カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

古典的だが現代女性の奔放さのモデル   ブリジット・ジョーンズの日記

2023-02-16 | 映画

ブリジット・ジョーンズの日記/シャロン・マクガイア監督

 BSで録画したものを観た。すでに20年以上前の作品になるんだな、と感慨深い。小説も映画も大ヒットして、それなりに世間のブームにもなった作品だと思う。特に主演のレニー・ゼルウィガーは、この映画で大ブレイクして、個性的な女優として人気を博すことになる。お話の土台となっているのは、これまた英国文学史上息の長い人気のある、グダグダ恋愛小説の傑作「傲慢と偏見」である。これのドラマ版も全世界で大ヒットして、いまだに人気があるといわれる名作である。男が観ても大して面白くないのに、なぜか年頃の女性の心をとらえる物語のようで、基本的にダーシーを演じるコリン・ファースの若き頃の代表作といえる。これが現代社会で、またしてもグダグダした恋愛劇に生まれ変わるわけで、知っている人は、にやにやしながら観ていたに違いない。
 お話は当時は適齢期を少し過ぎた女性が、田舎の両親からバツイチだが弁護士の男性を紹介される、という設定から始まる。実は幼馴染で、まったく知らない仲ではないが、ダサいセーターを着て現れたダーシーに、最初ブリジットはあらわに失望する。そもそも職場の上司でイケメンのダニエルに恋心を抱いており、どうもダニエルも好意を寄せている風で、戦略的にじらして恋の駆け引きに成功しそうなのだったが……。
 ブリジットは奔放な現代女性ということなのだが、職場には薄着で出勤するし、パーティではバニーガールで現れるし、しかしけっこうドジで失敗ばかりしている。料理も上手とは言えない。これが等身大女性代表という感じで、要するに当時の同世代に近い女性の投影しやすい愛らしい存在なのかもしれない。もちろん男性が見ても、ちょいセクシーの可愛らしい女性なのである。ちょっとギャグはきついし、恋愛のやり方として感心しないが、二転三転して面白いのである。
 作品はその後、第二作第三作とあいだを開けて作られることになる。よく考えるとその二作を先に観て、これを見逃していたかもしれない。いや、見たはずだと思うが、ほとんど忘れていて、楽しめたのだった。記憶力が悪いと映画を観る分には得だと言えるのかもしれない。悲しさは多少あるけれど……。
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