カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

よその家でも風呂に入った方がいい   ミステリと言う勿れ

2025-01-07 | 映画

ミステリと言う勿れ/松山博昭監督

 原作漫画があり、テレビドラマでも人気を博したものの映画化作品。そのドラマでも特に人気のあった広島編、と言われるもののようだ。 
 主人公の大学生は、ちょうど美術館に行く用事で広島に来ていたが、そこで女子高生から声をかけられ、アルバイトとして手伝うように言われる。内容は遺産相続で、親を亡くした孫世代が一族の資産を相続することになる。しかし条件があって、それぞれ蔵にある謎を解いたものに相続させる、という内容だった。この一族は土地持ちの資産家で、資産相続においては、過去にも殺し合いを辞さないすさまじい歴史があるという。四人の相続人候補の親たちは、8年前に自動車事故で一緒に亡くなっている。そういうあたりから、ミステリは続いている様子だった。さて、それぞれの蔵にあるものをみても、奇妙ななぞかけになっていることは分かったが、同時にその謎を追っている時に親たちは、事故に遭ったらしいことも分かっていく。それらの奇妙な符号と共に、さらに奇妙な言い伝えというか伝説というか、この一族の成り立ちに関わる演劇が、8年前に上演されたことも分かるのだったが……。
 内容的にはよく出来たミステリ作品であるのだが、ミステリを成立させるための世界観は、よく考えてみると、現代的には荒唐無稽なものである。こんなことのために殺人を犯すような馬鹿は、実際にはあまりいないことだろう。しかしながらそうしなければこのミステリは成立しないので、仕方のない事なのである。
 基本的には、登場するキャラクタの面白さもあって、特に天然パーマの大学生のフェミニスト的な言動が、現代的な価値観の確認になっていたりして、多少説教臭いとはいえるものの、古い価値観との対立を明確にしている。そういう中での古くさいしきたり的な事件との対峙が、それなりに意味を持つものになっているのかもしれない。いわゆるそれは、啓蒙にもなっているのであろう。
 またこれはテレビドラマの続き物でもあるので、ドラマを見ている人に対しても、映画との関連のあるエピソードらしきものがあるようだ。そこのあたりはドラマを未見なのではっきりしないのだが、関連して楽しむことも可能なのだろう。なんとなく漫画チックなキャラクタがいて、続編を予見させるような作り方になっている。不連続の連続性のある物語なのであろう。さて、実際はどうなるのでしょうかね。ヒットするかどうかの兼ね合いどころ次第である(たぶん)。
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