです。疲れなど全部吹き飛びましょう」
「あ…う…、まあ仕方がない、一つ食べてみるか…」
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「美味い! 美味すぎる!!」
「そうでしょう、これほど美味いキュウリはほかにありますまい」
「まるで風が語りかけてくるような味だ」
「風の谷の名物としてどこに売り出しても恥ずかしくないキュウリですわい」
「売るのはもったいないので、わしらで食べてしまいますがな、はっはっは…」
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「これは酒がすすむ」
「ユパ様、どんどん飲んでくだされ。今宵はお城の酒蔵が解放されておりますので、飲み放題です」
「ジル様は話の分かる良い族長じゃ」
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「お楽しみのところ失礼します。風見の塔の姫様より伝令です。風に異常有り、ユパ様に至急お越し願いたいがお、とのことです」
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「一体何事だろう」
「宴会の最中にユパ様を呼び出すのですから、ただごとではありますまい。それにしても今夜の風はひどい荒れようですなあ」
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「ユパさま!」
「かっぱがおる、どうしたのだ?」
(11)につづく…