鍬形地蔵尊
むかし付近の大将軍村に木納屋の庄兵衛という強欲で乱暴な農民がいた。ひでりで田んぼに水がなく、
皆が困っているときでも自分の田んぼにのみ水を強引に取り入れるので、皆々困り果てていた。
ある日、庄兵衛が田んぼを見回っていると、見なれぬ僧からその非をさとされた。
怒った庄兵衛は手に持った鍬でその僧の顔を殴りつけたところ頬から血が流れ出た。
しかし、僧は少しも怒る色もなく、黙ってそのまま立ち去っていくので、
不審に思った庄兵衛は僧のあとを付けていくと、地蔵院に至った。
ふと地蔵堂の中をのぞくと、本尊の地蔵尊の左の頬から血が流れている。
さてはあの僧は地蔵尊の化現であったのかと深く慚愧の念にかられ、
それよりのち、村人とも仲良く付き合ったという。
頬に傷跡があるので「鍬形地蔵」と称した
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