開催中の明治工芸の粋特別展に行ってきた。
蓮葉に飛び移る瞬間の蛙とその後脚、生き物の生命力を感じさせる。
雀一羽一羽表情が異なり、藤の房に動きが感じる七宝の花鳥図香炉、波間から現れた龍と鳳凰の対峙も見逃せぬ。
滝の落ちたところの水のうねりや、勢いのついた滝の飛沫に、
紅色な染まった木々の美しい秋の滝の刺繍絵画は、
見つめれば見つめるほど、創意工夫がいっぱい感じさせられる。
着物・髪の毛・皮膚などの多様な質感を彫り分ける
老人と児童の写実的な牙彫は、好きなスタイルかもしれない。
和尚さんに化けた狸のモチーフは
面白くてストーリーを感じさせる。
なんといっても、牙彫の師匠、安藤緑山氏の竹の子
張り裂けた皮、縁の毛羽とそこについているわずかの土。
どう見ても、本物の筍にしか見えぬ、
まさに超絶技巧の言葉にぴったり。
華やかな明治工芸は、中国清の時代の工芸に通ずるところもあり、
緻密な意匠を凝らした作品の数々に、たくさんの感動を頂いてきた。
写真はお撮りできないので、
記憶の新しいうちに、記録しておきたい。
三井記念美術館 明治工芸の粋
2014年4月19日―7月13日
東京都中央区日本橋室町2−1−1
にほんブログ村