カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

汝、近隣を愛せよ

2008-05-12 | 時事
 ガソリン価格がこのまま高騰を続けるという予測が当然のようになってきた。その他の、例えば小麦粉なの食料など原材料についても、高騰するというニュースが巷間を賑わせている。今後どうなるかというのは実際にはわからないとはいえ、今のままであればこの流れのままの状態は続きそうである。値段が上がるのは先行き感がそうさせているわけで、皆がそう信じている間は上がり続けるのは当然だ。本当にだぶ付いたり、解決の糸口が見えない限り、物価も上がるだろうことはこのことからも読み取れる。そのままインフレになるのかというと、結局は利ザヤの問題もあるので、単純にはそうはならないとはいわれている。まあ、先になればわかることではあるが、このまま生活水準は下がるのではないかという不安の方が大勢であることには変わりがない。
 さて、買い物に行くなどすると、世の中はどんどんグローバル化しているという実感は確かにある。売られている製品が国外のものであるというのは、ほとんどの場合当たり前になっている。第一には為替の問題で、日本の購買力の高さがこのような品ぞろえを可能にしているということである。しかしこれは、物流が盛んだからできることでもあるので、ガソリン価格が上がるとコストの方が当然上がるので、遠くの場所から運ばれるものほど、値段が上がっていくことになるだろう。国内での製造が、延びていく可能性もないではない。
 ガソリンの高騰は、そういうわけで近い場所での経済を活発にするということにつながる可能性がある。グローバルな流れからローカルな方向へ舵が切られるということである。日本の製造業は現地での生産を強化するだろうし、国外脱出にさらに加速していくのかもしれない。日本国内の産業は、(今でもそうなっているが)サービス産業中心というのが当たり前の状態になるだろう。
 いろいろと問題も多いままだけれど、日本と中国の関係はこれからもますます深まることは確かである。以前までのように米国を見据えて商売をすることが、ますます難しくなっているからである。今のところメキシコが働かないから何とかなっているけれど、粗悪品でも北米の市場は、南米からの輸入に頼らざるを得なくなるだろう。EUの関係もますます強固になっていくだろう。図らずもアジア経済圏も自然に深まるということでもある。これからは近隣でのローカル路線こそ将来性があるということがいえるのである。
 そういうことを背景に考えていくと、日本の農業の復活も必ずしも夢ではないのかもしれないとは思える。しかし日本が原材料の生産を強化するというだけでは、おそらく長い間の戦いには勝てないだろう。すでに果物などはかなり輸出が伸びているわけだが、高級品というものに特化して物品を開発生産する必要があるわけだ。
 ヒントになるのはやはり加工品だろうとは思う。EU各国の農産品の輸出は、近年非常に拡大しているといわれている。内訳をみると、ワインや乳製品の伸びが著しいのである。つまり原材料ではなく加工品なのである。日本の農産物の加工品ということであれば何があるだろう。日本食というものが注目を集めるということを考えても、日本の加工した食材が海外でも戦える土壌は育っていく可能性は高いのではないか。
 普通に考えると、味噌とか醤油などの輸出が伸びるということは考えられないことではない。しかし、これは日本の食生活の特殊さという方面でもある。例えばタクアンのような漬物が海外で伸びるかといえば、現地の日本人には喜ばれるかもしれないが、爆発的に伸びていくとは考えにくい。
 日本国内でも強く、既に海外進出を果たしているのは、ラーメンやカレーのようである。時折日本でもそのような外食産業の海外進出のニュースを見ることも多くなった。また、大都市ではお好み焼きなどの店もよく見られると聞く。今のところ日本人の商社マンなどをターゲットにしているところも多いのかもしれないけれど、徐々に現地の人間をつかむ店も増えていくのではないか。
 まあ、結局日本という国内を潤わせるカギは輸出にかかっている事は間違いはなさそうで、工業製品以外からどのようなものを作り出せるかということであるように思う。そこに気づくことが出来るか否かで、当たり前だが将来はかかっている。
もちろんこの見方は日本のことだけを考えてということだから、日本が弱くなった方が都合のいい場合は除外している。本当はその方が地域のためにはいい場合もあるだろうけれど、日本という大国がこけてしまうことの方が、悪影響の方が大きくなるのではないか。少なくとも狭い地域の親密さがカギになっていくことは、かえって国際的にはいい流れになりそうな気がしないではない。北朝鮮のように厄介な隣人はいるにせよ、近隣とどのような付き合い方をしていくかというローカル精神こそ、今後はますます大切になっていくだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする