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お雇いという巨人

先日湯島にあるコンドル設計の岩崎邸で河東先生の講演会がある、
というので出かけたところ、ものすごい人で会場に入れませんでした・・・。
前日の嵐のようなお天気とうって変わって好天に恵まれたから、というだけではなくって、
テレビでコンドルの番組が放送されたばけり、ということらしく。
・・・ううう、情報キャッチをミスった。
これは平日にでも出直さないと駄目ですね。



ところでぬゎんと、プラナリアは岩崎邸に行ったのは初めて(ははは)なんですが、
このお家はコンドルが民の建築家になってから早い時期の作品です。
国家の建築家時代の東洋趣味の残滓が感じられるようで、面白かったです。
写真は婦人客間の暖炉。喫煙室とかはイスラムスタイルは基本ですが、婦人室はどうなんだろう?
あと、噂どうり撞球室最高でした。欲しいです(笑)。

ところで、コンドル絡みでお雇い外国人関係の本を一冊読んで見ました。
のっけから明治維新の位置付け、といった堅い話から始まるのでちょっとビビリましたが、
「学術文庫」の名にふさわしい、良い本だと思います(コンドルはちょっとしか出てこないけど)。
案外興味深かったのは最後の章で統計的なことにふれた部分で、コンドルの月給が
フェノロサよりも高かった(というか、彼らは所詮教師なんでそこそこ)とか、
本書で取りあげられているお雇い外国人は20人に満たない位なのですが、
そもそも明治政府が雇った「お雇い外国人」は全部で800人弱ぐらいだったんじゃないかとか。

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それにしても、「お雇い外国人」の活動には改めて目を見張らせられます。
建築・土木関係ではここに登場しない有名人物も多数いる訳ですが
(もっとも本書は明治政府が雇った外国人限定で、地方政府や個人は別の機会に、とある)
いわばリリーフとしてお金で呼ばれただけの関係とも言えるのに、
出自を超えて日本の国益を真剣に考えたお雇い外国人という「名脇役」がいなければ
近代日本という企ては相当無残な舞台になっていたのではないかと思った次第。
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