カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

こんな家に遊びに行きたい   海のアトリエ

2023-02-05 | 読書

海のアトリエ/堀川真理子著(偕成社)

 絵本。いろいろ賞を取っていると帯に書いてある。でも、それで興味を持ったのではなく、テレビで著者というか(絵本だから作者って感じかな、分からないけど)、この本を描いた人が出ていて、その個性的で派手ないでたちも面白いけど、本が好きな人なんだというのがひしひしと伝わって来て、その人が面白いと言ってた本が希少で少し高かったので、ご本人の絵本の方をクリックしたってわけだ。で、読んで(見て)正解って感じがした。くっきりとした絵柄じゃなくて、水彩だけどササって線を引いたような風景がきれいな絵だった。お話もものすごくドラマチックという訳でもないのだけど、なんだかいい気分にはなって、僕の文章までいつもと違う感じになってしまった。凄い影響力である。
 設定はおばあちゃんの昔話である。そのおばあちゃんが子供のころ、なんか知らないが不登校になってそのまま夏休みになっても家から出ないでいたら、母親の友達の画家の家に5日間遊びに行くことになる。その絵描きさんの家が海のそばにあって、猫がいて……、ということがつづられている。詳しくは絵を見ながら読んで欲しい。ちょっと子供の体験として、それらしくもあり、大人びてもいるかもしれない。女の子というのは、そういうものも含んでいるということか。僕の子供のころには、たぶんこんなことは思わなかったな。
 もちろん絵もきれいだし、おばあちゃんが孫に話す形で話が進むから、最小限でありながら情景が生きてもいる。なるほど、そういう体験をしたんですね、ってその気持ちがわかるような気がする。なんで不登校だったのかは分からないけど、この夏休みの後は学校に行ったはずだというのも、なんとなくわかる。そんなことみじんも書かれてはいないけど。
 たまに絵本はみることがあるけど、子供が面白いように書いてあるから絵本としてよいというよりは、こういうのを読んで欲しいな、というような大人を魅了する力があるから、結局は子供が見るんではないか(もちろんきっかけの多くはそうかもしれないけど、そういう意味だけじゃなくて)、と思う。この絵本を見て、特にそう思う。その後子供がどうなるかはわかりようがないけれど、こんなような絵本を読んだ後に実際のいろいろな体験することで、きっと将来が変わるのではないだろうか。もちろん、おとがな読んでも、何かが変わるかもしれませんが。
コメント
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