連日暑いので車の窓を開けて走っている。僕はたいてい少し音量が大きいくらい(会話は不可能だろう)で音楽を聴きながら運転することが多いのだけれど、さっきまで子供を乗せていた関係で電源を切っていたままになっていた。子供と会話を遮断して音楽を聴くほど機嫌は悪くなかったのだろう。僕以外の人間にまで僕の好みを押し付ける必要もない。
信号待ちで停車していると音楽が漏れ聞こえてくる。他の車も窓を開けて走っているのだろう。窓を閉めたままだとジャカジャカ音しか聞こえないものだが、メロディまで聞こえる。何の曲かなと思って注意してみたけど、よくわからなかった。日本人の歌う英語の物のような気がしたが、ひょっとするとそのまま日本語だったかもしれない。
信号が青になって風が動き出したら、やっぱり何か聞いてみたくなった。MDのスイッチを入れると聞きなれた曲がかかった。ギターの疾走感が素晴らしい。曲はボブ・ディランの「見張り塔からずっと」だが、歌っているのはパールジャムのエディ・ベーダーだったと思う(パーケージのメモにそう書いてあるように見て取れる)。アレンジはほとんどジミヘンのコピーだ。ボブ・ディランもこの曲がジミヘンにリメイクされたことを喜んでいて、ライブでもジミヘン風のギターアレンジで演奏するようになっていったという。もの凄くカッコいい曲で、思わずアクセルを踏み込んでしまいたくなる。車線が増えたら迷わず前を急ぐだろう。安全運転の敵のような曲である。
爽快な曲を聴いて気分はいいはずなんだけれど、何で死んでしまったのかなあ、と悲しくもなってくる。これだけ多くの人に影響を与えて、自分は何かに耐え切れなくなってしまったのだろう。自分一人だけで世界をつくっていたわけでもないはずなんだけれど、多くのものを抱え込みすぎたんじゃないか。
しかし名曲は歌い継がれていく。疾走感が異国の人間に影響を与えるように、記憶のリレーを伝えていくからだ。夏まではまだまだ先だが、春の暑すぎる日を乗り切るために、もう少し風を集めなければならない。
信号待ちで停車していると音楽が漏れ聞こえてくる。他の車も窓を開けて走っているのだろう。窓を閉めたままだとジャカジャカ音しか聞こえないものだが、メロディまで聞こえる。何の曲かなと思って注意してみたけど、よくわからなかった。日本人の歌う英語の物のような気がしたが、ひょっとするとそのまま日本語だったかもしれない。
信号が青になって風が動き出したら、やっぱり何か聞いてみたくなった。MDのスイッチを入れると聞きなれた曲がかかった。ギターの疾走感が素晴らしい。曲はボブ・ディランの「見張り塔からずっと」だが、歌っているのはパールジャムのエディ・ベーダーだったと思う(パーケージのメモにそう書いてあるように見て取れる)。アレンジはほとんどジミヘンのコピーだ。ボブ・ディランもこの曲がジミヘンにリメイクされたことを喜んでいて、ライブでもジミヘン風のギターアレンジで演奏するようになっていったという。もの凄くカッコいい曲で、思わずアクセルを踏み込んでしまいたくなる。車線が増えたら迷わず前を急ぐだろう。安全運転の敵のような曲である。
爽快な曲を聴いて気分はいいはずなんだけれど、何で死んでしまったのかなあ、と悲しくもなってくる。これだけ多くの人に影響を与えて、自分は何かに耐え切れなくなってしまったのだろう。自分一人だけで世界をつくっていたわけでもないはずなんだけれど、多くのものを抱え込みすぎたんじゃないか。
しかし名曲は歌い継がれていく。疾走感が異国の人間に影響を与えるように、記憶のリレーを伝えていくからだ。夏まではまだまだ先だが、春の暑すぎる日を乗り切るために、もう少し風を集めなければならない。